空爆されている気がする


なんというか、また日本ピンチというか、もうずっとピンチというかなんというか暗澹たる気分だ。

NY外為市場・序盤=ドル下落、予想下回る米小売売上高受け
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPnJT810165120080115


で、結局現在のところ106円台から7円台にいるけど、今週はまたアメリカの決算にひきづられてもう一歩行くんだろうなぁという成り行きか。

円が高い→日経売られる、という連鎖で日経はまだ底じゃないんだろうなぁなどとも思う。もう、嘆いても間に合わないほど日本の株式市場はすごいことになってる。ああ。

前回11月に107円台で止まったことから、さらには、現在の状況は別に世界的な資本フローに問題があるという話しではないので、無条件に円に好意的(経常がいいとか)になる相場じゃないだろう、だから基本的にアメリカ経済のファンダが悪いといったって日本のそれはもっと悪いんだから、下げ止まりは7円台ぐらいじゃないか、これが円が買われる限界なんじゃないのかと見る向きもあるようだが、多分終わらないと思う。

前回、ドルがまずい、といったって円が買われるっておかしくないのか?と書いて以来、なんか根本的に私ってわかってないのか?とか思ってちらちらネットとかで見てみたが、銀行さん等のファンダメンタルズを見ている人たちはやっぱり、ドル地売りのタイミングであることはそれそれとして、円が一方的に高くなっていくことに疑問を持ってるっぽい。


しかし、そんなことで相場はまわってないってのが本当で問題なのだろう。ざっくり言えば、米系証券筋が今回はこの危機を利用して、例えば、目標104円!とか決めたからそこまでは下げる、毎朝アメリカで出るだろう、なにかしらネガティブなニュースをきっかけに、というのが起こっている現象だと思う。

で、104とか5円まで行くと、これまでこのあたりは、瞬間的には何度も通りぬけているけど基本的にはあまり売買されていないレンジなのでサポートもなく、可能的には100円とかまで行って、100円を切ると長期的にサポートされてきたエリアがぶち抜けるからさらに上も見えるといった視野になるんだろうなぁとか思う。

昔、95年だったかに80円を切ったことがあったけど、でもあれって聞くところによると実際問題ファンダ的にもテクニカル的にも例外だらけで、要するに読みを外した外国人投資家と言うか投機ファンドの買戻しが爆発してそこまで行ったという話しを聞いたことがあったんだけど、もしそれが本当なら(当時まだ日本経済が今よりも強かった時代であっても)普通にはあり得ないドル円相場なんだと思う。でも、付いてしまった値段は付いてしまった値段なので、そうなると人々は、そこまではあり得るしあの時だって大丈夫だったんだから今度も大丈夫みたいな気分になるのかな・・・とか思うが、あの時と今はそれこそ日本の状況が違う。あの時にはまだ好景気時代に溜め込んだものがいっぱいあったし、何よりも不況を10年抱えてきた時代ではない。


と、こう、日本の経済がというか日本がというか、辛いことになって来てることが悲しい。日経平均続落のニュースを見るたびノーガードで空爆されてる気がする。紙と木の家々の上から爆弾降りつむ、みたいな。


去年から、来年は円高になるなると各種レポートが語っていたけど、多分これって、親切な警報だったんだなぁと思い返す。
最初、円キャリの話はあるにせ日本経済が芳しくないこのご時勢になんの根拠なんだろうとよくわからずに見ていたが、つまり、去年より前からもうサブプライム問題はある程度発生が想定されていたし(少なくともやばいことになっているのはみんな知ってたわけだ)、基本的に米経済のサイクルも下降してる、で、1月には米の決算発表もある、さらにはこの時期は日本はお正月だわ、成人の日だわでがらがらだ、チャート的にも」「正当化」ばっちり、と、プロの金融関係者さんたちはここで仕掛けられるな、と読んだからこそ断固円高になりますよ、と注意をしていたのだと思う。

でもまさか、仕掛けられるから注意してくださいともいえないから、いろいろ理由を付けて、購買力から見たらどうしたこうしたで、円高を正当化というかあなたが想像している以上の円高になることを周知徹底させていた、みたいな感じがする。それに乗って提灯付けまくる人は当然出てくるし、それはそれで苦々しくともでも、周知徹底には役立つ、と。殆ど、空襲警報なわけで、やれることはそれしかありません、高射砲はまったく役に立ちませんという事態だとも言えるのかもしれない。


で、予想通りになってきたけわけだけど、これはまだ事態のとば口で、最悪のシナリオは、過去何年かのかなりの円安の後に円高が来て多分居座って、その間、今なんとなく立ち直りかけていた部分が駄目になって、にっちもさっちも行かなくなってきたところで、今度こそ本当に、円に価値がないから円安という、ある意味ファンダとして正しい見解がテーマになってきて、でもって、その時には各種資源が高くなっていて、日本企業群のうちの少なからぬ部分は既に体力がなくて、といった状況が来るのか・・・。その時アメリカはもうすっかり立ち直ってます、だろうなぁ、やっぱり。


