アメリカはアメリカだった?
面白くなってまいりましたというべきか、大変なことになってまいりましたというべきかわからないけど、今日もまた日々は事も無げに通りすぎる風のおだやかな日だったのだが、ウォール街は上を下への大騒ぎの由。
お昼ごろテレビをつけて、そうそう法案どうしたのかな、とか思ってアメリカのCNBCにチャンネルを合わせたら、なんか聞き取れないほど早口でまくし立てる人あり、どもる人ありで、異常事態発生であることはわかった。が忙しかったのでそのまま何事なのかはっきりわかる前にその場を立ち去る。
午後3時前になってゆっくりテレビの前に立つと、おじさんもおばさんも相変わらずまくしたて、
ディス・イズ・エイ・パ〜ニック!、と言っている人がいた。
でもなんで?なんかあった?と思ったら、なんとベイルアウトプラン(救済プラン→金融安定化法案)が否決されていた。
そらまぁ、パニックにもならはるわな、だす。
ダウ平均過去最大の下げ、777ドル安 金融安定化法案否決で
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080930AT2N2903R30092008.html
賛成 反対
民主党 140 95
共和党 65 133
合計 205 228
http://www.politico.com/news/stories/0908/14050.html
ってことで、伝えられている通り共和党の反対が大きかったが、でも、民主党も割れてるなぁ。
共和党は大統領、財務長官+FRBと、現在の責任者一式を支える党なのだが、駄目だししちゃう、と。
大統領以下はもうすぐ引退だけど、議員さんはこれからもまた選挙がある、と。
結局のところ、議員全員がサバイバルゲーム(俺だけは当選したい=選挙民に従いたい)に鋭意突入した結果、全体として、さらにサバイバルしないとならない事態が発生している、ということだろうか。
これでもう、多分、ポールソン提案では是とはならないよね?
ということは、救済案失敗、公的資金対応失敗で行くのだろうか?
まったくの後だしだが、夕べあたりCNNを見た時、ペロシが妙にかっとんでる、または、トーンがずれてる気がして一抹の不安があった。
もう、ゴールデン・パラシュート(退職時にお金をどんと持っていくエグゼクティブみたいなのの総称)はないのです! なんてことを叫んでいたのだが、いや、それも大事だろうが、それはそれとして、まず言うべきことは、
金融システムが壊れると市民生活に支障が及ぶ話なんですよ、
お金持ちを救うとかいう話だけではないわけです、
しかしその部分もありますよ、だからXXXを付けて、
自己責任を取ってもらうわけです、
これでアメリカ人の生活をできる限り安定させるべく仕事ができたことがうれしい、
などといったことを言えばいいんじゃないのか、と思った。
要するに、議員さんたちに、国民に事態を冷静に判断させる気がなかったってことかなと思う。
それよりは、今あるままの、あるがままのあなたに投票してほしいの、僕に、私に、という態度が支配的だった、と。
あとは、直近の不動産がらみからの金融危機といえば日本なわけだけど、こういう事例をきちんと説明してこなかったことも・・・と書きたいものがあるが、やっぱりそうじゃないと思う。
アメリカ人は、他国の例が自分たちに当てはまるとはついぞ考えない人たちだ。
当局者がどれだけ気をもんだところで、やっぱりなるようにしかならないのね。
今年学んだこと:
地理には勝てない。
アメリカ人は説得できない。体験させて、自分で判断させる以外に道はない
だから工作が必要になるw)。