なんとなく朝に近いんだと思う

参議院選挙はどうなるのかを読もうと思ってとりあえずパラパラ読んだが、よくわからない。
こんなにわからないのは久しぶりだというほどわからない。

個人の結論として、よーするに参議院だ、ってのがまずあって、その上でさらに、実際のところ大した問題、争点がないからこうなってるんだろうななどと一応現時点では思う。

防衛庁長官の発言問題も、別に政治的に、現実的にどうこうという問題ではない。
なんでなんだか、個人の頭の中身、つまりものの考え方を縛らないと気がすまない人というのが日本には、多分対北米、イギリスその他欧州と比べて多いんだろうか、など言いたい気がするし、私が外人だったらそういうんだろうが、本籍日本人の私としては、そうしないと気がすまない人が取り分け大規模メディアに多いと言いたいと思う。建前みたなのを作ってそれにそぐわないものの考え方をする人がいると、それがどれだけ、なるほどそうも見えるか、であっても、叩くことに熱心だ、と。個人的には、こういう傾向のものの考え方、脳みその使い方を、他の何ものにも変えらられないぐらい、ありていに申さば蛇蝎のごとく嫌ってる。

事務所費用がどうしたの話も、なんだかホントに誠実さのないおっさんだな、とは思うが、そうまで騒ぐことなのかはよくわからん。これが本当に争点なんだったら、日本ってなんて平和な国かと思う。政治的スキャンダルというのは、大規模に国税を使いまくって平気だったりする人および団体を叩くことに注意を傾けるべきだと思う。物事にはなんでも優先順位というものがある。

年金は、これはあきらかに事務的な問題として淡々と効率をあげるべく邁進すればいいのじゃまいか、としか思えない。監督責任として大臣、ってのはそりゃ建前ではそうだけど、実際仕切ってた人々と実際問題作業にあたっての現場の長だった人々の責任ももちろんあるし、こっちの方を見直す方がよっぽど大事。

でもって、年金は、事務処理手段がある程度確かになっていれば、あとは景気次第で適度にまわるようになるのじゃないのか、なんても思う。

年金の問題って、最終的には投資効果とその期待感・信頼感の問題だと思ったりする。適当に預けておけば適当に膨れる(それを原資に使ってくれる人がいる)という状況なら、掛け金を払う人は黙っててもいるわけだが、適当に預けても適当に膨らまないから、自分の取り分がなくなっちゃうんじゃないのかという不安が発生し、ここが基礎となって、何もかも不審に見えて、賭け(何事も未来のことは賭けだ)に乗ろうという人が減る=加入者が減る、という構造なんじゃまいかと思う。

カナダの年金を見ていると、ここも別にそううまくいってるってもんでもないんじゃないかと思うし、カナダの事務処理が日本のそれに比べて著しく素晴らしいなんてことはまったく思わないが、とりあえずまわってる。その根本的な原因は、事務処理の問題とか制度の問題を超えて、預けておいたら大きくなるということに対しての不信感がないからではなかろうかと思う。
(逆には、ここはここで、あちこちのほころびが常に見えるのに景気がいいからといって放置したら不景気になったらどうなるんだろうか、という心配があってもいいはず。ないけど(笑))。

で、日本での問題のあり方は、この不信感を抜きにして論じている向きがありありじゃまいかなど思う。制度をいじったって、預けたら膨らむはずだという原初的な、あるいは心情的な安心感がないと、なかなかうまくいかないんじゃないのかしら。

言ってみれば、巨大ファンドが資金を集められないのは、実際そのファンドマネージャが馬鹿だという点もあるだろうが、もしそれを超えて経済が活況を呈していたら、そのファンドも七難隠しちゃう、ってなことはある。


あまりにも雑なことを書いているなと思うが、でも、やっぱり10年間以上、例えば見やすい例でいえば金利というものが存在しない社会にいたら、人々は、この世の中で、未来に賭けるという行為は結構リスクはあるわけですが、まぁなんとかがんばりましょー、淡々と直すところは直してさ、みたいな希望に満ちたあほらしさ(人生にとって最も重要な徳目かもよ)が失われて、根本的な解決策とか、犯人探しとかに行き着きがちになるのかもしれないと言ってもそう間違いではないかと思う。

今般の選挙の様子は、そういうじりじり感が極点に達したことによってもたらされているトーンかな、と思う。でも、まぁ夜明け前が一番暗いっていうし、こうなってきたということは、つまり、動いているということだとも言えるでしょう。どん詰まりは終わった、と。