地球ってきれいだわ

日本から戻って10日ぐらいになるのだが、なんだかまだ日本にいるような気がちらほらするのは、日本語の本をずっと読んでいたからかなとか思う。

昨年末から3週間ほど日本に帰って、7年ぶりで日本のお正月を迎えた。
日本といっても南北に長いので寒暖の差はとても大きく、そう簡単に日本はこう、とはいえないのだが、東京周辺を中心にいうのなら、なんて暖かいんでしょう、とまずはそれを思った。


でもカナダに帰ってきたからすわ寒いってことはなくて、数日マイナス20度ぐらい(体感−30)の日があったり、プラス3度まで上がったりして、全体としてはなんだか拍子抜けしているかも。

ででもって、カナダに住んでいてトロントで寒いなんていうのは甘い。トロントはカナダで最南部にあるんだし、気温レンジでもやっぱりたいしたことはない。

とかいいたくなるのも、今回の東京行きで、ほとんど北極というところまで上がってから通って降りてくるルートを通って、北極方面の地面ってこんななんだなぁ〜というのをうんざりするほど見たから。太陽熱を十分に受けない地域っていうのが地球上にいっぱいあるわけで、なにかこう、どう言ってよいかわからない感銘を受けた。

これがその一枚。
これはまだカナダ。


その後、アラスカあたりはずっとこうで、アリューシャンより北、ほとんど東シベリア海、つまり北極海から降りてきて(南下して)右手、ロシア方面を見るとこんな具合。どこがどこでも一緒か。


ここまでずーっとカナダだったけど、こっからはむこーーーの果てまで全部、ず〜っとプーチンちかぁ、とか思った(笑)。


まるで初めて見たかのようなことを書いてますが、このルートは前にも2度ほど通っている。
が、いずれも夏だったのと、普通どういう場合でも長距離の場合は、できるだけ通路側を取っているので、そんなに真剣に窓の外を見る機会はなかった(それよりトイレの便の方が重要だとも言う)。

が、今回は、行きに北米北東部が吹雪で吹雪で、空港閉鎖だの便キャンセルだのが相次ぎ、予定の便に乗れず、振り替えならできますと振り返られて、ワシントン発の東京行きに乗った。


東京行は、
1)ジェット気流ルートとかいう、中緯度を横に行くのと、
2)アリューシャン伝いに行くのと、
3)その北、フェアバンクス、マッキンリーを通るのと、
4)さらにその上、カナダ領内のハドソン湾まで上がって、そこから西に突っ切るように更に北極海にかかるようなところまで上がってから降りてくる、

の、多分主に4つの空路があるんだと思う。
多分、全部乗った。上から、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴ、の出発が代表的で、最後の北極海すれすれまで行くのは、ニューヨークかワシントン発となる。

それぞれ時間は、上から、10時間、11時間、12時間半、14時間半、ぐらいかな。


そういうわけで、4)のルートは、ワシントンに住んでるならともかく、できれば乗りたくない。遠すぎると嫌っていたのだが、上記のようにやむをえなかった。

でも結果的に、冬の北極まわりをず〜っと見ることができて・・・普通これを幸せというのかどうかよくわからないのだが、私としては、とても感激した。地球は凄い。もうね、何このどこまでも何もない、水色がかった白と、真っ白白の白と、なんといっていいかわからない黒い青。地球そのものじゃんかぁ〜と歓声を上げたいぐらいだった。

そして、アラスカから、ロシア領の方に来て、オホーツク海に降りてきたら、はじめて、水っぽいものが見えて、ああ、水だ、暖かいのだと視界が言う。

その後樺太ぐらいまで来ると、生き物がいる感じになってきて(北極海だって生き物はいるんだが)、何か、大げさだが、泣きそうになった。人がいるっていいことだわ。


この路線を冬行かれる方、トイレの心配を十分にした上で、ずっと窓の外を見るってかなり面白いですよ。ちょっとした地球大紀行ができます。