諸君、聞きたまえ


で、まぁ大変なわけだけど、でも多分、それはそれなりに、コントロールド・デモリーションなんじゃないのか?と思う私は甘いんだろうか?


つまり、コントロールしながらの爆破ってやつ。もう、破壊的に利益がすっ飛んでいくことは確定だったので、その方向性(対中露)と爆破影響域を限定しつつやってる、と。ここしばらくのことを考えてみるとそんな気がするわけだす。


ただ、すべての要素を把握できているのならそれが可能だが、そうでない要素、未確定要素が許容以上であった場合、この破壊計画は当局者の予想外に行くかもよ、って話かと思ってみたりする。


でもって、どうしてこういうことが必要なのかというと、もう、それは、マーケット原理主義自由経済原理主義こそ我が命という人が多いお土地柄だからじゃないのかと思う。


比較的バランスしていることが最上、と考える人が多ければ、影響の射程がこれこれこうなので、どっかで何か規制していった上で時間をかけて、しかるべきタイミングで公的資金投入というモデルを最初から、是、とできるが、そういうフローを書けない。

だから、みなさんのお声にお答えして、つぶすものはつぶす、つぶすことから創造的破壊が生まれるのです、というセオリーを無視せず取ってみましょう。さあ、リーマン、退場です。万歳!


しかし、AIGまで来て、宗旨替えをした人は多いはず。
なぜなら、ベア、リーマンまでは、それって何屋さん?的な人だって大勢いる、要するに、お金のフローで言えば上流でしかも大多数には見えないところにいる人たちのお仕事だから。メリルはこれよりも一般人に近い部分がああるからなぶり殺し的にせずに救済、っていうのはどうかしらね。で、しかし、保険となってくると、えええ、私のお金どうなるの!と大多数の人がわが身の損を意識せざるを得ない。

このインパクトは、諸君わかったかね!という、アメリカ国民への呼びかけじゃないのかしら。


と、ここで、儲けた人が損するのが原則だ、ってのが崩れる。
厳密にいえばすべては金融商品だから、人々は保険を失う可能性も考えろというのは正しいかもしれないが、そこまで儲けてない人が大多数の商品だよね、これは。だから、リターンがとても小さいのに、どこか自分と関係ない人の動きによって、ものすごいステークを掛けないとならないってフェアなの、これ?と考えることもできる。ここで、儲けた人が損するセオリーは破綻する。つか、もともとそうなんだが、とにかく、それを身近なところで本当に危機にならないと、そうよ!と言えない人が大挙して存在するお土地柄だからこそこうやってるんだろうと思う。


でもって、一応救済したけど、解体されていく方向性の方が強い救済なんだろうと思ってみたりはする。つまり、時間的猶予を与えて、この間にあなたは判断しましょうね、と。


あと、なんでもかんでもプライベートだとエライという、実際には事実とも言えないものを「信仰」している人にも、

諸君、be realistic! なんだと思う。


さっき、上で書いたハンバーグ(手作りよ)を食べていた時に見ていたテレビは、CNBCの夜7時からのLarry Kudlowの番組。毎日今日のマーケットについて識者と喧々囂々やりながら、フリーマーケットキャピタリズムこそ繁栄への最善の道、とかいうキャッチフレーズを唱えるのが慣わし。
(I believe Free Market Capitalism is the best path to prosperity、という語を15分置きぐらいのCM時に出演者に言わせる。耳にこびりつくっす。)


しかし今日は、どこからそこに話が飛んだのか忘れたが、確か誰かが1997年には僕も損をして、といたら、Kudlow氏が、でもそこから取り戻したでしょ、これこそ私たちのマーケットなんです云々と力んで、フリーマーケットのすばらしさを唱えようとしたら、債券系のいつも不機嫌そうなおじさんが、もうどこにもフリーマーケットはないんです、いいですか、起こったことを見てみれば・・・とやりだしたところで、Kudlow氏に話をさえぎられていた(笑)。


もう一回どこかでも遮られていたんだけど、両方のケースとも、普通なら意見があわないと噛み付き合うのがこの番組の看板なのに、みんな苦笑して、結構からっとしていた。要するに、原理主義じゃどうにもならないことはあるんだよ、ってのはマーケットにいる人が一番知っているわけで、そこで嘘をつくのもいやなので、原理主義ではやってないんだよと言及はするものの、全体として、この原理主義を振りまくのもアメリカ恒例みたいなところがあるので、ま、と引き下がる、みたいな。


あと、株屋さんと債券屋さんは違っていて、できれば、大多数の、諸君! (私ね)には株を通して自由主義を見ていただけると幸いでございます by 金融業界、ってのが本当の仕組みなんだろうかななんても思う。


いつだったか、bond guys are a lot smarter than stock guys/株やってるヤツより債券やってるヤツの方が全然頭いいからさ、みたいな言い方でボンドの人の意見を聞く、みたいなシーンを別の番組で見たことがあった。


株はみんなが参加するもの。
金融業界全体としてみれば、地盤、基盤を支えているのはあくまで債券系。そしてここはプロの場。
だから、株を中心に見ている人が安心して「フリーマーケット」を叫ぶことが可能だとすれば、下支えの人たちは別のルールで彼らに幻想を許すほどにしっかり働いてるという話と考えればいいんだろうかなとも思う。

(そもそも、外国から資金を借りたり、投資したりする際には、外交が絡んでくるわけで、ということはここで政府、国家がどうしても絡む。そして場合によっては戦争にさえなるのが歴史というものなわけで、一国内フリーマーケット主義というのは、まぁ普通にいって舞台設定上の主義主張だよななどと思う。しかし、別に管理主義、保護主義最高とか言いたいわけではなく、要するに、程度問題なんだと思う。)


Kudlow氏が、アメリカのマーケット(株式市場)には優良な会社がいっぱいある、だからしょげることない、これでなんで下がるんだ、とかなんとか振った時にも、またまた本職のおさーんが、マーケット参加者は、このトラブルが一部分のセクター、どこか一部分の話じゃないことを既に知っています、これはシステミックだと知っているんです、どこにも安全なところなどない、だから株を買いにはまわれないんですよ、と即座に切り返されていた。


Kudlow氏というのは、株を中心とした「みんな」の参加部分の人の声を代弁しているっていう役割で、上手に仕切ってるよなぁとか思った(彼が理解できてないわけないじゃん、と思うもの)。



と、そうこうしているうちに、大多数の庶民にはあまり直接的な迷惑がかからないような具合に、バブルをつぶして、投資銀行系が大崩になって、商業銀行との合併なり提携が進んで、金融業界再編成になる、って話なんでしょうかね。

で、その崩壊話の一方で、じゃあ次の柱は何かを考えないとならないわけで、多分、こういうマーケット原理主義じゃなくて、もっとコントロールを効かせた上で(だってこの間にいろんなものが事実上公有化されていくでしょ?)、イノベーションに励みましょう、という流れか。リベラル系を中心に、イノベーションだよ、イノベーションの記事が目に付く。で、その中でも、新というか代替というかのエネルギー系の開発とそれに伴うインフラ整備みたいなのが主流になっていくんじゃないかと勝手に思ってるんだけどどうかしら。


とりあえず、コントロールド・デモリーション中に、設計図にない素材が使われている柱がいっぱいとか、あるべきところが自重で崩れてしまっていたとかががんがんないことを祈る。