メードインジャパンの餃子まで


と、それはともかく、餃子ならぬギョーザ事件はなんだか奇怪なことを言っていた10日余りが過ぎた。
明らかに故意の、ひょっとして公安マターの事件なのか??とか思って見ていたのだが、そういうことではない可能性の方がこれまでのところ強いのか?
しかし、そうでないならそうでないで、つまり、禁止されていた殺虫剤をどこかのタイミングで使用していた可能性がある、ということかと思うので、こっちの方がより深刻だ。梱包とか資材置き場とかなんかそういうところの管理までの聞き込みが果たして今後できるのか、ってのが不透明なので、確実にここだという証明が難しそうにも思うけど・・・。


兵庫県警が「双日食料」から押収したギョーザ6袋から、「メタミドホス」が検出された。
http://www.fnn-news.com/headlines/CONN00126523.html

ギョーザ中毒 2製品は別コンテナ 大阪、神奈川で陸揚げ 包装袋も中国製
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080202-00000129-san-soci


しかしこの、なんだ、何もそんなにチャイナから食料を輸入しなければならない理由ってあったの? なんか、不思議なほどいつの間にか、そうでなければ成り立たない社会なんだ、みたいな言辞が踊っているけど、食べ物を安くあげることがそんなに大事なことなんだろうか? まだしも、部分的には原材料は輸入しなければならないという話はわかる。でも、限度ってものがあっていいのじゃないのか・・・。

まして、作物の育成に不適切な土地というわけでなく、北方の人々からしたらうらやましいほどに野菜等を作れる場所だってのに。できるところなのにわざわざ放棄していっているというのは、潜在的な競合者たちにとってみたら、結構ウシシの事態だと思う。わざわざ国力を削ぐ人々、みたいな。見てて、不思議で仕方がない。


しかもしかも、半ば分かっていたことでもあるわけだけど、何か起こったら調査も検査も進まないであろうことが諸々の現実から強く想定されるところと取引しているわけですよ、私ら・・・。双日さんには気の毒だけど。


中国製ギョーザ:双日食料の調査、中国当局の要請で中断
http://mainichi.jp/select/world/news/20080204k0000e040012000c.html


取れるリスクは取らないと先に進めないけど、これは取れないリスクが潜在しているケースだと思う。


これを奇禍として、日本は食べ物を作れる国なんだ、条件はいいんだということを思い起こすためのコーナーだったと思えばいいんじゃまいか。
日本に比べたら食物生産の土壌として圧倒的に劣勢にあるこの寒い寒い土地にいるとしみじみそう思う。


しかし、そんな土地でありながら、カナダは、例えば、比較的知られているであろうトウモロコシ、大豆、小麦、大麦だけでなく、ばジャガイモ、グリーンピース等が大規模に作付けされていて、日本にも輸出してるし、基本的にカナダの食料自給率は非常に高い。確か鶏卵も行っているとどこかで読んだ。個人的にはカナダの玉ねぎ、ジャガイモはおいしいと思う。土地土地で地味が違っててなかなか興味深い。でもって、食品貯蔵技術が優れているとかだし(冬の間腐ろうったって腐らないってだけじゃない(笑))、基本的食材は非常に安定した品質を保って供給するのを普通と考えている人たちだから食料輸送に問題が生じそうな感じはとりあえずしない。
(こういうものの考え方の基本土壌って大事だと思う。つまり、原産国における食料に対する衛生管理みたいなのがやっぱり輸出に際にも出てくると思うから)。

そうそう、どの程度なのか科学的な判断を読んだわけではないけど、冬季が寒冷であるために相対的に虫ってものがいない、従って農薬使用量が相対的に少ないってことがあるらしい。カナダ政府の輸出促進係りなわけではないのだが、なるほどという気は相当する。


しかしだ。やっぱりそこがしかしだ。日本で作れるものをわざわざ運んで来て食べるというのは相当にリスキーなことだ。日数の問題もあるし、日数がかかるからこそ衛生管理も難しくなる。相手国の衛生管理を私たちは基本的にはコントロールできない(別の司法管轄だから)。

そして、フレートの問題もあるし、為替の問題もある。石油が上がれば運賃は上がり、需要が急増したりしたらコンテナ抑えるにもお金がかかり、為替が動けば高くなる(そして円高にしたら工業が困る)。作れる基本財を海の向こうに頼むのはやっぱりどう考えても何もいいことはない。基本財以上のものは大歓迎姿勢でいいけど、それは余剰部分と認識すべきじゃないのか。



日本って多分やろうと思ったら食料輸出国になれるポテンシャルはあるよね。もしかしたら、これを輸出できるほどに国内の施設、技術を集約するってのも新しい産業かもしれなくないのか? 同じ冷凍食品という範疇でも、メードインジャパンって、売れそうだよ。

「日本の農産物は高いけど、うまい、きれい、安全と言ってきた。農協は中国に感謝しないといけない。極端なことを言ったら、すごく付加価値がついた」と述べた。

麻生太郎ちゃんがおっしゃる、まさにその通り。この付加価値を出荷できるようにするのもいいのかもしれないね。車だけでも家電だけでもなく、make things better(トヨタのCM)はどこにでも生かせる、と。

国産農産物の品質の高さを強調したとみられるが、多数の中毒被害者が出ており、批判を招きそうだ。

by共同

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008020201000407.html


なんで批判を招くのか私にはまったくわからない。一方にミソが付いたら他方の価値が上がって何がおかしいの? そうならないように一方当事者はまた奮闘努力すればいいだけじゃん?



今さらだが、でもここ15年ぐらいずっとそう思ってるので、食べ物に関してはどこに行っても国産を第一選択肢にしてる。
グローバル・タカ派的だな、まったくとかも思うけど、でも、だとしたら、カナダ、アメリカ、フランスなんかの普通の国内的コンセンサスはグローバル・タカ派であって、それが故に、それぞれの国内ではそれはグローバルにもタカ派にも見えないって感じ。