聖火リレーとパジャマ

よーやくなんか書けるぅとか思ったら4月はもうおしまい。
ところが、トロントの今夜の予報では夜間1度になりまっせーだそうで、もうね、なんといっていいかわからない。

先週までの2週間ぐらいは20度以上ある日もちらほらで、半そでを着ていたりする人も当然いっぱいいた。そこでいきなり冷や水(文字通り)で、今週はシングル気温が3、4日続くらしい。

おかげで、おそらくハイパーク(というダウンタウンからそう遠くないような当たりにあるかなりワイルドな公園)の桜は駄目であろうなどと言われている始末。ハイパークには日系人の方たちが昔植えた桜が点在しているエリアがあって咲いた時にはそれはそれは美しい。あたりが芝生エリアと小山っぽい、里山っぽいエリアが混ざっているところ(というか、そうなるようにそれなりに公園を維持していると思う)なので、何気に山に桜が咲いている風の感じもちょっとある。庭の桜というよりも。

が、何年かに一度こういう次第で、花が咲こうかな、どうかなとしていると寒波もどきとなって結局咲けない、ってなことになる。友達は3年に1度ぐらいあるというのだが、そんな頻度かどうかはちょっと不明ながら、でも、確かに実際ある。時期がよくなるまでもう一度待っててとはできないのね、かわいそうな桜ちゃん、なんです。


と、それはともかく、4月のまとめとしては、やっぱりこの、聖火リレーでしょうか。

ロンドン、パリはまぁ西欧のいやがらせ、とか思ってみていたが、そのうちインドもほいきた、オーストラリアもあの首相はどうでるかと思っていたら意外にも強硬、でもって日本はとりあえず別途考えるとして、ソウルはまた殊更大事だった模様。

ソウルの聖火リレー脱北者めぐり中国人が赤マント騒動 報道陣に負傷者
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080427-00000942-san-int


結局4月中何日かに一回、ただごとならぬ風情の聖火ランナーご一行の映像が流れていたような気がするが、見るたび思っていたのは、そんなにまで不評をまきちらして何が楽しいの、チャイナさん、だった。へんだって思わないのだろうか? 何かもうちょっと、別のアプローチってないの?とか思った。いや、何が来てもこのタイミングでチベットがある以上それはやっぱり騒ぎにはなるだろうけど、だけど、世界中で、どこに行っても動員かけたチャイニーズが赤い旗を振るの図って、その他世界のその他の人々にとって嬉しい、喜ばしい、幸せそうだ、なんだかいいわ(その他任意に)ってな感想を抱くきっかけさえない、ってな感じでしょ? それをわからないのだろうか?というのが今月の不思議だった。


聖火応援隊」やっぱり動員 中国当局が旅費負担
http://www.asahi.com/international/update/0429/TKY200804280362.html

なんつーか、官製不評製造機みたいな。あはは。


と、この感じというのはもしかしら、チャイナにとって特徴的なものなのかなぁなど思いつつ、ふと、ローカルな小さな小さな出来事がふと脳裏をよぎる・・・。なんかね、どう考えていいかわからない現在進行中の出来事。


チャイニーズってパジャマ着て歩くんだよ、という話を最初に聞いたのはもういつだったか忘れたけど、前からそういう話は聞いていた。で、歩くって、まさか通りを歩くわけじゃないでしょ、と私はまず思った。で、いや、アパートとかだよと聞いて、それなら・・・ちょっとは・・・仕方ないでしょ、と思った。しかし、でも、ここらのアパートっつかマンションつかって、高層ビルみたいなのが主流で、そうなると200とか300とか部屋のあるビルもいっぱいある(一階に10部屋でも20階あれば200部屋で、1間ばっかりなんてことはなく大抵1LDK,2LKDみたいな部屋もあってどの建物でも家族もいれば若い衆もいるってのがむしろ普通。20階ぐらいの建物は高級から低級までそこらにある)。


