「竹島を守る」

なにかこの奇妙な感じなので一応メモがてら書いておこう。

私がしばしば読ませてもらっているブログさんはほとんどどなたもこの問題を取り上げてないんですけど・・・。竹島のお話。

今にはじまったことではない、と一蹴されてしまいそうだが、とりあえず、トーンは滅法高い。

出席者によると、盧大統領はこの日「日本は侵略の野望を捨てていないのではないか。北東アジアの平和を壊している。第2の侵略行為であり、挑発だ」とし、「日本の探査船は政府船舶なので拿捕できないというが、日本の行為を韓国の領土主権侵略行為と見るなら、国際法を遵守することに何の意味があるだろうか」と述べたという。

http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/04/19/20060419000021.html


つまり、これは自衛戦争だ、ぐらいの調子で言っているみたいです、隣の大統領。そ、それってさぁと、今さらだが、やっぱりこう対外戦争の経験のない国ってこういう事に関してこうも無茶なのかと言いたいものはある。軽すぎ。


国際法と国内法の問題が出たのは、


【海洋調査】国内法では拿捕可能、国際法では不可
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/04/19/20060419000016.html

 しかし海洋法の専門家によると、国連海洋法など国際条約にはこのような拿捕の規定がない。商業用船舶でない場合、拿捕などを行う根拠がないということだ。


というのがあるからで、国内的にこれを心配する派がいるから、大統領はこう返した、みたいな感じなのだろうと思う。


しかし、友達の会話ならいざしらず、大統領がそう簡単にこの問題を火急の用件にしてしまっていいのかと、遠くでぼんやりそう思う。


しかしながら、この火急の用件的見解は、さすがにというべきか、なんというべきか、いわゆる外信ものには届いていない感じ。いいところ、韓国の大統領が、警告している、みたいなところ止まりか。


これはブルームバーグ。なんつーか、近々の出来事をこなしてはいるものの、ソースに書いてあることだけを書きました、みたいな記事になっていて、したがって、なんでこんなにテンションがあがっているのか、多分、この地域に関係のない人には、まったく見当がつかず、それはEEZだから、漁業権が、とお金の問題に還元してようやく、まぁそういうことか、と納得する意外に読めそうもない記事になっていた。国際法に訴える件に付いての解説がないからかも。ソースは共同だそうだから望めないか。罪だな、共同。もちっと親切に書けばいいのに。無理か。いや、それはそれ。
Roh Warns Japan About Survey in Area S. Korea Claims (Update2)
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=10000101&sid=atjn7xHBWxi4&refer=japan


こっちは、BBS。
ブルームバーグとちがって、これはこの地域の関係をわかって書いてるくさいなぁと一読してそう思った。事実関係は粗雑だが、開けた瞬間出てくる、「コリアンのおさーんの名物日の丸燃やし」があるストーリーを物語ってしまうといった作りかと思う。
S Korea ire at Japan island move
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/4921358.stm


ついでにいえば、住民はいないんだが韓国の警察がこの岩を占領している、と書いている点も、読む人によるだろうが、占領している側が騒ぐってなんでですか、というリードに見えたりなんかして。
The isolated rocks have no settled population, but have been occupied for decades by South Korean police.



と、ここまで読んではたと気が付く。
あれ、でも、誰かコリアンが、住む、というのはなんだが、しかしとりあえず住んでるんだかなんだかしたことがあったが、BBCはそれを居住民とはみなさない、つまり、抗議の一貫だ、と見なしている、と。


が、しかし、ブルームバーグでは、

A South Korean fisherman and his wife are the only civilian residents living on one of the islands. The island is protected by the South Korean coastguard and the military.


去りげに何げに、どこの国のソースだお前、みたいなソースを共同は排出しているのじゃまいか、など思った。


南朝鮮の漁民とその妻だけがこの島の唯一の住民だ。この島は、韓国のcoastguard(韓国も海上保安庁?)と軍によって「守られて」いる。


この語の選択はブルームバーグの執筆者なのか、それとも共同配信なのか、興味深い。
BBCのは写真のキャプションも含めて、occupyだが、

Japan's and South Korea's claims go back centuries, but islands occupied by S Korea since 1953


何世紀も争ってる、これ?? という疑問は残る。が、でも、1953年から占拠しているといっている点で、とりあえず、視点が中立的な立場になってるんじゃまいか。少なくともprotectedよりかは、など思う。


protectというのは、

敗戦以後、日本は日米同盟を軸に国連の中央主義、アジアの一員という3大外交原則を明らかにしたことがある。
潔白な他人の領土に探査船を送るのがこの原則に合っているのかを問いたい。

