高くついたボーナス

いいんだか悪いんだか、うまくいくのかいかないのかよくわからない米国経済。個人的には、経済だけじゃなくて外交も含めて、なんか、完全に駄目路線を行っているような感覚はある。ま、地域住民としての単なる感想だが、どれだけテレビが、オバマを通して、がんばってるがんばってるといおうとも、時々指標が悪くはない、ってな展開になろうとも、バーナンキが聖職者みたいな顔をして孤独にがんばってる姿を見せようとも、なんか、すべてが芝居じみている・・・・など思ってしまう今日この頃ではある。ま、感想だが。


で、今日は今日とて、午後になってテレビをつけたら、別世界に入ったわけです、どう思いますか、ええ、これってももう、と興奮している。なんだろうと思ったら、FED国債を買うという話。来るだろうといわれていた話が来ただけじゃんか、みたいに思ったりもしたがとりあえず晩御飯からずっとテレビなど見て、ふ〜んと思った。ふ〜んと何を思ったかといえば、で、これで一体どうなるのか実際問題誰もはっきりしないように見えるのね、ということは、これは本当に賭けなのね、ということ。

もちろん、どんな経済だって明日のことはわからないのだが、それにしてもなぁ・・・という感じか。
そういえば、最近、やたらに、金貨のCMを見るんだが、これって何、万一インフレになってもいいように備えましょうという言外のお知らせなの?とかは思っていた。やたらにCMが流れている。


CMといえば、競売で家を買いましょう、専門家の解説手引き一式で何万円だったかそんな値段で、もうね、誰でも馬鹿みたいに安い値段で家が買えちゃう!という元気なCMも目につく。バブル前期にも、住宅のCMというのはあって、家を買ったら、そこからの家賃収入があるわけですよ、これこそすばらしい人生!!!! って感じだった。まぁそれはそうだろうみたいに冷静に見ていたことを思い出す。ただ、私はバブルははじけるという確信のある側だったので(どの日本人もそうだった)、今・・・・って、もう駄目じゃないの?という確信を持って眺めていた。


しかしそこから競売というのは、これってグレードが上がったというべき??
グレード・・・。何のグレードだろう?


しかも内容がすごい。
こーんな大きな家が、500ドル(5万ぐらい)です、これなんか399ドル!! 

そしてそれを500万円だか、1千万円だったか、なんだか普通レンジの値段で売る!
どーです。すごいでしょ!!

ええ、私はこれで半年で6千万(だったかなんだったか)儲けました。
私は● ドルで買ったのを、○で売りました。
手続きはいたって簡単。教材に従ってやってみただけです。

と、アメリカのこの手のcMなら必ず付いているといっていい、おなじみの体験者の体験談が流れる(モデルだとしても)。

これが、天下のCNBCの夜とか週末のCMで流れていた。
どう考えても、そんな物件がごろごろ落ちてるとは思えない。


普通に考えて、競売物件ってややこしいことが付き物だし、リーズナブルなレンジで買われないなら買われないだけの理由があるからそこにあるものではあるまいか・・・? で、その手数料と手間がかかるからそう簡単に一般人は入らない、と。もちろん、狙って悪いことはないし、掘り出し物もきっとある。普通の商行為だとも思う。だからこういうのを習うのはそれなりにいいステップかもしれない。そしてアメリカ人はこういうのが大好きだし、なんせ破産することが権利だという認識がかたい人々なので、こうやって競売とかなんとかを通して安く買うというスキームはそれなりに整っているらしいし、凝ってる?人も多いやにきく。


が、やっぱりこれって、教材を見たらあなたもできます!って、まるでスチームアイロンとか、便利なスチーム式床磨きモップ(私はこれを買おうか悩んでる)とは物が違うのではあるまいか。そして、競売で不動産を買うなら、競合者に備えてそれなりに余裕資金がないと駄目ってのが常道だという話を聞くので(手続きで余分な出費があるとかもあるらしいし)、この時期、目先が曇ってる人めがけて大量CMっていいのか、ねぇ???との感想が出てしまう。ま、だから、そういう厳しい世界をこの教材を使って確かに成功する人こそ偉い、という見解も成り立つだろうが・・・。


