ハードカレンシーってそう簡単なことじゃない


ますます民主党には入れられないと確信。

具体的には、過去に浮上したアジア通貨基金構想について「アジアに依然として期待がある」とし、「アジアの中でそうした意見があることは小沢さんも知っている」と指摘。「簡単なことではない」としながらも、小沢代表が首相になれば「(新たな通貨制度の勉強が)話としては出てくると思う」と語った。

http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPnTK023975120090223
再送:インタビュー: 無駄排除できなければ政権交代の意味ない、国会議員削減を政権公約に明記=民主・藤井氏


チャイナがドルの基軸通貨体制に挑戦とかなんとか大々的に言って以来、妙に浮かれた記事が多くなった気がする。冷静に考えて、基軸もくそもない。
人民元がやることは、まずは国際決済通貨として普通に流通させることでしょう。
変動相場制にしてね、ってのもあるか。

元をそんなに信じているのなら、まずは香港ドルを廃止して、チャイナ共通通貨を作るのが先ではないのん? それをしない、言及しないってことは、推して知るべしではなかろうか。


あと、チャイナが日本語の記事を多用するのは、誰も食って掛からないからでしょう(考えてもいなからだと思うんだ、本職の人は)。しかしこれによって、なんか、ふわ〜っと持っていかれそうで怖い。

気分で語る政権が誕生する→悪夢本格化、という回路は遮断しなくちゃだわ。


本質的にこれは正しい見解だと私は思う。

【コラム】中国の新通貨構想は「エスペラント」の運命−Cボーレン
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003001&sid=as6F4BjLSCsQ&refer=commentary


アメ人発では具合が悪いなら他のものもある。


今日付けのサーチナの記事。まだ、「模索」なんですよ、みんすの人。聞いてますか?


関志雄:本格化する人民元の国際化への模索
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0407&f=column_0407_001.shtml


China's Yuan Ambitions
http://online.wsj.com/article/SB123896247802990483.html#

WSJにのっていた記事なんだけど、内容がまだ不明確みたいだがとにかく人民元に完全な兌換性、交換性があるって話じゃない、というのは正しいようだ。

ドル等と完全な交換が可能な通貨としての香港ドルと、互換性において制限のある人民元で試験飛行みたいな感じみたいに読める。サルコジと喧嘩してた、香港をOECDのリストから外してくれって話はこのへんにも関係があるのかも。

Certainly the swaps should not be mistaken for full yuan convertibility. Details are scarce, but it appears the yuan cannot be sold for other currencies, in particular, the dollar. Neither can they be used by the other countries as part of their reserves to defend their own currencies, unlike the recent swap agreements several countries have signed with the United States Federal Reserve. In large part this is because the yuan is not fully convertible. Hong Kong remains the only place where it is possible to open yuan deposit accounts, and even there daily deposits and withdrawals are capped.

 心配する米国人


日本政府も日本国民も特に目立った心配をしていない(ってこともないのだが)一方で、米の方では、今後の軍事同盟関係について割りと深刻なことを言っている人がいる。

最近では、デニス・ワイルダーさんという、元大統領(ブッシュ政権)特別顧問だった人がG20前に、「G2」と騒ぐのはよろしくない、これはアメリカの従来の同盟国との関係を台無しにする、それは高くつくぞと警告めいた意見をワシントンポストに出していた。


How a 'G-2' Would Hurt
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/04/01/AR2009040103039.html


以下、適宜かつまんで概略を試訳すると、

オバマ大統領は、ワシントンはチャイナとG-2という特別な関係を形成する意図はないとG20の席ではっきり世界に言うべきだ。

米国がチャイナとフランクに話し合える環境を作るのは勿論いいことだ。しかし、拡大するチャイナとの経済協力をG-2と呼ぶことで、アジアにおける長期的な友人たちとの関係で、米国は高い代償を払うことになる。


