4年に一回の10月

明日はようやくアメさんの大統領選挙。なんかもう、早くしてもう、って感じだすね。

で、そんなことよりも、そっちの代表者が決まったら、ブレトンウッズだ、ウッズ、とうずうずと待ち構えているのが欧州勢。11月15日の会議で、金融の規制やらなんやらと、なかんずく、資産をいっぱいつけたIMFにしたいの、というあたりが目標らしい。金融規制の中身によってはイギリスは大反対の部分もあるはず。で、それを巡って英仏は対立するであろうことは一応必至なんだろうが・・・。
Brown, Sarkozy seek ‘new Bretton Woods’
http://www.ft.com/cms/s/0/7be46fee-a92c-11dd-a19a-000077b07658.html


IMFがらみについては、そうなるとみんなしてハートを飛ばしながらチャイナを見るの図になるわけだけど(産油国にはイギリスが話しを通しに言っているっぽいがこの応答もまだ不明)、ここがどう考えているのかそれはそれなりに戦々恐々って感じがする今日この頃。農業とかなんだったかなんせ内需拡大モードっぽくも見える、プーチンとの対談もあった、そして英米はチャイナは仲間だよな、そうだよな、と語り、で、答えてる? よくわからん。


で、ブラウンとサルコジがどこまでぶっ飛ばそうとしているのかに困惑したのか、それとも、こうやって待ち構える欧州勢へのアメリカからの牽制としてカナダがそういう役割になったのか、どっちなのかこれもわからないのだが、カナダの財務相フレアティ氏が、

ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、主要7カ国(G7)は世界金融システムの再構築に乗り出すべきではないとの考えを示すとともに、G7各国が外為市場への介入を検討したことはないと語った。
 同相はこのなかで、G7各国にとって最善のアプローチは、まずそれぞれの規制の枠組み立て直しに注力することだと指摘。「今、世界を作り直す必要はない。ごく率直に言えば、各国の国民が期待しているのは、それぞれの家を正しく整えることだ」と述べた。

カナダ財務相:為替市場への介入、G7各国が検討したことはない
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aVyDyl3NdzD4


と言ったそうだ。
カナダはアメリカ側についたってことでしょうか。いや、そういうんじゃなくて独立的にそう言っているとまぁ言うだろうが、でも成り行きから言うと、多少なりとも押し返しになっていると思う。今、大統領選挙間際で、アメさんは誰も何も言えません状態なので、代わりに言っとく?みたいな。


でもって逆には、欧州勢は、4年に1回の10月がアメリカの弱点だってよく知ってるからここにタイミングを合わせてきたんだろうかなぁとかも思える。
サルコジがここでEU代表ってなスケジュールを見てもそうなんでしょう。で、イギリスはそれを追いかけつつ、牽制しつつ、一緒にやっているような、最後は出し抜こうとしているような、なかなか面白い状態だろうと思う。


どうでもいいけど、上の「カナダ財務相:為替市場への介入、G7各国が検討したことはない 」という日本語版のブルームバーグの記事タイトルは、おそらくこの原文であろうと思われる英語の記事のタイトルは、

Canada Rejects Global Financial Overhaul, Currency Intervention
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=ad12AcuGT.BA&refer=home


と、世界的な金融機構のオーバーホールについても通貨介入についてもカナダは否定している、というタイトルだし、中身の主眼も、オーバーホールの方だろうと読める。それをなぜ通貨介入にしたんでしょう?
オーバーホールに興味がないのか? んな馬鹿な。


いや、でも、私に言われたくないだろうが、日経をはじめとしたメジャーマスコミの記事が、欧州勢(英仏だが)の動向を追いきれていないように見える。アメリカの正面メディアが取り上げないからソースから漏れてる? それとも深い考えあって外してる?わからないけど、ちょっと足りてないと思う。


いずれにしても、まったくとっぴなことを言うようだけど、最後はNATOだよ、NATOではあると思うんだよなぁ。
で、これが確か年末にまた会議があるはず。

世の中は変わるのか。それとも、意外と同じままなのか。どうなんでしょう。
この間偶然1998年ごろのニュース解説のビデオをyoutubeで見たら、アメリカのユニラテラリズムを欧州が嫌い、ロシアには対応しなけばならないとか言っていて、何かこの、先月ぐらいの話みたいだなと思った。そう、非常に多くの人は911で世の中変わったというのだけど、そういうわけでもない。911はむしろその流れのうちの1つだった、と考えてみることもできるだろう。いやしかし、そうであるのならば、10年このかた(あるいはもっと?)のある種の戦いの、現在がその締め括りだと見てみることもできるだろう。多分、そっちの方が見取りがいいのかも。