よーするに大国


と書くと、なんかロシアが勝ってるみたいに見えるかもしれないが、そういうことではなくて、中東地域およびその連続としての黒海カスピ海周辺、アジア側を安定させていくためには、とりあえずこの2つの国は協力していってます、というただそういうことなんだろうと思う。で、自分が勝つとかそういうのじゃなくて、権力の空白地帯を作ってぐしゃぐしゃにするのは一時的な自軍の勝利よりさらに悪い、みたいな。

現在ペンディングになっている原子力協定を来年どうするのかでアメリカの態度が見えるんだろうけど、これで両者が分かれた場合、一見するとアメリカが強く出たみたいな感じに見えることになるだろうが、そうなった場合それは、アメリカが中東域またはその周辺地帯で揉め事を作る方向に一歩、と見えたりもする。どうなんでしょうか。非常に重要なポイントだと思う。こわごわ楽しみ。


グルジアウクライナNATO加盟問題とか、ポーランドチェコへのMD配置問題は、東方拡大問題とかいう、なんか攻撃的な名前でロシアが攻撃されてます、抵抗してます、アメ、押してます、みたいな感じで報道されてきたように思うし、基本は確かにアメの優位は変わらないけど、でも、ちょっと違うかな、みたいな。

おそらく、このまま行ったらロシアが強くなりすぎる可能性を見ての、米の問題策定計画なんじゃまいか。特にMDはそんな気がする。ここに楔を打っておかなかったら、欧州方面はずるっとロシアに首根っこを押さえられすぎだろう、そうでなくても中東方面でハンドかけられてんのに、とアメが思っている、みたいなところではなかろうかと思ってみたりする今日この頃。しかし、なぜだかそれが欧州、特にドイツにはアメのごり押しにしか見えない、少なくともそういう気分が残るってところが非常に問題、と。でも、実際そういう意図で行動を取るアメ一派がいるようにみえるのも問題。


アメリカの問題点っていっつも同じところにあるのかもなぁ。自分を優位に、あるいは責任者にして全体を万遍なくコントロールできるようになっていることが世界のためになると堅く信じている人々がいて、実際その力もあるから、まぁ世界にとってもしそうならそれでもいいかな、となれる状況があるのに、そのアメの中で、妙に、短期的で目先の勝ちに走る人々がいることが話をワヤにする。自分で自分の調和を壊す傾向を内包している、みたいな。

これは最近のネオコンだけの話ではなく、ムジャヒディーンがまずそうなわけで、短期的な勝利のために勢力を注ぎ込んで、最終的に自分んちで収集がつかなくなる。核の燃料、廃棄物等々のサイクル利用の問題も、アメリカが妙にいじこいことをしていたことに問題はなかったのか?など思ってみたりもする。ここはちょっと不明。
今後の懸念は、グルジアウクライナあたりが、悪くすると第二のブローバック勢力になる可能性もなくはないかもってところ? というか、考えようによってはグルジア問題とはそういうことかもしれないのかも。


このへんの人たちは、一時ソ連が被ったために、ロシアっぽいメンタリティの人々の1グループとして理解されているように見えるんだが、私見では相当違うと思う。このままいけば、ウクライナあたりは過去よりももっと南方的、あるいは中東的な色彩の濃い混乱が常態化していくのじゃまいか。皮肉にいえばそれが「脱ロシア化」かもしれないが、そうなると、EUは背中を向けるだそう。つか、少なくともコントロールする側とはみなさない。するとプライドが壊れる。どうするよ、と。