ロシアより愛を込めて


タイトルに深い意味はないけど、なんかこう、おめでたい席になんてお行儀が悪いんでしょう、露助さんたら、という次第なのか、それともこれがロシア流の愛なのか、わからない(深い意味なし)。


それはそうと、こんなに醒めていていいのかという程、戦争だというのに醒めている私、だけじゃなくて世界中という感じがするグルジア・ロシア戦火を交える、の問題。

グルジア戦火拡大、2000人死亡か ロシア空爆続く


CNNとかBBCに、グルジアのサーカシビリ大統領が出てきて、ロシアにやられてます、俺たちやられてます、ロシア酷いです、と言えば言うほど、見てる方としては、でさ、なんでそのロシアを敵にしてんの、ずっと、という疑問を持たざるを得ない。


普通に考えて、ストレートに軍事衝突という点だけで考えればグルジア軍に勝ち目のあるわけもなく、従って、それにもかかわらず戦端が開かれたということは(どっちが先に手を出したとしても)、グルジア側になんらかの援軍(または見返り)の確証があったか、援軍の確証があるよという臭いだけがあったか、でなければ、そんなもんぶっちぎってロシアだけが単独で凶暴だ、というのの3つしかないと思う。


内容的に興味深い話でもないけど、タイトルがあまりにもズバリなのでクリップするだけだけど、グルジアNATOへの野望の対価を払ってる、とイギリス人(テレグラフのコラム)にあっさり言われる始末。でも付近住民もだいたいこれには同意でしょう。
Georgia pays price for its Nato ambitions


どういう成り行きにせよ、現在のところ、アメリカ及びEUは、ロシア、兵を引け、兵を、とcall forの大合唱だが、具体策なし。国連で頭を付き合わせたってここで解決策が出る予定はない。結局、グルジアを捨てるわけですね、という感じがするが、グルジアは別にNATOの加盟国ではないから筋として救いに行かないとならない義理のある国はないよね(加盟国だっていつも一緒に戦うわけじゃない。例:フォークランド)。しかし、ロシアの空爆拡大(またはその噂)とはグルジアというより欧州・アメリカ側からのお返事待ちには違いないでしょう。
EU Calls for Immediate Ceasefire in South Ossetia
http://www.dw-world.de/dw/article/0,2144,3548300,00.html

別にロシアを庇い立てするわけではないが、コソボの独立問題と、4月にグルジアNATO加盟をきっちり放棄せずに、時間の問題です、みたいに流したことが、ロシアから見れば、ではウチの安全保障も時間の問題ですので、その前に行動します、という流れを作ってくれちゃったになるのかなと思う。何回も警告出してるし。


で、この結果として、アメリカ国民には本質的にどうでもいいことだとしても、EUの皆様、南カスピ海からの資源輸送とかどうなるんでしょうか、の問題がここにどでっとある。そして、それもそうだけど、そもそもNATOって何、どこまで拡大するべき、主たる目的って何、どこまでできるの等々の問題で詰まったままで、しかも、ドイツとフランスで考えがあってないか、利害関係がばらばらになりつつないか、おい、みたいにも見える。


しかし、ぶっちゃけ、欧州がロシアと反目して安全を得るってありえないと思うし、パキスタンが駄目駄目なのにアフガンで戦端開いたまま多少は前進してますが(フランスは最近約束の兵を出した)、画期的な勝利とかないです、というNATOにロシアと反目する余裕はない。(そういうガッツもないと思うし、実際理由もない。)


で、このままトラブルを放置すると、トラブルが南下しそうで、やだくさい。
が、NATOにとってはロシア正面にならないなら、その方がいいかな、みたいな危機ノックオン(ドミノ倒し)輸出シナリオだったらどうしよう、など危惧する。


なんにしても、グルジア人にあったら、みなさんがあの大統領を選んだのは、みなさんにとって不幸なことだと私は思います、とは言うな。


メモ

グルジアイラク駐留軍を全面撤収へ 南オセチアに転戦
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200808090018.html

ルジア政府がイラク多国籍軍に派遣する軍兵士2000人全員を撤収させ、同自治州に転戦させることを決めたと述べた