世銀のゼーリック氏とその主席エコノミストは前例のないレべルの2国間の経済協力がなければ世界経済は回復しないと言っっている。この不安定な時期でのチャイナとの近しい関係は非常に重要なので彼らの言っていることは正しい。
しかし、米中関係をG-2とラベルすることは、アジアおよびその他世界すべてで、やっかいな戦略地政学上の意味合いをもたらすかもしれない。


欧米諸国民の中には、チャイナの大戦略は、アジアにおける米国の同盟関係を台無しにする方法を探してきてその地域での傑出したパワー(列強)になることだと言う人もいる。実際、チャイナの軍事関係者の中にはそういう夢を抱いている人もいるようだが、それは北京が本気で考えていることではない。チャイナのもっと現実的なゴールは、日本、韓国、オーストラリア、タイ、フィリピンといった同盟国をアジアに持つ米国とのパートナーシップを作って、その中でそれら同盟国を従属させる、つまり、米国とチャイナがアジアにおける傑出した存在というのを共有する、というものである可能性があるだろう。とりあえず当面は。


こういう理由があるから、G-2という名前はアジアを心配させる。
日本からインドまで、この経済危機から脱する方法の模索の結果として、オバマ政権は、チャイナとの戦略的・経済的・政治的対話を拡大させるだけじゃなくて、本格的なパートナーシップに拡大させてしまうんじゃないのかとの懸念がある。

ヒラリーはアジアツアーで、同盟強化を言ってきたけどそれじゃ足りない。アジアにおける米国との同盟関係は第二次世界大戦以来我々にとって役に立ってきたし、それらの同盟国および民主政体の国々と米国は、チャイナよりもずっと多くのものを共有している。


といった具合。

経済は重要だとしても、G-2とか言ってそこにそれ以外の意味を持たせるようなことをするな、と。


最後に、

米中が正式に外交関係を結んで30年になる。経済安定からエネルギーの安定まで、超国家的な問題におけるチャイナとの関係が大きければこういう問題は対処しやすくなるだろうが、その一方で、その他の重要なアジア諸国からの大きな貢献なくして大きな問題が解決に向かうこともない。チャイナの近隣諸国が、米中間のG-2というのを、冷戦以降で最も重要な戦略的再編成と解釈するとすれば、それはそれら近隣諸国と私たちの関係を台無しにしてしまうかもしれない。

と結んでいる。
これは結構、真剣な心配だと思う。
G-2を取ったおかげで、自分たちが、け、アメという烙印を押されて同盟諸国の信頼を失うんじゃないかという懸念であり、かつ、ある意味自国の歴史を否定しかねない懸念でもあるわけでしょう。

しかも、2番目の方はまぁ相手を非難する形になるので現在は書けない。
ぶっちゃけて考えてみるに、昨日まで民主主義だの自由だのと言っていたのに、あれよあれよと中国共産党万歳になっている状況なわけだ。これを米国人たちがどうやって自己完結できるんだろうかなぁってのもわりと問題。

そして、それは自分たちにとってもイヤだが、相手から見れば(例えば日本、インド)、結局はそういう国だしね、といった侮蔑交じりの諦めと共に米国を見ることになるだろうという事態も当然に想定できるでしょう。

しかも、これが、ちょうど、イギリスがその没落戦争において、スターリンと共に正義の連合軍を組んでいたという事態を彷彿とさせているというのもある。隠然とある。


ま、しかし、現在、メディア通しで印象操作が得意なチャイナ&米民主党政権に立たれているからなぁ。
その意味では、このG-2という語の乱用は、結構、アメがはめられているところもあるかも。 *1)


で、民主党政権はこの先あと最低でも3年あるわけで、今のペースでいけば、氏の懸念通りに事は推移する可能性はあるわけだ。アジアにおける米の存在感ではなく、信頼感の低下は否めない、と。
潜在的不信感が顕在化する、といった方が適切かもしれず、アジアとの同盟とはこの紙一重の上にいるという意識がこの著者には結構あるんじゃないかと思う。)


