大敗走したからには


冷静に考えて、大敗走したからには次の作戦を考えていると読むべきなのだろう。
確かに現状は厳しいが株価の動きはさておき(どのみち優良企業は生きていく)、世界中からものを買い捲っている国でこのまま通貨安を放置すれば全体的にまずい。

そこで、

これらマクロ経済指標の出方次第では、3月18日のFOMCまで待てず、再び緊急利下げ50bpさえ予想される。これが金価格1000ドル到達最短シナリオ。でも、プロの深読みすれば、そこで利下げ頭打ち感も徐々に醸成されるかも。FRBの本音を読めば、原油100ドル=インフレ懸念対応型シフト、つまりは利上げへの転換にも緊急性あり ということだ。

http://www.mmc.co.jp/gold/market/toshima_t/2008/440.html


こんな意見を日本で見つけた。ほぉ、と。金相場の豊島氏。金価格1000ドル到達シナリオ=一直線にドルが売られる、だからそうならないとしたらどうなるのか、を考えている筋で通常の株価、通貨の人と見方が違っていて面白い。

ということは大敗走の意味は、インフレ懸念型への転回点を見つけるまでの時間を時間を短縮していたりして?ということになるのか。そうなると多分住宅部分に関してはなんらかの政府がらみの解決策を出すんだろうな、と見るのがいいのかしらね。うまくいくかどうかはわからないにせよ、米政府いろいろ考えてるよなぁやはし。


あと、大敗走という意味を考えて思ったのだが、作戦は自軍だけ考えても仕方がないわけで、敵の動向というのが最も大事。今回でいえばユーロの動きだ。で、ドルはどこまでも大敗走できそうだが、一方でではユーロが青天井かといえばそうはいかないのでは?というのも観戦のポイントか。もう1回上げたらもう相当難しいことになるのでは?(上げられたら上げられたでユーロ圏も喜べないだろう)

IMF chief says euro is overvalued



円は100目指して突っ込んでいる最中だが、この動きは周回遅れっぽい。出遅れたというより、円って、多分、敵認定されてないからいつでも仕掛けたい筋が好きな時に仕掛けられる通貨になっているというのが本当ではあるまいか・・・。情けないことだが、だって、ドル円相場なのに円の環境、つまり日本経済の指標で動くことはあまりないから。敵認定というのは語弊のある言葉だが、例えばユーロ・ドルならユーロ指標が悪けりゃ一方的にドル売りになるのは難しい。このへんはカナダ・米ドルを見ててつくづくそう思う。ものすごい投機的な動きをするペアだが、いずれにしても参加者は米、カナダの指標のたびにひっくり返るほど動かす。


大敗走の後の大転換というほどの景気のいい話では無論ないが少なくとも、大敗走の上の仕上げになるような弱いであろうことが確実に揃っている今週の指標群で壊滅的な打撃を受けて、それで通貨安に歯止めをかける向きに変え、インフレ懸念型に持っていくシナリオというのもどこかにあるのかも。そうしたらどうなるんだろう? 

今週もまた面白そう。