物騒すぎる世の中

今朝まで全然知らなかった。
アメリカの報道カバーも結構あるようで、北米を震撼させている。


長距離バスで隣の客めった刺し、首切り見せつける…カナダ
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080801-OYT1T00612.htm


長距離バス路線で、突然起こった事件。

 【ホノルル=飯田達人】カナダの中部マニトバ州を走行中の長距離バス内で30日深夜、乗客の男(40)が、隣の男性(19)をナイフでめった刺しにして殺害し、切断した首を別の乗客らに見せつける事件があった。

または、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080801-00000239-reu-int
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2425108/3177584


報道されている目撃者の話などを総合すると、この被害者と加害者が知り合いの可能性も、喧嘩とか悶着があったようにもまったく思えないようだ。赤の他人で席が隣り合っただけ。最初に乗ってたのは被害者で、加害者が後から乗ってきて隣に座った。


長距離バスの中で夜の運行なのでみんなが半眠りになっていた。この被害者もヘッドフォンを付けて、窓にもたれて眠ってたと目撃されている。


で、突然叫び声が聞こえ、前の席の人が、喧嘩かなとちらっと頭の中で思いながら振り返ると、隣の席の男に犠牲者が刺されていた。


バスには37人の乗客とドライバー1人が乗っていた。叫び声の後、誰が最初に言ったのかは諸説あるようだが、とにかく一瞬でパニックが拡がった中、逃げろという体制となって、ドライバーが慎重にバスを止めて、乗客が外に出だす。


日本語の記事で、CNN下敷きのものでは、

同乗していた目撃者の話によると、容疑者の男は窓にもたれて眠っていた被害者を突然襲ったとみられ、大きな包丁のような刃物で繰り返し刺した。車内には30─40人の乗客がいて、大半が眠っていたが、被害者の男性の「逃げろ」という声で、全員脱出した。

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200808010001.html


とあるけど、今現在私が各種読んだ、聞いた知る限り、これは違うと思う。
本人は他の人を気遣う余裕はなかったと思えます・・・。眠ってるところ(少なくとも半眠り?)に、グサリみたいですんで。


で、

運転手と乗客らは通りかかったトラックの運転手から工具を借り、容疑者を車内に閉じ込めた。被害者の様子を見ようとドアに近づいたところ、容疑者が被害者の頭部を切断しているのが見えたという。


唐突にこのパラグラフに飛ぶと、被害者だけ残してみんな逃げて閉じ込めた、あれ?になるけど、みんなが逃げている時には、既に被害者はもう・・・だった様子。前の席で振り返って刺しているところを見た人は、逃げる時に、このまま犠牲者を残して逃げるのか、と、自分も危険だ、が頭をよぎって、近くにいた男性に、手をかせ、ヤツを押さえようと言ったけど、男性は行ってしまった、しかし、逡巡している間に犠牲者は声を発しなくなった、と言っている模様。


このあたり、発生から2日たって、ちょっとずつ出てきているので、ネット上で古いのと新しいのがごっちゃになっている感じがする。特に、日本語で読めるものが、なんか、しっかり読んで記事書いてよ!なのが多すぎっす。どうしたのよ、もう。


で、全員外に出て、犯人をバスから出さないようにして(付近を通りかかったトラックから工具を借りた模様)、警察の到着を待った。その間に、犯人は犠牲者の首を切って、それを残りの乗客に見せ付けた。吐く人もいれば、泣いてる人もいた、そうだ。想像しただけで気が狂いそうな状況。
(でも、見た人は全員ではないと思う。バスから降りて周辺から逃げていて、全員がバス回りに帰ってきたわけではないだろうから。)


これがあったのが水曜日で、現在は金曜日。
犠牲者、犯人共に身元は割れている。


犠牲になった人、なんかこう、そこらにたくさんいる感じの北米っぽい普通の、人の良さそうなおにいちゃん。Tim、かわいそうすぎる。言葉がない。
上の読売の記事は19歳説を採っているようだけど、現在の現地は22歳となっている。
http://www.cbc.ca/canada/calgary/story/2008/08/01/stabbing-victim.html?ref=rss


方や犯人は、Vince Weiguang Liという40歳の男。写真を見る限り恰幅のいい、ずんぐりした、アジア系というか、名前と併せればチャイニーズのおっさんだね。アルバータ州エドモントン在住者らしいところまでは公表されているがそれ以外の公表はない。


一体、なんでこんなことをしたの、これ?? というのもまだ不明。次回事情聴取は来週火曜日とのこと。


状況的に、精神に問題のある人による犯行ということで、相応の手続きになっていくんだろうな、などとは想像できるが、それと、死刑制度にちょっとフォーカスが当たっている模様。カナダは死刑制度全廃の国なんだが、中の人がみんなそれで納得しているわけではない(なんによらずそうだろうが)。だから、ある種当然に、なんてこった、こんな犯罪、死刑以外何があるってんだ、という人も出るし、その一方で、死刑にしたって始まらないでしょ、と言い出す人もいて、人によって、グループによっては結構な口論のネタになる。


一方で、長距離バスに乗るのも飛行機並みにチェック体制にしろ、持込荷物はスクリーニングしろ、と言う人も出ている模様。ま、確かに、そうなっていれば大きなナイフの持込だけは防げたでしょう。

もう、長距離電車、バス、全部飛行機並みの警備体制になるのかもね。全員、指紋、個人情報等にアクセスできるIDカード携帯を義務付けて、密室空間に入る場合は荷物検査する、と。なんて世の中なんだ、ではあるけど、こういう犯罪が起きると、それならそれでいいと言い出す人がいるのもわかる。
(そもそもどこかに行くのにID携帯というのは国内で義務付けられているわけではないけど、なかったら入れない、なかったら借りられない等自分が困るので、事実上携帯は普通、なので問題はスクリーニング体制か。)



被害者は長距離バスで家に帰ろうとしてたところらしくて、何時間か前にはお父さんに、今からウチに行くけどいいよね、というメールをしていた由。お母さん、お父さんのことを思うと、一緒に泣いちゃいそうだ。