私たちとしては、米が米のために心配していることなんかどうでもいいのだが、心配なのは、日本の側の政治家がこの懸念を共有できているのかという点か。米は没落可能性だけでなく、同盟国との紐帯に陰りのあることを懸念している or 織り込んでいる、という状態にあるわけですよ。

(そもそも、米軍再編成以来実はこうなので、その意味からは、最後に残るトラスト、信頼感さえ失い兼ねないという懸念を米内で持つ人がいるのかもしれない。ま、プーチン元気かなとか言ってる私たちがいるわけだし・・・。)


従って、日本の政治家たちは、好むと好まざるにかかわらず、遠からず、自国民の多くが、従来より大きな対米不信感の中で暮らす可能性のあることを想定して、この先の政治的判断を下さないとならないわけです。その時点はそれが有権者(私ら)にとっての「普通」に見えるはずだから。

できてるんでしょうか。


もちろん、大山鳴動ネズミ5匹ぐらいで終わる可能性もなくはないと思うし、その場合には、私たちの得意のぐずぐず考えて、なんとなく成行きを見るという行動が最終的には一番効率的だとなる可能性もなくはないでしょう。


*1)しかしながら、私が結構面白く見ているのは、このG-2という名前によってチャイニーズが持った、ある種の達成感の効果はどのようなものになるのかという点か。この間、英エコノミスト等を含む英米メディアによくあるコメント欄をつらつら読むに、すっかりアメリカとタメを張ってるのは私らだといった意識のチャイニーズを多く見るようになった。国債売るぞ、そしたらどうするんだ、わはは、みたいな。一方で、そのあまりのcomplacency(自己満足)に誘発されるかのように、チャイニーズが、自分たちの国を偉大に思う人は自分がいいポジションにいるからだろう、ここは特権持ちとそれ以外が分かれた社会なのだ、私は何一つ、ただの一度も投票したことがない云々といった意見も吐いていたりもする。

懸念する米を見て、心理的再編成は必要なのか否か

寒いと思ったらいきなり雪が降ってきた。

そしてこれを見て、なんか急に冬篭りしたくなったりもした。


Japan Backs Obama's Call for Nuclear Weapons-Free World By VOA News
06 April 2009
http://www.voanews.com/english/2009-04-06-voa30.cfm


日本は、オバマが呼びかける核のない世界を支持する、と。
ああ、やっぱり、あっさりこう来たかと思って読んだ。

オバマが大声で言っている、核兵器のない世界って、まぁ端的に日本の核武装論を鎮めるのが目的、少なくともその一つだろうなと思っていたので、なにか書こうかと思っていた矢先に日本政府が大賛成ですと来た、という感じでちょっとイヤ。少しうだうだでも良かったようにも思うけど、北朝鮮が目に入っているからこうなんでしょうかね。


一方で北朝鮮で大騒ぎをして、それによって、ほうらね、脅威はあるでしょ、で米内のMD予算は安泰。
ありがとう、日本、って感じではなかろうか。


北朝鮮ロケット発射、米軍需産業にとっては朗報か
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-37345520090406#


共和党から唯一残留していたゲーツ国防相が予算取りを重視してNatoの祝事に行かないとかなんとかいうニュースを何週間か前に読んだ記憶があったが、どっちが大事かを明白に表していたんでしょうかしらね。

(*しかし軍事予算全体としては縮小、リストラ中なのでラムズフェルドが昔叩かれたようにゲーツさんも叩かれている模様。911がなければもっと早くにこうなったんだろうなというところで、米の縮小傾向は続くって話だと思われ。不意の出来事がなければ、だが。追記4/7)


こうやって並べると、日本のやっていることは、なんだかこう、アホ(関西向け)、馬鹿ぁ(関東向け)には違いないと言っていえないことはない。でも、なんてか、とにかく軍事に気を払わずに生きて60年、ここまでのところではそれは成功体験的なので離れるのも容易ではないということでもある。身をもってそう。

