今日も高いぞカナダドル


連日ではございますがカナダドル。記録的な高さにカナダは沸いております。

カナダが沸いているというのは嘘だけど、報道はもう、record highの連発。これはこれでやっぱり、どうあれ、ホントは俺は輸出業者だという人であっても、とにかく、とりあえず、うれしい、ばんざーい気分には違いなんだろうなぁと外人(私)は思う。報道のトーンがそうだ。事情はもちろんいろいろまったく異なるとはいえ、80年代日本で円が対米で記録的な高さを、とかいった場合のあのしょげ返ったムードを思い出すとこの対比にめまいがしそう。


カナダドル、対米ドルで約30年ぶり高値に上昇
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200705210063.html

今日夕方現在で、92.41とさっきラジオが言っていた。昨日より高い。


とりあえず、投資家というか、この場合はトレーダーか、なにせマーケット参加者はまだかんかんに強気で、ロングいくぞーみたいなムードがあるらしいが、当然異論を唱える人もいるわけで、異論としては、ファンダメンタルは確かにいい、小売も製造も卸もおもったたより堅調じゃん!だし、従来から唱えられているカナダのファンダのファンダ、資源もあるけど地政学的リスクはない、財政もOKというのももちろん健在(つか、ここは一晩で変わるようなものではないわけだが)、で、強気でいく人はそのへんばっかり見てるけど、相場はアメリカが国際的にどうなのか、コモディティ価格、アメリカとカナダの金利差といったもんの影響を強くうけるんだよ、、だから87から91ぐらいが妥当じゃないの、ということらしい。

確かにそうですね、という以外のことは言われていないわけで、それ自体、結局びっくりするほど悪い要素がない今日この頃だったりはするんだろうなぁなど思ってみたりもする。昨年から何回かあった、単純に米ドル全面安でんがな、の状況に若干の踏ん張りによってこの状況がある、ともいえるけど、だからといってそれが急激に変化する要素もない・・・堂々巡り。

近場では、バンクオブカナダの利上げが読み込まれているみたいだけど、これがどうなるのかが来週のお楽しみ。

そういうわけで、テクニカルにはいろいろあるだろうけど、向こう半年のトレンドはロングでいいっす、なのかなと見える、日の伸びたトロントでございます。

Traders place their bets on loonie
http://www.reportonbusiness.com/servlet/story/
RTGAM.20070523.wdollar23/BNStory/robNews/?cid=al_gam_nletter_maropen


気にしておくべき点は、アメリカ経済が弱まるにしても、多分そこにひきづられそうでひきづられの程度はそうでもないのか否かと、あと、来年のオリンピックまでは大丈夫だろうから今年はいいんだけど、チャイナリスクも関係大有りではないのか、という点も隠れたポイントか。


とか言っていたら、さり気に、どういっていいかわからない記事が日本語であった。

中国人のカナダ移民が両国貿易の発展後押し
ttp://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0521&f=business_0521_017.shtml

中国情報局さんのサイト。

カナダ・アジア太平洋基金会(The Asia Pacific Foundation of Canada)が発表したリポートによれば、中国とカナダの貿易総額は1995年の80億カナダドルから05年には300億カナダドルに増加した。リポートは中国からカナダへの移民による貢献に注目し、「移民1000人当たりで貿易額7億カナダドルを押し上げた計算になる」などとした。中国新聞社が伝えた。

政治的、社会学的にはなるほど、グローバリズムっていいですね、以上で終わるかもしれない記事なんだろうけど、経済に限ってみれば、これってリスク要因というべきだと思う。

基本的に強いカナダ経済ではあるにせよバブリーな部分があるというのはコンセンサスで、で、そのふくらましてる人たちの中に占めるチャイニーズの割合は小さくはないでしょう。一般的な製造、小売だけではなく、住宅、不動産にも大きく関係ありのはず。投資でも消費でもという感じか。で、この時メインランドのチャイナに何事かあって完全に無傷ってことは多分ない。出身国ドイツの人とか日本の人というのと同じ状況ではない可能性はある、と。そもそもカナダ経済の規模が日本とかアメリカみたいにドでかいわけじゃないから、このへんは懸念要素としてなるんだろうなぁ、と来年以降を思ってみたりもする。でもその次の年はバンクーバーのオリンピックを設定してるから、それでショックは吸収可という計算なのか?、少なくとも何もないより全然いい、という読みではあるんだろうかなぁなど思う。表面からはそうは全然見えないと思うけど、いやしかし、本質的に開発、拡大こそ生命線、と思っている人たちの国だわと今日もしみじみそう思う。