グルジア、アゼルバイジャン、ウクライナ


ウクライナ、連立政権崩壊の危機
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080904-OYT1T00121.htm

ウクライナユシチェンコ大統領与党「我がウクライナ・国民自衛」は2日夜、チモシェンコ首相率いる「チモシェンコ連合」との連立政権を解消することを決議した。


ユシチェンコとしてはこれしかできない、ということか。

つまり、
親米=ユシチェンコ大統領は、グルジア以来、グルジア支持を鮮明にしてメディアに露出していた。
一方、
もともとはオレンジ革命で一緒だったが諸々あってw、いやますっかり
親ロ=ティモシェンコ首相は、明確なロシア批判を避けていた。


で、この度議会で、

チモシェンコ連合が同日、大統領の承認なしに首相が閣僚を更迭できる法案を地域党の賛成を得て成立させ、大統領権限の縮小を狙ったことにユシチェンコ氏は危機感を強めていた。


大統領に権限が集中してるのがまずいんだな、と議会は動いてしまったと。
(議会的にこう動けるのは、1つには、ユシチェンコの支持率は非常に低いままだという状況も大きいと思う。)


で、その一方で、野党の、親ロシアというか、多分、民族的ロシア人が一杯いる党は、

議会最大勢力の親ロシア野党「地域党」は2日、グルジア紛争で「ユシチェンコ政権がグルジアに兵器を供与していた」として、「真相究明委員会」を設置。


と、しっかり脅されている。


この状況では、まとまりません、組閣できません、解散総選挙に打って出るしかない、となったんでしょうね。
折りしもチェイニーがきっとお土産付きで来るから、それと共に増援も期待できる、と・・・?


米国、総額1000億円の対グルジア支援を発表へ=当局者http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-33575720080903

 一方、チェイニー副大統領は、グルジアアゼルバイジャンウクライナを歴訪する。ロシアの軍事介入があっても米国が同盟国を支援していく考えを示す狙いとみられている。

 同当局者は、支援は今後数年間にわたって行われると述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。


この旅でなんとかできるんでしょうか、チェイニーさん。


しかし・・・、もしここでチェイニーが入って、さらに米政府もお土産付き、支援付きで取り組んで、それでも落とした場合、どうなんでしょう、これは・・・。


というか、そもそも、ヨーロッパのみならず米エステブリッシュ(誰だか知らないけど)にとって、傀儡政権丸出しのサーカシビリが毎日テレビに出ているという状態が非常に腹立たしいのではなかろうか?など想像してる私。なんか罰則?みたいな。

メディアはそれでも、対露が対露がと騒いで、話を勝手に作ってくれるけど、このままそれを押し通すというのは将来に禍根を残すわけで、エスタブリッシュメントとしてはとにかくどうにか収集したいのではあるまいか。


自由と民主主義の御旗で現地政権を覆すのは俺らの流儀だ。俺らには場所的、歴史的正統性はない。だから、もっと時間をかけて人のコンセンサスが取れるように、あくまで彼らに決めさせるようにやらないとしっぺ返しが来るんだ、教育ですよ、とにかくもっと上手くやれ、そうでなければただ力で押しつぶしている話になっちゃうだろ(ま、そうなんだが)、という感じではなかろうかと勝手に同情してる今日この頃。


一方プーチンは、悪い時代があったとしても、歴史的にも地理的にも俺らは深い関係がある、という主張ができる。この主張はどれだけ敵対している人でも、嘘とは言えない。実際あまりにも一緒なのだ。ただ、悪い時代があった。だからそれを繰り返さないという信頼性を確立することが肝要と。

それが難しいからこうなっているにせよ、この場合は、現実の仕事はウクライナ内のロシア人にまかせて、自らは、「俺たち」という視点を透かしに入れた札びらを渡して、向こうから、そうだ俺たちは歴史を共に云々と言ってもらえたら勝ち、みたいな戦法が望ましいのか。いや、そう悪どく言わずとも、ウクライナとロシアが敵対するのは両方の少なからぬ人々にとって悲しいんだと思うよ。アメリカ人にとっては「戦略的重要性」の地でしかないわけだが。


先日のドイツのテレビ出演の際にも何か言っていたと思うのだが、ウクライナの新聞にもそれが出ていたので改めて確認するに、

クリミアに軍事侵攻するんじゃないのか、クリミアは次のターゲットだというのは、西側の挑発だ、

「クリミアは領土紛争地ではない。ロシアはずっと前からウクライナとの今日の国境を認めている」と言っている模様。

Putin offers Ukraine reassuring words
http://www.kyivpost.com/nation/29583/


心理戦としてスマートなんではなかろうか。

ま、いまさらスマートもクソもないわけだが。