【社説】こんな日本を誰が隣人だと思うか
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=74874&servcode=100§code=110



こう書く主体にとっての視点じゃまいか。だからそれを使うということは、守るという行為を意図している主体の側に極端に寄っていることになる。私が竹島を「守れ」と、朝鮮人の誰かが独島を「守れ」と書く時、それらは話者が互いにそれを自国領と思ってる、自分に深い関わりがあると思っていることを含意するが、全然関係のないカナダ人、つまり第三国の人間が、島Aを守れと書いたら、おそらくそれは自然破壊から守れ、ぐらいの意味にしかならないだろう。現在の問題は明らかにこの文脈ではない。[捕捉:このパラグラフは最初の1文以外は文字化けにより、後日(4/21)に書き直したものです。]


ま、考えすぎかもしれないが、私はこういうのはとても気になる。編集してたら付箋貼って(古いか)戻すかも。


と、ここで、あ、この記事がつまり南朝鮮発の南朝鮮執筆者によるものなのか、と気付く(遅いって)。
そうでした。


じゃあ、仕方ないか。でもなぁ、どうなんだろう。ま、ブルームバーグはそういう媒体じゃないからどうでもいいんだろうけど、媒体の主体性はある、という媒体ならこの記事はやっぱ付箋だらけだと思う。主権の問題だ、とかいう小見出しまであるし。

<付記:共同、疑って悪かった。今回に関してはごめんなさいを言う。とはいえ、原文を見てないから暫定だが。>


と、どうも全然別の方に話がいってしまったが、あんまり無茶なことにならないといいけどなぁとぼんやり思う。が、もう遅いんだろうが。

 ナショナリズムと累進課税


北米は確定申告の季節。
特にネタはないのだが、毎年思うことをひとつ。


ナショナリズムを頭っから否定して、その上で累進課税を当然だ、贈与税も当然だと考える日本の左翼というのは根本的に頭がどうかしているのではないのか。


これは、この社会を自己と一体化させるほどに大事に思う人々こそが国民=租税の負担人であり、そこに区別はない、だからみんなで再分配するのだ、というアイデアがあってはじめて成り立つ仕組みだろうと思う。そうでなければ、最大譲っても、一定以上の税金なんか払えるかよ、になってしまう。


したがってグレーエコノミーが大きいところというのは、うそんこのナショナリズムなんだ、など言ってもいいかもしれない。また、このマーキングによって、そのナショナリズムが、本質的に対外的なものか、それとも本当にその社会に価値を見いだそうとしている、高いものにしたいという欲求の現れなのかを計ってみることも可能ではないのか。



真面目に言うが、日本って、農地改革をたいした混乱もなく実行できたほどに、国、または社会を大事に思う志ある人がたくさんいる社会なのだという点を、私はもっと国民的に周知徹底させるべきだと思う。遡れば大政奉還もそうだ。

 移民とナショナリズム


アメリカの移民法の行方は今もそうはっきりとはいえないが、とりあえず展開として、いいというか、いけそうな感じになっている模様。やっぱアメリカ人は市民権をしっかり理解している社会だよなぁなど感想を言いたくなる展開。


この写真を見ればまず一目でわかる。デモが、星条旗をかかげている。

Immigration
Not criminal, just hopeful
http://www.economist.com/world/na/displaystory.cfm?story_id=6802645


さらに、

Second, the immigrants have aspirations most Americans can relate to. A new survey found that 92% worked, 98% wanted to learn English and 96% were happy to be fingerprinted and subjected to a criminal background check as part of a process that might lead to them becoming legal citizens.


要するに、ちゃんとアメリカの社会の一員となる用意があるんだと不法移民の側が持ち出している。


先週あたりは、メキシコの旗を振って、おれたちはなにも悪いことをしていない、不法移民を認めよ、という主張だったわけで、これって、普通共和も民主もなくアメリカ人はほぼ受け入れられないだろうなと私は思っていた。だって、なんで、不法移民という外国人がアメリカの立法にデモという力を持って介入すんのさ、あんたら少なくとも俺らの法律を破っているわけだが・・・だったから。その上、メキシコの旗ふってるってことは、アメリカになじむつもりもないってか、に見えた。折からの反米ムードと、デモクラッツの支持層は重なるわけだが、ここで反米をもぐりこませたらまとまる話もまとまるまい、と思っていた。


