経済って勘定・感情


本日の池田先生の稿より。

これはインフレ目標が望ましいかどうかという論争とは別の問題である。かりにインフレ目標が望ましいとしても、デフレ状況ではそれを達成する手段が中央銀行にはないのだ。その原因は、人々の期待に経路依存性があり、forward-lookingな最適水準で決まらないからだ(決まるなら最初からデフレにならない)。これをなんとか操作しようと日銀が試みたのが「時間軸」政策で、これは一定の成果を収めたというのが白川総裁の自己評価だが、劇的な効果があったとはいいがたい。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/7b367b1f7277569f7d8745f40ffed669


上で書いた通り、夕べ、なんとなくこの3ヶ月でインフレの目、あるいは、インフレになりそうな予感がすっかり消えてきた@北米であることを思い出し、これってこれでいいの?など思ったわけだが、大変な世の中になってるわけよねと改めて思った。
夏までははっきり、いずれインフレというのが人々の気持ちの中の隠れたコンセンサスっぽかった。実際去年からの比で目に見えて物の値段があがっていたし。


経済って、上ががっちり決めて来る計画経済万能主義のモデルならば経済は数値であると言えるのかもしれないが、自由経済モデルだと消費者心理が非常に重要で重厚なので、経済は勘定を媒介とした感情が流れを作る、とか言いたくなるものがあるなぁ。センチメントを無視しては動くものも動かない。

この局面でできることといったら、何か新基軸の世界観をうちだして、それに対しての膨大なインフラ整備でもするとか、あとは古典的には戦争とかになるのかしらね。

とりあえずエネルギーがらみの何か、あっというような話、あるいはまぁ努力目標でも、なんせそんな先の見通し、世界観を出してきて、それに連動したインフラ整備で次の10年をしのぐ気なんじゃないのか、アメ、と勘ぐっている今日この頃。

Bold as its actions have been, the Fed cannot battle the recession alone. It needs fiscal policy as well, both to recapitalise lenders through the Troubled Asset Relief Programme–both banks and nonbanks, such as insurers―and to stimulate spending directly through increased public spending or tax cuts.

The Economist
http://www.economist.com/finance/displayStory.cfm?story_id=12500565


いずれにしてもドルは希釈され続けるわけで、そっち側のコンセカンスも怖いことは怖い。