ニューヨークでまたインフルエンザ休校


とはいえ、北半球はしばらくお休みになって、秋が勝負だろうかと思っていたら、ニューヨークでは、例の数多くの感染者を出した学校でまた問題が起きている模様。


「異常に多くの生徒」に症状=インフルで教員重体、3校休校−NY
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009051500235


3校合わせて4500人ほどで、休校終了は早くても5月22日ということは1週間まるまるお休みの措置。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601124&sid=aLU4w3L.AW_E&refer=science


その上で、これを伝えているニューヨーク・タイムズによれば、ニューヨーカーたちが、症状もないのに救急病院におしかけたり、薬局で医療用マスクやらタミフルを買い占めてる、とある。

http://www.nytimes.com/2009/05/15/nyregion/15swine.html?ref=nyregion


前回書いたとおり、ニューヨークの特にマンハッタンに通勤、勤務するエリアに住む人がこうなるのはわかる。それは東京でマスクしたくなるのと同じ。人と人とが近接してるから。

マンハッタンは狭いし、人はうじゃうじゃだし、建物は古いし、区画は北米水準ではびっくりするほど狭い(東京水準だと思えばなんてことはない)し、夏になると暑いし、埃だらけになるし、なのであんまり衛生環境的に良好とはいえないから気になるんだろうなぁと思う。


おそらく、そうは言っても、なにせマスクをしないのが普通だと深刻なまでに思い為している人が多いのが北米なので、場合場合に応じて持っていて悪いことはないと判断してマスク買いとなっているでしょう。

あと、マスクといえば、マスクを使用しないという理由として、確かに広々したところだからマスクが必要がないというのが、カナダ全体としては最も適した理由だと思うし、それだけで十分だとも思えるぐらいだけど、それにしてもちょっとへんかも・・・と思えるものもある。


カナダの保健省のマスクについての発言は、

Q33. Should Canadians take any extra measures like wearing surgical masks to avoid catching H1N1 Flu Virus?
http://www.phac-aspc.gc.ca/alert-alerte/swine-porcine/faq_rg_swine-eng.php
のところにあって、


このインフルエンザへの防御策の基本は
・普通のインフルエンザ予防と同じことをしろ、すなわち、頻繁に手を洗え、咳やくしゃみを覆え、具合が悪いなら家にいろ

で、
保健省はマスクは奨めない。なぜなら、
(1)公衆の中でマスクをするのがインフルエンザの感染予防に有効だという証拠はない、
(2)人々はマスクを適切に使えなくて、マスクの着脱で感染リスクを上げてしまうことがある、
(3)例外は、H1N1で具合の悪い人やインフルエンザ様の症状を呈している人。これらの人たちは医者、看護婦、家庭で世話する人等、患者に接近する人を保護するためにマスクの着用を求められることもある、

なんだそうですよ。


よく考えるとしかし、言ってることがばらばらというか説得力がないと私は思う。

(3)はなんかそもそもへん。感染した人だけが着用するみたいにしか読めない。だけど、普通に考えて医療機関の人は、自分は感染者じゃなくても、自分も感染しないように、そして、万一知らずに感染した場合に他にも移さないように着用しているわけでしょ。だからこの例外は妙な言い方だと思う。
(しかも、もしそうやって着用を求めるのなら、マスクは感染非拡大に有効だと言っているようなものではないの?)

あと、(1)は、単にそんなことを測定した論文はあるんだろうか? マスクをした100人と、非マスクの100人の感染拡大を比較するって結構条件設定が難しくないですか? さらに、公衆の中でっていうけど、その密度や気象条件、マスクの性能、被験者のマスク着用履歴の有無とか比較条件が非常に難しいのではあるまいか。

つまり、マスクが有効だという証拠がない、のではなくて、マスクを使った有効な試験は行われていない、ではなかろうかと私と友人は勝手に想像してみているんだけど、どうだろう。


(2)は、有効なら教育すればいいだけではないのか? さらに、万一秋口から拡大する可能性があるとしたら、今からでも教育していて悪いものではないと思うんだが・・・。
(ひもを持って、捨てる時にはそこらに放置しないで密閉して捨てろとか、そいうことでしょ?)


再度言うように、実際問題、混雑したポイントに行かない限りカナダでマスクをしたくなる場所というのはそう多くはないと思う。ただ、会社とか、電車とかで、もしかしたら、万一のためにマスクをしてみるのもいいことだ、ぐらいの習慣があってもいいのでは?と思う。これを遮断するのはどうなんだろうかと私は結構この方針に懐疑的。少なくとも、マスクをすることの効用を教えるぐらいはいいと思うんだが・・・? ここまでのところ、何か、頑強にマスクを拒否しているとしか思えない(一方でNYがあるわけだが)。なんでしょう? マスクの絶対数が足らないので、それでパニックの引き金にしたくないとか、何か、別の要因を考えたくなる。


ちなみに私は、花粉症用のを日本からいくらか持ってきているので(別に花粉症でもないのだが、なんとなく買ってきた)、外出時にはジップロックに入れて持ち歩いている。使ったことはないけど、何かここはヤバイ、または自分の具合が悪い、と思ったらしようと思ってる。

その他、アルコール製剤入りのジェルは普通でも使ってるけど、若干は効用ありかも。インフルエンザに対してとかいうのじゃなくて、お絞りは出ないので、洗面所にいくまでもない場合に手を洗わないでものを食べるのが、どーーーーしてもイヤなので使っているだけなんだけど。