が、誰か知恵した人がいたんだろう。その後は、その見え方まで変えてきた、と。こうなったら、偉大で豊かで寛容なアメリカを表すべきだ、というトーンも可能だろうしアメリカ人としては、そうなら考えてもいいな、そのかわり守るものは守れよ、法は法だ、となる。これは間接的なナショナリズムの援用とも言えるだろう。


上の税金の話と同じだが、俺たちを入れない日本の社会は間違っているといって道徳的判断というより感情を最大の武器にしてきた日本の一部の人たちには到底できない相談だろうし、実は、それはそれだけ、本当に働くためにはこれが必要なんだ、という程度の大きさを表しているということかもしれないし、法と秩序に対する理解が浅薄だということかもしれない。

まとめ:本体社会を否定しながら移民させろ、という方針はほとんどの場合自滅する。

 これもひとつのグローバリズム


概ね、ニュースをちゃんと書いている方に入るだろうKorean Timesが、いろんな意見を紹介していて興味深い。

``The latest developments certainly complicate the whole situation. But I think it remains clear that Korea has nothing to gain by letting the Dokdo controversy develop into a territorial dispute,’’ said U.S.-born John Hughes, who has been living in Seoul for nearly two years.

``The Korean government should approach the recent incident simply as an issue over the setting of exclusive economic zones (EEZ) and should not allow the dispute over territorial claims over Dokdo to move to the center of the arguments,’’ he said.

アメリカ生まれでこの頃ソウルに住んでいる学者さんは、これを領土問題にして得るものはないと言い切り、EEZの問題でとめておけと提案。


が、しかし、

Lee Jang-hie, vice president and law professor at the Hankuk University of Foreign Studies (HUFS), echoed Jhe’s statements in the same news conference, suggesting the government set up a separate body to develop consistent strategies in regard to the Dokdo arguments, and also consider cooperating with North Korea to counter the Japanese claims.


この問題で、日本の主張に対するのに北朝鮮との協力も考慮に入れるよう提案してる人もいたりする。


ふと、これってあれか、(やはりというべきか、でもあるんだろうが)、北の煽りかなど思ってみたりする。


で、となると、これまで読んだ外信も、ソウル発が多くて(そもそもチャイナ、コリアは英文発信メディアがげろげろに多いからそうなるんだが)、そのいちいちが、書けば書くほど自分を鼓舞してしまって、その上さらに、どうしても自分で読めない聞けない話せない言語で問題がおきているために欧米メディアは、出ている英文ニュースに頼る、すると、コリアに肩入れになるだろうことは予測できる(なんの根拠もなくとも)。


するとそれを見た(察知した)コリアメディアは、風は我が方に有利と判断してさらに出る。しかし、マターは厳然としたある種リーガル問題みたいなものなんだから動かないものは動かない。どうあれコリアは混乱する。


混乱は、この展開の中で、次第に、EEZから、あらゆる歴史問題が問題なのだという主張に軸が移った場合収拾がつかず、そしてここで、北朝鮮との共同歩調が南朝鮮の激した人々にとってとても魅力的なものとなる(だってほら、ほとんど罵倒のプロだから)。


上のアメリカ生まれの人はがまさにこれを読んでいるざましょ、多分。


ということは、すでに欧米メディアが、多分考えてないと思うが、コリアと日本の問題は靖国があって、いろいろあって大変なのよと若干南朝鮮に同情的に書いているかまたは今後書くだろうと予測できるわけだが、それは、結果においては、南の北への接近プロットを応援することになるだろう。


なんかなぁ。意図せずして意図が固まるみたいな。これも一つのグローバリズムか。


日本は、EEZに対する主張と根拠等々、要するに手持ちのものがあるわけだからそれを無理なく追求しているという点に、そう、結局上のアメリカ生まれがまさにコリアに望んでいるそれを遂行すればいいし、それ以上は(この件に関しては)聞こえないことにしておくのが手堅い。


そしてここでもう一つのグローバリズムが発動してるかも。おそらく、日本のメディアの大部分はこの件を日本にとって好意的に描いてはいないのではないか? 多分あまり報道してもいないのでは? しても、韓国が怒ってます、どうしたもんでしょうね・・・で終わりと、意図は他にあるにもかかわらず、しかし結果としては、低いトーンで伝えていることが日本国民を無駄な奮起の方に押し出さないことに役立っているのじゃまいか。


多分、これでいいんだと思う。私たちは、国際条約を守り、信義を違えず行くことが必ず自分を守ることになるのだと信じていられる人々だと私は信じる。