が、しかし、グレードが上がったような気がするわけだが、そのグレードとは多分、どうでもとにかく儲けたい、欲とかいう標準的な語ではすまない、渇望感みたいなののグレードではあるまいか。そして、これが商材になる側も同様に、渇望感が見えるといっていいのかもしれない。なんか、普通じゃないと私は思うが、でもきっと、これで電話しようとしている人にそんなことを言ったものなら、「チャンスなのよ!」といわれるんだろうと思う。そうですね、と言おうと思う。



それはそれとして、で、今日のFRB騒動のその後。

米国株、ダウ平均上昇に転じる FOMCで長期国債買い入れ決定
http://markets.nikkei.co.jp/kaigai/summary.aspx?site=MARKET&genre=c8&id=AS3L18073%2018032009


で、FTに、ほぉ、という小さなコメント記事が出ていたのでクリップしていたのだった。


John Authers氏が言うには、これは確かに言われてたことだけど、ここまでする必要があるんだけっかという人もいる。で、それに対して、多分、AIGの問題とかでこれ以上公的資金を投入できなくなるかもしれないから、それを見越してFEDが調達ってことにしたんじゃないんですかね、と言っていた。


と、そんな話と同時進行しつつ、最終的に、ドット上院議員がはっきり言明したらしい。


法案ができる前にそういう高額ボーナスがあることは知ってて、財務省はそれを新しい法案の対象外にしろと言い張ったんだよ、と。

Dodd: Treasury Insisted On Grandfathering Bonuses
http://www.cbsnews.com/blogs/2009/03/18/politics/politicalhotsheet/entry4875279.shtml


もはや、火に油状態。

実際問題、AIGのCEOへの議員の面接ってか糾弾ってかが、完全にショーアップされて(大げさにってことじゃないけど、最初っから糾弾するつもりでやってるから、仮にCEOが合理的なことを言っても誰も聞いてないと思う)、プログラムに入ってます状態だったのだが、留まるところ知らずになっていた。

テレビの一般市民の声の中に、契約だからボーナスが出たっていうけど、今は、俺らも、どこの仕事でも、誰の仕事でも、ユニオンも、みんな、契約を見直して耐えてるんだぜ、それを契約だからってここで税金を持っていくなんて、おかしーだろー、ってな声があった。確かに、だ。

契約が大事なのはわかるし、出来る限り大事にしたいけど、そういうえば、時価会計見直すかなとか言い出してみたりしているのも、約束を破ってるだけでなく、その約束に従っている多くの人を裏切ってもいる。このあたりは、「時節柄」で済まして、個人の契約も、みんなで痛みを分け合ってと流して、ボーナスは契約だから、ってのは、まぁ普通に通らないでしょう。
(やるならもっと上手くやってほしい。経済の混乱を望まない、別にアメに税金払ってるわけでもない私としては)

リディCEOは「米国民が怒りの声をあげているのはわかっている」としながらも、ボーナスを受け取った約400人の名前を明かすことについては、生命の危険もある脅迫があったとして、裁判所から召還される可能性があるにもかかわらず、かたくなに拒否した。

 また、「ボーナスを受け取った社員の中には、自ら進んで名乗り出て、全額の返還を申し出ている社員もいる」とも語った。

http://www.afpbb.com/article/economy/2583622/3931953


高くついたよね、これ。オバマ政権にとって(そして米国にとって)。

夕方のテレビでは、上院議員の中には、ガイトナーの辞職を求める人まで出てきていた(フロリダの上院議員だったと思う)。ということは、ごめんなさいぐらいじゃ収まるまい。

ガイトナー、もたないのではあるまいか?
そもそもこの人、歴戦の議員のおっさん、おばさん達の間にあっては明らかに線が細いのが痛い。

オバマも細いが、オバマ氏はもう、なんてか、こう、人民の間でなだめ役を務めるという役をこなしている俳優なので別扱い。これはこれで大事な仕事してると思うよ。そうでもなかったら収まらない国なんだし。