懸念する米を見て、心理的再編成は必要なのか否か

寒いと思ったらいきなり雪が降ってきた。

そしてこれを見て、なんか急に冬篭りしたくなったりもした。


Japan Backs Obama's Call for Nuclear Weapons-Free World By VOA News
06 April 2009
http://www.voanews.com/english/2009-04-06-voa30.cfm


日本は、オバマが呼びかける核のない世界を支持する、と。
ああ、やっぱり、あっさりこう来たかと思って読んだ。

オバマが大声で言っている、核兵器のない世界って、まぁ端的に日本の核武装論を鎮めるのが目的、少なくともその一つだろうなと思っていたので、なにか書こうかと思っていた矢先に日本政府が大賛成ですと来た、という感じでちょっとイヤ。少しうだうだでも良かったようにも思うけど、北朝鮮が目に入っているからこうなんでしょうかね。


一方で北朝鮮で大騒ぎをして、それによって、ほうらね、脅威はあるでしょ、で米内のMD予算は安泰。
ありがとう、日本、って感じではなかろうか。


北朝鮮ロケット発射、米軍需産業にとっては朗報か
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-37345520090406#


共和党から唯一残留していたゲーツ国防相が予算取りを重視してNatoの祝事に行かないとかなんとかいうニュースを何週間か前に読んだ記憶があったが、どっちが大事かを明白に表していたんでしょうかしらね。

(*しかし軍事予算全体としては縮小、リストラ中なのでラムズフェルドが昔叩かれたようにゲーツさんも叩かれている模様。911がなければもっと早くにこうなったんだろうなというところで、米の縮小傾向は続くって話だと思われ。不意の出来事がなければ、だが。追記4/7)


こうやって並べると、日本のやっていることは、なんだかこう、アホ(関西向け)、馬鹿ぁ(関東向け)には違いないと言っていえないことはない。でも、なんてか、とにかく軍事に気を払わずに生きて60年、ここまでのところではそれは成功体験的なので離れるのも容易ではないということでもある。身をもってそう。

ただ、20年ぐらい前、いや10年前でも、自衛隊は軍隊ではありませんと烈火の如く怒る人々が本当にいた国なので、現在、なんのかんのと自衛隊の話をおおっぴらにできるようになったことは長足の進歩だったと言えるんだろうなとも思う。

別に自虐とかなんとかになりたいわけではないし、核武装こそ人の道とか思ってるわけでもないが、議論をするための土台を洗脳モデルで蓋することは避けるべきと真面目に思う。


で、今回のアメリカ劇場。どうでしょう。
これが展開されているのは30年前でも20年前でもなく、折からのアジア激変を受けて昔に比べれば非常に軟化した、あるいは洗脳が解けた状態の日本。
核とかMDといったアメリカの覇権担保を引き受けることによって、その中で属国と言われようが静かな暮らしを目標とするという従来の作戦の今後の成否がどのぐらいかを議論すべき時には違いない(少なくとも議論を封鎖するんじゃなくて)。が、その動きの萌芽はあっても、実際には、例えば今回の日本政府の判断にしても、従来路線でやってるんだよね。


とりあえず現政権の判断としては、今後も状況に大変化なしなんだろうか・・・。
それはそれで最終的には冷静な判断としては買えないものでもないだろうが、激変可能性の大きいときにこのやり方でどのぐらい行けるもんかなぁとも思う。

小沢氏の第七艦隊発言とか、ああいうのは普通にいろんな人が言って、同時に逆もあってというのが望ましいのだが、なかなかそうはならない。政府とか政治家というより、国民の側のいくらかの部分が、完全に「禁忌」を内包しているとも思う。(お花畑左翼も問題だが、お花畑アメリカ頼みも結構多いと思う。)


そのへんから見れば、一方で昔よりも語れる範囲は広がったものの、他方で、新しい目隠しにあってる人も増えたと見るべきなんでしょう。