やっぱりこの、まったく今さらだが、過去20年間を思い返してみて、日本にとってドル円相場ってどう考えても真っ先に対応が迫られる、対応しておくべきテーマだったんだと思う。急激な変化は望みません、と何度も何度も発言されているけどまさにそれ。
非常に大きな、いわゆるグローバル企業群はそれなりに海外投資をしたりして、円を全部還流しないでもヘッジできるようにはしてるんだろうと思うけど、そんなことまではできない企業なり個人なりもいっぱいいてそれが日本の益を稼ぎ出しているわけでしょ。さらには、歴史的に考えても、日本が大変という時に必ずといっていいほど「いじられる」ものだったりするのも間違いではない。


だったら、なんで、例えば、政府系ファンドとかを作って相場に乗り出さなかったのかなぁとか今さらだがそう思う。
介入すると怒られる、苦情をいわれるってのも、冷静に考えれば余計なお世話だし、政府系ファンドがそこら中にある現在、また、自国の経済がピンチとなったらなんでもやってるのが現状であるのが普通である世の中で、日本が対応して悪いなんてなんにもなかったと思う。

また、なんでだか日本国内に介入が無駄でアメリカに資金をまわしてるみたいな言い方が顕著にあるようだけど、現状、最終的に米国債買って利子収入があるんだから別にそんなに言われるほど酷い話ではない(国内においたら増えません)。日本に何かあったら良好な担保にもなるし、いろいろ便利だと思うが? 本当に無駄なのは国連の拠出金ぐらいだろうと思うが、介入資金を言う人はこちらは無視というのも興味深い。


でも、じゃあ、よしんば、正式な介入というのが悪いか文句を言われる可能性があるとしよう。だったらそういうのじゃなくて、恒常的に相場に乗り出しているファンドにしてしまえばいいのじゃないのか? もちろん腕が悪けりゃ損もします。でも、ウチも財政ピンチなので金儲けに来ました、世界中の諸々の政府系ファンドと同じく、今もってるお金を増やそうと思ってビジネスに乗り出しているわけです、というもの。

日本国財務省認定ファンド「いけいけ号」、「ほどほど号」、「怒涛号」とか数チーム作るとか。

つまり、日本にとって良くない時に一方的にドル売りばっかりするから介入とか言われる。そうじゃなくて、いつもいる。常にドル円相場にいることにすれば、多分というか、必ず儲かると思う。個人と違って1年以内に利益をじゃなくて、5年レンジで取れればいいぐらいにしてたらまず損しないのじゃないのか? 少なくともトントン以上にやっていくことは可能じゃまいか。ファンド自体がトントンで、それで全体の経済が安定できるなら益は大きいんだからやっていけないものは何にもないと思う。

私が今さらに言うまでもなく、ドル円相場のカッコたる買い主体って日本の輸入しかないからこういう不均衡が簡単にできるんでしょ、だって? 上の95年ごろの話だったと思うけど、どっかで読んだ記事で邦銀のディーラーさんが、東京時間で上げても上げてもニューヨークで下げられる(ドルが売られる)んで焦燥感があったみたいな話を読んだ記憶があるけど、そう、東京相場は実需があるけど、ニューヨークは投機中心だから普通にそうなる。勝てると思ったらドル売り万歳、みたいなことが平気で起こる。まったくこう、ドルが下落しています、ドルの価値が世界的に下落していますとかいうニュースが世界をかけまわって、なんとなくドルの価値が下がる=アメリカが低下してる、みたいに思う人も世の中にいるのかもしれないけど、この機にドル売りしてるのってアメリカ系のファンドが中心だと思う。つまり、全然そんなことは本当のテーマじゃねーよ、というやつ。

と、そんなことを今さら言っても遅いのかなぁと思うとさらに気分は暗い。なんかこう、日本が空爆されている気がしてきている今日この頃。この感じは97年ぐらいにもそういえばあった。なんかもううっとうしいほど、日本経済は悪いですから悪いですからとホクホクしながら語る米人、カナダ人みたいなのが沸いてくる。ものすごくうれしそうなんだよなぁ、これが、というのが非常に印象的。


[捕捉]
日経平均大幅続落で始まる、一時下げ幅300円超
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080116NTE2INK0116012008.html

まったく予想通りのことが起きていた。でも誰も買えないでしょう。だってまだ為替動くんだから。つまり底が見えないからここで買える人はまずいない。つまり、さらに下げる。日本株自体には何が問題なのかわからない理由で下げるから個人はますますこんなものにお金を突っ込めないとなって、さらに日本の売買主体が減退。ボールが取れない。

で、理由はアメリカの信用危機でということになるけど、根本的に、アメリカの景気およびファンダに問題があってドル安になるのはいいとして、それで圧倒的な円高になって日本株が下がるというのも部分的にはおかしい(内需株もつられる)のにそういうことになっていて、その上でこうなるのも日本の市場が外国人投資家にとって不透明だからとかなんとか理由が付いているけど、私自身はそういう問題だとは認識していない。透明度があっても同じことが起きると思う。ではどうしたらいいのか。わからない。