ロシア関連の報道がまた変だ

この間、finalventさんがロシアまわりの報道があれれだ、というノートをまとめてくださっていた。それらの報道に接して私もほぼ同じように、なんでしょう・・・?という感じがあった。

ロシア関連の報道がどうも変だ
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/02/post-195f.html


で、どうしてこうなんだろう、については、多分、外務省的には、ちょっと待て、待ってくれという合図だったのではなかろうか、など思った。流れとして、領土問題から、平和的に友好条約ならびに付随的な強力体制を整えるというのは、もしあればの話ではあるが、とりあえず、当事者にとってのみならず、ロジカルには地球的、地域的安定のために全体としてもいいであろうとしても、でも、このイベントに付随する反応、システマチックな反応が読めない、っていうのも本当じゃないのかなって思う今日この頃。


もちろん、国益最優先でいいけど、日本の国益ってなかなか難しいよね。だって、できるだけ自由貿易的で、要所要所は純粋国益追求、みたいな感じなので、どこが大崩するのも基本的にはあまり好ましくない。平和的な人々だとも言う。


いやそんな推測はともかく、昨日今日の、ロシアの銀行の債務についての日経の「誤報」というのも、このロシアまわりのあれれに入るんじゃないのかなぁと思ったのでメモ。


昨日の日経が伝えたのがこれ。

ロシア、民間債務の繰り延べ要請へ 外国銀と交渉、最大36兆円

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090210AT2M0903E09022009.html

 【モスクワ=坂井光】ロシアが民間債務の返済繰り延べ交渉を、欧州をはじめとする外国銀行に要請することが9日、明らかになった。銀行業界幹部によると、対象となるのは最大4000億ドル(約36兆円)。既に繰り延べの案を政府に提出した。交渉を始めることについては一部外国銀行の賛同を得ているという。金融危機で民間債務の繰り延べを政府として要請するのは初めて。

政府として要請した、と書いたわけですね。

しかし、今日になって、

ロシア政府、民間債務の再編検討を否定
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-36408720090210


ロシア民間債務繰り延べに関する報道、一部正しくない=ロシア政府報道官
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-36404220090210

 同報道官はロイターに「日経の情報は部分的に間違っている。日経は十分な事実確認をせずに業務を行った」と語った。


で、英語版では、この記事が詳しいか。
ブルームバーグの記事。NY時間朝から日経の報道を訂正していた模様。尚、記事内では、ブルームバーグが直接、この問題になったロシア地域銀行協会のアクサコフおじさんに電話インタビューしている。


Russia Companies Asked by Banks to Hold Debt Talks (Update3)

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601085&sid=amUY4.dT86Nw&refer=europe



というわけで、実際には、民間の地銀さん組合が政府にまとめて交渉する仲介役になってくれと要請はしたが、ロシア政府がやっているとう話はない、ってことらしい。ま、基本は民間の、主に欧州系銀行との交渉っていう普通の筋で事態は推移しているっぽい。どっちにしても、エグイんだろうとは思うが。


で、これが報道に関する事実関係なのだが、折からのロシアがらみのへんな報道の一つだよなぁとか思うなぁ、私。単なる間違いだろうか?


実をいえば私は夕べこの日経の記事を読んだときから、へ?とか思っていた。内容的にどうこうじゃなくて、普段、日経の外信といえばFT他の外国報道のサマリーを書いているといっていいかと思うんだが(別のbpとかとかでフリーランスだか会社員だかの個人の取材記事はあるにしても)、今回、どうしてロシア人に直接取材なんだろう??と思ったのだった。非常に珍しいものを見た気がしたの。しかも、他誌に続報がない。

ロシア地域銀行協会のアクサコフ会長が日本経済新聞に明らかにした。


日本に来てたのかなとか思ったりもした。あと、大使館の経済部の人とか、とか一瞬思ったがでも肩書きが違う。上のブルームバーグを見る限り、この人はモスクワにいるっぽい。


常日頃、世界中に取材網を持って、ニュースとして先行しているブルームバーグもFT(アルファヴィル)もロイターも、日本の日経が報じたけど、こうらしいよ、と元ソースが日経になっている。


で、で、疑問なのは、日経さん、どこからこの人物を探してきたのだろう? とうか、そもそも、そうなりそうだというソースはどこなのだろう。あと、おそらく小さいかエクスクルーシブであろうそのソース(少なくともメジャー紙になかった)を追って、インタビューを試みたというのは日経さん的に普通の取り組みなんだろうか??  


何か不明瞭な時にカナダの銀行組合に日経さんが問い合わせるとか、やってる?? やるのは民間銀行同士とかなんらかの協会で、なんか日経さんの直じゃないような気がする。ニュース配信社じゃないからなんだろうし、なんせ外国だからなんだろうが。いや、まぁ、想像ですが。


向こう1週間が楽しみ。