ただ、20年ぐらい前、いや10年前でも、自衛隊は軍隊ではありませんと烈火の如く怒る人々が本当にいた国なので、現在、なんのかんのと自衛隊の話をおおっぴらにできるようになったことは長足の進歩だったと言えるんだろうなとも思う。

別に自虐とかなんとかになりたいわけではないし、核武装こそ人の道とか思ってるわけでもないが、議論をするための土台を洗脳モデルで蓋することは避けるべきと真面目に思う。


で、今回のアメリカ劇場。どうでしょう。
これが展開されているのは30年前でも20年前でもなく、折からのアジア激変を受けて昔に比べれば非常に軟化した、あるいは洗脳が解けた状態の日本。
核とかMDといったアメリカの覇権担保を引き受けることによって、その中で属国と言われようが静かな暮らしを目標とするという従来の作戦の今後の成否がどのぐらいかを議論すべき時には違いない(少なくとも議論を封鎖するんじゃなくて)。が、その動きの萌芽はあっても、実際には、例えば今回の日本政府の判断にしても、従来路線でやってるんだよね。


とりあえず現政権の判断としては、今後も状況に大変化なしなんだろうか・・・。
それはそれで最終的には冷静な判断としては買えないものでもないだろうが、激変可能性の大きいときにこのやり方でどのぐらい行けるもんかなぁとも思う。

小沢氏の第七艦隊発言とか、ああいうのは普通にいろんな人が言って、同時に逆もあってというのが望ましいのだが、なかなかそうはならない。政府とか政治家というより、国民の側のいくらかの部分が、完全に「禁忌」を内包しているとも思う。(お花畑左翼も問題だが、お花畑アメリカ頼みも結構多いと思う。)


そのへんから見れば、一方で昔よりも語れる範囲は広がったものの、他方で、新しい目隠しにあってる人も増えたと見るべきなんでしょう。

 夕陽に向かってゴー(2)


「日本は軍事的脅威に免疫ない」 駐日特派員の見方
http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY200904050225.html

一読、笑ってしまった。
軍事的脅威に免疫がある方がいいんだろうか??


しかもこの記事の取材した人が2人、

韓国紙・東亜日報の徐永娥(ソ・ヨンア)・東京支局長(43)
ニューヨーク・タイムズマーティン・ファクラー東京支局長(42)


この人たち2人とも東京にいるんでしょ?? 私、北米にいてテレビ見てるんで、多分、私の方が北米に関しての現地のざっくり感は詳しいと思います(笑)。ちなみにニューヨーク、ワシントンと同じ時間帯です。


BBC、CNNがニュースサイクルのトップに立ててたので、何回も同じ映像でやってました。
さらに、先週あたりから来る、来る、来るというニュースもあった。


そして、直近のラムッセン世論調査じゃ、

57% Want Military Response to North Korea Missile Launch


調査した57%が、北朝鮮に対して軍事的対応が必要と答えている。
この調査結果はなかなか読み応えあり。明日暇だったら訳そっかな。


朝日が火消しに熱心だということはとりあえず了解。

 EUは続く。中身が変わっても。


オバマ大統領、トルコのEU加盟を要望
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090406/amr0904060043000-n1.htm


NATOの総長に決まったデンマークの首相が、イスラム地域でエラク不評の人だったことから(2006年の預言者モハメッドをちゃかした漫画でもめた時に、言論の自由をたてにとったためらしい)、イスラム世界を代表してトルコがこの人に反対して、あわや総長を決められないのではないのかという感じになっていた。(とりあえず総長は決まった)


さらには、多分、トルコを懐柔する必要があるとすれば、グルジア強化に際して、イラン、トルコが結託したりしないように、ってのもあるのかなとか想像。グルジアはとりあえずあの大統領をどうにかして、米が戦略的パートナーという地位を利用してもっと上手にコントロールすることで、表面上対露で、実際にはイラン拠点も可なんてなったりして、とか考えてみるのも面白いのかなぁ・・・・なんて思って見てる今日この頃。露もわかってて騒いでいる=表面上の理由を利用する、なのかな、などなど・・・。

