横のコミュニケーションに慣れた人々


世の中は面白い。
先週末から例の沖縄の集会とそのアフターマスに非常に困惑しつつ、そして自分でも思ってもみなかったほど実は腹を立てていて、それをなだめるのに意外に困難を覚え、ちょっとした瞬間にいろいろ考えてしまうような感じだった。

気になってブログを読んだり、2チャンネルはどうなっているのやらと覗いてみたりした。するといわゆるこの、ある種の特定の誘導傾向をひたすら書きこむ人々を目撃し、さらに気持ちが晴れなかった。いろいろ手法はあるが持っていく先は同じ、反目を引き出すために書いているのがわかりすぎるほどわかった。

が、しかし、さっき見たらあの集会の写真を数えてみたという人々がいるのを発見。
11万説はさすが、ちょっと・・・と誰しも思ったわけでその後4万3千人説を見て、そういうものなのかなと思った私は馬鹿だった模様。


【沖縄】新しい教科書を作る会が正解を当てますた\(^o^)/【2万人】
http://news23.2ch.net/test/read.cgi/news/1191500917/


全体写真を拡大して点々打って部分を数えて、その部分がいくつあるかを数えて掛けて概算を出すと。出されてみれば確かにちょっと4万説も怪しそうだ。10万説は遠いにもほどがある。
http://www-2ch.net:8080/up/download/1191407958988357.dBA2tP


なんというか一昔前なら考えられないようなことができるんだなぁと感心した。考えてみればできるに決まってるのに考えもつかなかった私は頭がおばさんなんだろうかと思ってみたり、しかし、3000まで数えた人がいるらしいんだけど、それって何時間かかったの?と思うとやっぱりやれないと思ってみたり、いやいやしかし、とにもかくにも、こういう軽いノリで乗り切ってしまうというのは良いことだとしみじみ思った。

それに比べると、やっぱりそもそも動員系多し、それでも倍増どころかもっと見越しているわけで、すでに普通に捏造と呼ぶべき事態になってもまったく意に介すどころか、勝ち誇って文部省に行ってしまう政治家(運動主体はどうあれ)というのは、不正直とか正直とかいう切り方もできるけど、それよりももっと、生きてる世界が古すぎると思った。


スターリンの時代には写真を切り取ったり修正したりして問題のある人物を消してしまうらしい、これが証拠だ、とか言って複数の写真が並べられた記事を見たことがあったが、日本で今般活躍された皆様はセンスがそこらへんで終わってる。

つまり、確かにそうして修正されたものは一時的には偽物が本物らしく出回る。しかし、もしここに横のコミュニケーションがあってそれが露出していたら、別の証拠写真、それを覆すものが次第に出回る可能性があるし、ええ、だってあの人そこにいたよ、俺その前に会ったもん、みたいな証言が出てきてしまうこともあるかもしれず、偽物の寿命はかなり短くなる。

ただ、横のコミュニケーションがあってもそれが露出されない限りにおいて偽物ワールドは存在し得る。どんなに笑いを誘うものでも。だから独裁政権は媒体を取る、と。


ホントか嘘か知らないけど、旧ソ連があった時代、ソ連はテレビはどの家庭にもあります、あれは縦の情報伝達ですから、しかし電話はなかなか導入しませんでした、これは横のつながりで話がさっと広がるわけですからとかいうのを聞いたことがあった。繰り返すが本当か嘘かわからないが、ありそうな話ではある。



まったく関係ないことながら、今日普通の雑誌の記事をざらっと読んでいたら、企業の社会的責任に関する取組みはどうあるべきかといったテーマの中で、


最近の人々は企業や政府機関が発信するものに非常に多く接しているので、かつてに比べて簡単にプロパガンダを見抜き、そうと知ったらあっさり拒絶します。ですからお為ごかしを書くのは却って逆効果です、それによって売れないだけでなく、その姿勢を問われて優秀な人間を確保できなくなるということもあるわけですからこれは企業にとって致命的です。ですから云々・・・


とあった。この偶然は何?という程、話が合っていて個人的には数えた写真を見た瞬間思い出し笑いを禁じえなかった。つか爆笑した。

企業という、ひょっとしたらそれにもかかわらずウルトラCの製品が出てきたり、独占体制だったら怖いものなしかも?と思えないものだってあり得る主体でさえ、(そもそも別に目新しいわけじゃなく)この危機感なのに、本当の民意をくみとれなかったら、あるいは本当に人々に支持される策を出せなかったら、あんたら売るものないじゃん、という政治家が、なんてことのない人々が笑いながら数えちゃえばすんじゃうようなものをマジで、おおマジで大風呂敷に包みこんで、おおマジでそれで立派なことをしていると思っているわけだ。


世の中しょげることはないな、と、根拠はまったく薄弱ではあるにせよ、そう思った。元気が出る。おばさんは、今の若い人が面白くて仕方がない。
(意外とおじさん、おばさん、おじーさん、おばーさんが数えたのかもしれないが)


しかし、これは数の問題ではない。その通り。そもそも事実関係と事実妥当性の検証手続きの問題だ。最初からそうである通り。


[補足]
インベントプロも参入。

朝日新聞「沖縄集会は11万人参加」に対するイベント屋としての考察
http://blogs.itmedia.co.jp/showbiz/2007/10/11_a34b.html