マスメディアの現実からの乖離によって丈夫な国となる

1月の経常収支、13年ぶり赤字 1728億円
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090309NTE2IFN01505032009.html


去年の収支は3年ぶりに前年を下回って、今年はそれを下回っていくという成行きなんだろうか。時間が経つにつれ、なんかすごい数字ばかりが目立つ日本経済って感じになってきた。今週号の英エコノミストでは、日本人の貯金が減ってる話をしていた。なにが言いたいのかよくわからんかったが。


で、それにもかかわらず世間の関心はそっちではなくて、なにかこうすっきり来ない政治献金問題だったりする。これは余裕なんだろうか? 前にも書いたけど、他の国だったら今頃、挙国一致体制で、for Japan を語る時期だろうと思う。


ま、だってビジネス・ジャパンと政治ジャパン関係ないしというのが私たちの長年の習慣なので、まいっかというところでもあるのか。それに、なんのかんのと政府は、中小企業の資金まわりが止まらないよう年末ぐらいだったからさり気に(さり気にしちゃう日本のマスコミだが)必要なことをしているし、経済界との軋轢があるとも聞かないので、会社は普通に存在し、人々は給与を受ける。ま、いっか、なのか。


つまり、人々は持ち場持ち場でしっかりやっていれば、挙国一致であることを政府が見せなくても、マスコミが書かなくても、別にいい、と。

さらに、どうあれマスコミが、挙国一致でがんばる政府、与野党とかいうのを望んでいるとも思えないし、あっても無視しそうだから、最終的に私たちは、for Japanを語る言辞にお目にかかることはできないという厳然たる仕組みもある。確かに。


これを合わせてみると、危ういバランスで出来ている国だと思わされるけど、この方が丈夫だともいえるかもしれない。なにしろ言論に引きづられる可能性が小さい。
従って、現状は、マスメディアの現実からの乖離によって丈夫な国となっているかもしれない私たち、なのね。多分。


このデメリットは、着目度、重要度が低いから、言論機関の言論の精度があがらないことと、この暗黙の了解ルールは、わかる人にしかわかないないものだから、時と共に価値が多様化してきた社会内にあっては、相応に不安に思う人々を輩出するであろう。つまり、このスキームにはタイムリミットがある。