クルドもあるし、場所が場所だし、トルコに今ぶれられていいことはthe Westには何もないのでなんでもすると思う。フランスがどう出るのか一応注目だけど。

 世界の真ん中で打ち上げる

一方で、地球の反対側では、NATOの60周年記念行事が盛大に執り行われた。盛大にというより、もう、これでもかというほどに美辞麗句を並べていた。


前回G20が、メディアによって壮大にバブル的に演出されていたと書いたけど、その翌日のNATOの60周年記念も同様に、いや、それ以上に壮大にバブル的だったという印象を持たざるを得なかった。


史上最も成功した軍事同盟だ、とか言ってる首脳がいたが、う〜ん、これって、どういう意味なんでしょう? いや、ソ連邦崩壊の時点でこういう祝辞を述べて、みんなでご祝儀気分で美辞麗句を並べてNATOを見送るというのもあったと思うんだが、今そう来られると、かねてから問題視されているNATOの存在意義を具体例で誰の目にもあきらかなように語れなくなったので美辞麗句でアイコン化しちゃった、だったりして、と、逆に危惧を抱く。


実際、そんなことを言っていたにもかかわらず、結果として、欧州各国からのアフガン支援に目覚しい変化があったわけではなく、いつものように戦闘以外の支援ならいいけど・・・から特に変化はないようだ。会議は踊るこそ欧州の真骨頂と欧州勢を責めてみたい気もするが、でも、実際問題、アフガニスタンにおける勝利とはなんぞやが見えない状況で全力でコミットするわけにもいかず各国を責めるのも難しい。そして、欧州各国は、チャイナとは違って、まったく残念なことに選挙にある民主主義国なので、国民的に不評の極みにあるアフガン作戦を拡大できるわけもない。


それはともかく、ここ数日オバマの欧州歴訪のため、オバマのいくところにはどこでもフォーカスがあたり、そのせいでNATOにも常ならぬメディアの光があたっていたわけだが、北朝鮮がミサイルだかロケットだかを打ち上げたのは時間的にそのど真ん中だった。世界の真ん中で、ミサイルを打ち上げる、っていうなかなか華々しいことをしていた。


折からイランがバイヤーだと言われている中で、北がこのタイミングを選んだ理由は何なんでしょうね。ピョンヤンに聞いてみないとわかんないけど。

誰が一体このスケジュールを組んだのか知らないけど、いずれにしても、北朝鮮とイランの問題を米が中心になって同じフェーズで片付けていくってか、進行させていくって感じなのかな。


米の21世紀は、直接働くんじゃなくて、ある種メタフィジカルなコントロールを目標としてるんだと思うので、まぁ納得はする。つまり、表面は負けてても、OS俺のだしという体制で行きたいと。しかし、実際の戦闘=本当の人相手をどう制していいかわからないのは以後も続く、になるんだろうなぁ・・・。で、この頭でっかちのおかげでエライ騒ぎが起きたりするんだろうかというのが今後の焦点のような。


なんにしても、何ひとつ具体的な策が見えたわけでも変化があったわけでもないのに、ここまで話を大きくして、あたかも世の中変わったかのような印象気分で毎日報道できるCNNがきもすぎる。

根拠なき熱狂その2だと思う。


(手短に説明すると、オバマという黒人系の大統領が生まれた、それはすばらしい、という話を、世界中のすべての人にとっての光明だといわんばかりの態度で来る。しかも、それがかなり「素」でやってることがしばしばある。なぜなら、その興奮を伝えるキャスターが黒人系だから彼彼女にとってそれは本当だから。で、アメリカの一般事象として、それについてネガティブなことはまず普通言えないので、みんな、そうだね、と言う、と。

