観戦雑記:大軍事有段者

主要製造業、新興国で23%稼ぐ 地域別利益が米欧と逆転
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080818AT2D1300J17082008.html


一時的な浮き沈みはあっても今後ますますこうなるに決まってる話だよなぁと改めて思う。

で、それはアメリカでもEU内でも理解された上で各政策も産業も動いているし、人々も仕事を通して、まぁ時代は変わっていくんだわな、みたいなことを感じる。

で、その中で、どういう変化があっても、自分の生活がとんでもない動乱に巻き込まれないことを祈る、と。


エコノミストの編集長だったビル・エモットが、イギリスの、経済紙ではなくguardianに1ヶ月に1回ぐらいコラムを書いているのだが、これを見るたび、これってつまり、世の中は時々大きく変わることもあるので、その時あんまりまごつかないように、という人心安堵のための計らいなのかしら、など思ってしまう(別に小難しいことを書いているわけでは全然ない)。


それがまたたまたま今回のポストは、危機って何が危機なのよ、騒動はもういいでしょ、単なる不況だよ、という話だったので、なおさらそう思った。
[http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2008/aug/12/economicgrowth.globaleconomy:title=
Crisis, what crisis? Enough kerfuffle, it's just a slowdown]


イギリスの場合金融危機が痛すぎるというのがあるし、実際経済がスローになっているのは本当で、それによって人々が若干パニックになりそうな気配があるらしいとは一応聞く。でも、エモットによれば、確かに金融界にとっては大事が起こっていて、デイリーミラーとかフィナンシャルタイムスの世界はそうだろうが、普通の人にとっては危機と言うものじゃないでしょ、1930年代との比較はおかしいよ、だそうだ。


多分これは正しいわけで、先進国の場合、かなりの程度の人々が1930年代の恐慌を味わうかのような話、うっかりそう取ってしまうかのうような見出しの乱発は多分、相当に煽りすぎ、飛躍しているのだろう(そうあってほしい)。


イギリスは覇者だった頃の気分を持った人と、まったく関係ない人の落差が著しいところだとは思うが、ともあれ、世の中変わる、大変な時はあるということを体験している国ではあるし、その上、やぱり、自由主義、民主主義みたいな理屈及びその具体的な機構の発生源であっただけのことはあって、それが身についている人がなんのかんのといっている(この人たちにとってのスタンダードだったから、というのがまぁ正解ではあるけど)。で、このへんを糧に、このへんの価値を最大限の売り物として今後の世界を生き延びたい、と考えているのでしょう、きっと。いいと思うよ。


いっぺん、ヨーロッパ大陸の動向から手を引いたらどうなんだ、そうすると信頼性が増すと思うよ、というのはまぁ誰でも思うことだが、なんとなく否応なしにそうなる可能性も目算に入れているとちょっと思う今日この頃。