だから、アパート内部といってもなんとなくあんまり個人的空間という感じはなくて、ホテルの部屋がそうであるように、外は外というのが一般的には正しい。


で、そうこうするうちに、そういう私にも、パジャマの人がある日降ってきた。友達を訪ねた高層階ビルのエレベーターで、パジャマを着た20台真ん中ぐらいかと思しき女性が乗って来た。時間は確か夕方7時かそこらだったと思う。で、友達と私は話していて、私は横目でパジャマをちらっと見て、なんか見てはいけないような気がして見なかったことにして話に集中していた。すると、女性は私らの話に加わってきた。それ自体は普通のことなので、楽しく1分かそこらの話をした(高層階だから止まる階が多いと2分や3分以上乗ってることになる)。


降りて、友達に、だから言っただろう、と言われて、それでもまだ私は、いやだから、急いで誰かのところに行こうとかいうのじゃないの、と言ったが、今の女性の態度からは、そういう、ちょっと誰もいないかと思ってパジャマのまま出てきちゃったけど、みたいなバツの悪さはまったく感じられなかった・・・。話しかけてくるし・・・。


と、それからしばらくたって、もっとすごいバージョンを聞いた。建物内を歩く人だけじゃなくて、近所のスーパーマーケットぐらいならパジャマの人が出没しているというのだった。

で、そのパジャマ男が見知った人だったことにショックを受けたあるカナダ人は、これはやっぱりまずいだろう、パジャマで外に出るのは変なんだって教えてやろうと親切な気持ちを起こした。でも、男と男で、いきなりお前パジャマは変だぞ、ってのもなぁと思ったので、共通の知り合いであるチャイニーズの女の子に、その子のパジャマ問題もあったので、かくかくしかじか、カナダではパジャマっていうのは寝る時とか非常にプライベートな空間でしか着ないものなので、それで外を歩くのはおかしいんだよ、やめなね、と言った、と。

で、その女の子は、わかった、となった。で、ついでにあのおじちゃんにも教えてやりなよ、と言った。すると彼女は、そんなこと私言えないです、ときっぱり断ったそうだ。

なぜ教えてあげられないの、だって、これってこのままにしてたらあの男の恥だよ、教えてあげなよ、とカナダ人。しかし、できませんとチャイニーズの女の子。要するに面子つーんだろうと思うけど、そんなことを年下の自分は言えないで終わったらしい。


このカナダ人男性は、お前わかるかと私に聞くのだったが、私にわかるわけもなく、私としては、面子?と疑問符を付ける以外になく、しかし、でもさ、そんなこといったって、そのチャイニーズの男性は、山から出てきた貧乏そうな、あるいはアホそうな奴じゃないんだぜ、XXXで働いて、XXX大学を出て、こっちの大学で人に教えたこともあると聞いてる、そんな奴がパジャマ着てスーパーマーケットって、ほっておくのかぁ??と、わが事のように困惑している親切カナダ人を放置するのもなんだし、さりとて、私が言いに行く筋合いもなし、と、なんかとても困った。そう、非常にハイブローつか、成績優秀で、おそらくお金持ちまたは高学歴さん家族の師弟みたいな人たちがたまっている当たりで起こっているのが、なんというか、さらに困惑させる要因かもしれない。


それから2年ぐらいか、その間何度かパジャマ姿のチャイニーズとエレベータに乗り合わせるということがあって、つい今月もそういうことがあった。なんつーかこの、きっと彼らにとってパジャマというのは寝間の着るものではなく、リビングのジャージ姿みたいなことなのだろう、だからきっとちょっとコンビニまで、になる、と自分で自分を納得させ始めている私。しかし、どこでどう見ても、それは立派なパジャマ。柄が派手派手で、ラクラクし立てのそのパジャマズボンで歩くのぉおお、かわいいおねーちゃん!ではあるのだ。


聖火ランナーとはなんの関係もないけど、なんかこの、周りの人とどう調和しているのかにまったく信じられないぐらいに疎い人たちってことなの、つまり、という点で、ひょっとして同根なのではないかと思ってみたりもする。こんなにたくさんそうでない行動を取っている人がいて、気がつきませんか、ねぇ、と。


ま、中華ですからといえばそれまでだが、であれば中華とはそこまで根深く個人のメンタリティに影響するわけ?というのが新たな驚きになりつつある。