北極海方面がちょっとかまびすしい

そんな中、

オバマ米大統領訪問前日にロシア爆撃機が領空に接近、カナダ
http://www.afpbb.com/article/politics/2576621/3865168
こんなニュースもあった。
カナダとロシアってとても関係なく見えるし、争点なんてなんにもないように見えると思う。が、実はこの2カ国は北極海をめぐって過去数年積極的に?口ゲンカしてるんだす。
で、カナダ領空に接近というけど、別にオタワまで入ってきたりしたわけでなく(これじゃ接近じゃない、内陸なので完全侵犯しかない)、北極海側のカナダ領空に接近した、と。つまり公空には違いないようだ。

どこかというと、こんなとこ。

Tuktoyaktuk


多分、このあたりの動きは、今年の5月に大陸棚延伸の申請なるものがあって、そこで北極海にフォーカスがあたるはずってな話の前哨戦なんだと思うだす。
北極海に関しては、ロシアの位置は沿岸各国(5カ国かな)で一番面している面積がでかい。
さらには、北極海ならどこでも凍るってもんでもなくてロシアのヨーロッパ側はそもそもノルウェー海流のおかげで凍らなくて、でも残りの太平洋側に向けての部分が凍っていたから半年は動けない地域が結構あったのに、折からの温暖化でその期間が2ヶ月ぐらいだかになった。これで去年大騒ぎしていた。今年も暖冬だったのではなかろうか? (日本はもう春でしょうが、カナダもロシアもまだとっぷり冬なので勝負の行方はまだわからないけど)


http://en.wikipedia.org/wiki/North_Pole
左側がカナダ側、右がロシア側。元々凍らない面積が広いだけでなく近年がらっと開いてる。


もうね、カナダのテレビとか、北極海が凍らなくなったおかげで今にもロシア人が攻めてくるといわんばかり、ってなトーンがちょっとあって面白い。だけど、カナダ&アメリカとロシアは昔から対面しているわけで、でもってその中では、双方のアクセス(つか、静かな攻撃?)で、いろいろダメージを与え合っているそうで、ということはロシア人だって怯えてるんじゃないかと考えたいところだが、そういいう話はついぞ聞いたことがないのは国民性の違いなんだろうか? 寒いところで有利と聞くと燃えるロシア人、みたいな(笑)。


というわけで、欧州フロント・北極海フロントでも、そして太平洋フロントでも、今年はロシア大注目の年。

でもって、北極海から見ると、欧州も太平洋も北米もとても近い。レンドリースの物資をソ連に移送したのは北極海経由が多いそうだし、ある意味勝手知ったる仲じゃんか、だし。ついでに、北極海を探索してルート作ったり、バルト海の下通してパイプライン作ろうとしたり、欧州人って仲良くしてたら壮大な無駄にしかならないことを真剣にやり続ける人たちなんだよなぁとかも思う。