まさに今


先週見たチャート。ロンドン・エコノミストスペシャルレポート(という名の年に何回かのいわゆる特集)。
ああ、今ってそういうタイミングなのだとしみじみさせられた。


アメリカの自動車台数販売台数が減少し、BRICの販売台数が追い抜こうとしているの図。


もうひとつは、1000人あたりの自動車の所有数。アメリカ、飽和でっせ、というのはアメリカ国内でも言われているけど、まさにそれ。
多少のラグがあろうとも、なんつーかこの、どんどこ売れていく可能性のある地域というのは、OECD諸国ではないわけですよと今さらながらだが改めてよくわからせられる。



http://www.economist.com/specialreports/displayStory.cfm?story_id=12544933


今日あたり、サルコジ氏がヨーロッパはヨーロッパの製造業、とりわけ車産業を守ると語っていた。金融危機とリセッションで先行きがめっちゃ暗い欧州ではあるけど、その心配の新興市場新興市場であることによって、将来の伸び代があるってのも本当なわけで、正念場でもあるけど、その正念場という受け止め方は、多分、アメリカとか日本とかと違うかな、なんてもちょっと思った。域内とその隣接地にまだ種まけます、みたいな感じがあるだろうから。

対して、アメリカは、大きな国内市場全域が同じひとつのフェーズだというのが、意外と弱点かもとか思ったりもした。だから一気に閉塞して保護主義に走るモメント懸念が消えないんだろうな、みたいな。


車産業といえばビッグ3だが、GMなんかは欧州が結構好調で、ロシア市場でそれなりのシェアがあるという話。さらに、割と前から言われてた通り、チャイナ、ロシアは大きな車が売れる、今でもSUVが売れるという事情らしくて(ブラジルは欧州、日本みたいなコンパクトカーがいいんだそうだ)、これって、まるっきりアメリカの自動車産業のターゲットじゃんか!だ。もう、思い切ってGM欧州を軸に展開するとかした方が将来性があるんじゃないのか? オペルが良いってだけじゃなくて。


先週のGM救済問題の議会証言では、上下両院の議員さんたちがいろいろいろいろ言うし、ビッグ3のこの30年間も褒められたものでは全然ないんだけど、でも、基本にあるのは北米市場がこの先、ぐ〜んと伸びるなんてことはどこのメーカーでも普通にない、という厳然たる、確率の高い予想こそが問題なんだろうと思った。しかし、あまり誰もそれを突っ込めないのは(誰か突っ込んだ?)、やっぱりそうは認めたくないんだろうなぁとか思ってみていた。