ウクライナの天然ガス紛争


ウクライナがらみでは、石油天然ガス・金属鉱物資源機構JOGMEC)さんがまとめを出してくださっていた。

ロシア: 繰り返されたロシアとウクライナとの天然ガス係争

http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=0901_out_i_Ukraine_Gas_Dispute.pdf&id=2236


総じて、ロシアがやっていたことは結構というか、かなりというか経済合理的に理解できるものばっかりだわな、という感じで、一方のウクライナ、なんとかしなよ、という感じ。


各種いろんなことがこの先も起こるだろうけど、基本的にはFTの記事の、ユシュチェンコ大統領のこの顔がすべてを物語っていると思ってみたりする。でもって、それを掲載したFTの意図も。

[http://www.ft.com/cms/s/0/ee5b28ca-ec60-11dd-a534-0000779fd2ac,dwp_uuid=70662e7c-3027-11da-ba9f-00000e2511c8.html?nclick_check=1:title=
Yushchenko vows to abide by ‘bad’ gas deal]
(ユシュチェンコ、不当なガス契約だけど守ると明言)


こことグルジアは、なんてか、国ごとレバレッジ経済みたいなことになってるからなぁ、など思う。
つまり、自前で持ってるものは非常に少ないが、化けますよ化けますよと言い募って、アメリカまたはEUからの資金を待つ、という形に慣れすぎ。

しかし、現実には経済は左前なのにディールでっせ、ディールとか言っているので、いい加減あきれられた格好だが、それにもかかわらず、一方では、ナブッコ・パイプライン関係者の結集集会みたいなのがあって、やる気になっている模様。


このプロジェクトは、
1)パイプライン施設ができても、取り込み口にあたる側のアゼルバイジャン他がどれだけ供給できるかどうかの確証がない(この部分をEU側がコントロールできてない)。
2)同パイプラインはトルコを通るのだが、トルコが、自分んちをEUに入れないのに、EUのためになるプランって、それは賛成しないかもね、
と言っている時点で、少なくともこの限りにおいては詰んでる(秘策があるのかもしれないが)。


その前に、とりあえずEUとしては通過国としてのウクライナを管理していく、紛争を未然に防ぐ方向に力を注ぐんじゃないのかな・・・とは思うものの、必要なときに必要なことを強力に進められないのがEUなので、わかりません(笑)。