話が大きく見えるからって

ちょっと気になるニュースではあるので手短にメモ。


■カナダ議会、慰安婦賠償要求決議案を推進
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1175207848/l50

2チャンネルにすれが立ってた。

民主党所属のウェイン・マーストン(Wayne Marston)議員が発議したこの決議案は27日、
カナダ下院の外交国際開発委員会傘下の人権小委員会における表決で、賛成4票、反対
3票で可決され、常任委員会に回付された。


へ〜、っと。でもって、やっぱりNDP(新民主党)はこのような勢力になっていくんだなぁと遠い目をしたくなった。昔昔は国際じゃなくて国内左翼の典型みたいな感じだったところから始まって、政権をまかせるのは嫌だがアイデアはカナダ人に好まれるといわれていたのだそうだ。しかし次第に党勢が立ち行かなくなったからなのかなんなのか(そうだろうが)、全体議論はさておき、繰り返し繰り返し弱者弱者弱者のための云々になってきたなぁ(=全体としてのアイデアを提出できない=古いNDPファンはがっかり)、になって、ここにきてあららと気がついたらガチでそうなってた、みたいな成り行きか。

従って(というわけでもないが)、このなりゆきからわかる通りこの党は勢力分布としては非常に小さい。だから(というわけでもないが)、この案が大勢力を背景にしているというわけではないことを一応日本のみなさま知っていてね、と思ったりはする。アメリカだと、民主と共和でどっちも大きい、それしかない、だけど、ここは複数政党が存在するから。

でもって、まだ何にもはじまってないのに日本国内の対カナダ感情が悪くなるみたいな状況はいいことはないと思う(ま、いずれにしても小さい関係ではあるんだが)。無意味に戦線を拡大してどうする。ここは冷静に、と、誰に訴えてるのだかわからないがそんなことを言いたくなったから書いているんだろうと我がことながら想像する。


それが背景として、今日の感触としては、私は今日は珍しくいろんな人に会ったのだが、この話をしている人は誰もいなかった。帰ってきてだらだらサーフしてたら目に飛び込んだだけ。明日時間があればニュース記事ぐらい探ろうかしらという気はなくもないが、なんかあんまり気がすすまない。多分、あんまりでかいことにはならないような気がするというのがまずひとつ。


事情としては半月ぐらい前に書いた感じとそう変わってないだろうと思う。
http://d.hatena.ne.jp/Soreda/20070315

単純に、どこかで動きが出る、南コリアで記事にする、日本語翻訳、日本でデビュー、大変だ、という特亜ラストスタンドの一貫で出てきてるんだろうから、自分でそれに反応するのもなぁなど思ってみたりもして、なんか、気がすすまない。


もうひとつは、もしそうならそうで、カナダ、行くとこまで行くしかないんじゃないの、みたいな気持ちもあるから。自分たちが考えもなしに行動に移すことがどういう帰結をもたらすか、経験しなきゃわからんでしょ、だって。


そうはいっても日本にとって一応最悪のことを想像してみるに、日本とカナダは、日本とアメリカのように多様な人々が行き来はしていないし、もとより人数も少ないので、もし攻防戦が開始された場合、へんないい方だが「塹壕」はない、ストーンと行ったら最後抵抗線なし、といえるかもしれない。

つまり、日米だと各層で日本人とその人たちと一緒に働いていたり、暮らしている人がいて歴史もあってその力はそう小さくはない、いや、小さいけど機能的であることを知ってる人が多そうだ。政府機関もある、準政府機関も多い。が、カナダの場合、日本の公的出先機関は非常に小さいと思う。でもって、民間も、そもそも日本からの企業の海外派遣の人か学生が多い。日本からの報道機関は事務所もない。東部カナダ発はニューヨークから出てるはず。というわけで、掛け合うための各層というのは、非常に手薄。塹壕ないですぅ、って感じ。


こうしてあらためて考えてみると、これってつまり、ここは発言は非常にオープンな国だからいろんなことを言う人は多いが、最終的にカナダの政党も行政府もそう突飛なことはしない、だいたい賢明といえる範囲で推移する、みたいな前提のもと日本はこの国との交渉を進めているってことなのかなぁなどふと思ったりもする。で、それがそうでなくなるのなら、それは、たとえネタが日本だろうとも、今回の件に関していえば、私は、これはカナダが傷つくことにしかならないだろうと思っている。
(その意味では骨の髄までカナダ人という人々にはいろいろ、必要があれば出来る限りのことを言うという用意を不詳わたくしもしていてよ)。