白人でない私と私の友達の感想としては、いいですか、私のような黒人でも大統領になれるんですよ、とオバマが示唆し、婦人が、いいですか、個人が努力すれば栄光に手が届くんですよ、私だって昔はあなたたちと同じ普通の子どもだったのよ、みたいなことを言う、という話の前提にあるものは、あくまで米国の恥部であって、その他世界に関係ないだろう、といのを完全に無視しまくっているというのが、アメリカの根本的な傲慢さというべき、という感じ。

なぜなら、つい50年まえまで殆どまったく当たり前に、さらには事実上リーガルに自国内に建国以来いた人たちを差別してきながら、外に向かっては自分たちを自由世界のリーダーとか言ってきた国はアメリカ以外にはない。それは、その他の世界の国々には関係ない。だから、自国の恥さらしを解消したかったら、まずは自国の問題として取り上げろ、だから。ハネムーン期間の終わりと共にさすがに国内でも飽きられると思うんだが、どうでしょう。)

そこにある危機・バブルな安定

安保理の緊急協議始まる 「テポドン2号」発射受け
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090405AT3K0501A05042009.html


いやいや、本当に打ち上げましたねぇ。失敗したら恥かくだけだからどこかでウルトラC的外交でなんかするのかなと思っていたけど、本当に打ち上げて本当にとりあえず距離稼いでた。


打ち上げの時間が想定されているというので、そりゃ観戦しないとだわ、と、金曜日の夜(日本時間の土曜昼間)2チャンネルを立ち上げて見ていた。テレビがない環境ではこれが一番擬似リアル。誰かが実況してくれるんだもの。みんなありがと、とか思ってみてますた。


で、打たない。来ない。なんだってぇ????というリアクションをどう捉えたものやらと思いつつ、笑ってしまっていたのだが(花見をやめて待ってるんだぞ!ってねぇ・・・(笑))、振り返って10年前とはずいぶんと違うリアクションになったものだと思った。


いや、それはともかく、結局やるやる詐欺に引っかかって1夜を無駄にして、翌日、こっちの人とその話になった。日本どうだった、の話をちょっとして、で、でもさ、チャイナはなんで北朝鮮をなんとかしようとしないのか、と尋ねられた。

私としては、そんなの北京に聞いてよ、だけど、ま、普通に考えて北朝鮮が王朝交代にせよ、暴発にせよ(同じことになるが)動いてしまったらそのインパクトをいかにチャイナであっても吸収できない、誘発要因になるって話しじゃね、と答える。

北朝鮮はそんなに大きいんだっけかと尋ねられたので、チャイナの総人口を見たらどの国だって、アメリカだって吸収できそうに思えるぐらいに膨大だけどもさ、と笑い、しかし、ポーランドウクライナみたいに大きくはないけど、オーストラリアの3倍、ルーマニアよりちょっと大きいみたい大きさって、大きいでしょ、と言う。

でもって、その中の人々は、非常に貧しいだけでなく、これらの地域の人々と違って、その他世界と多少なりとも交流があるとかじゃなくて、さらには、もちろん人によるだろうけど、総じて孤立してきたわけだから世界観が私たちから見て相当に偏っていて、少なくとも現在の広い意味での資本主義経済社会での暮らし方との親近性、対応性、適用性はおそらくソビエト下のどの国よりも小さい、ってな可能性が色濃いわけだすよ・・・


なるほどぉ、ああ、そんなこと言われてるよねとなって話は別なところに流れて行ったのだが、後になって考えてみるに、この現状が機能しているとすれば、仮に米が北を適度にコントロールできるのなら、それは対チャイナ用の武器なので、それを練り練りしてるってところもあると思うよ、とも言えばよかったなとか思った。が、しかし、それは多分、それほど簡単にはなるほどねとは言ってもらえないかな、などとも思った。いや、それ以上に、それが本当かどうか私は知らないけどもさ。


この状況の中で、北の脅威というおもちゃをいじられる私たちって、なんだか可哀想じゃない??とかも思うが、一方で、じゃあおもちゃ箱を開けた結果に対して何かコミットしたいかといわれば、あーあー聞こえない、だと思う。