横領と人権問題

その一方で、現在のカナダのハーパー政権は、事あるごとにといってもいいぐらい結果的にチャイナと対立してる、ここ数ヶ月(もっとか)。

そもそもは、チャイナ生まれのカナダ国籍を持つ人がテロ関連での疑いで中国当局にあって、当局はカナダとの二重国籍を認めない、つまりチャイニーズとして処罰するぞ、という状況にあるのが1件。で、ハーパーはカナダ国籍を持つものを保護する義務があるという大義の元(正しいよ)、中共当局と対立。昨日あたりは、カナダ国籍を持つ30万人が北京当局の政策のせいで危機にさらされている、といった言い方で非難していた。

300,000 Canadian passport holders at risk because of Beijing's policy, experts warn
http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/LAC.20070221.CANADACHINA21/
TPStory/National


しかし、ここにきて別件が・・・とこっちの成り行きにこそ注目。

China wants detained suspect sent back to Beijing
http://www.ctv.ca/servlet/ArticleNews/story/CTVNews/20070221/
gao_extradite_070221/20070221?hub=TopStories


現在永住権を持ってバンクーバーに住んでいる元中国銀行の幹部だった人が、2005年にカナダに来る際に、1.5億ドルを横領して来たらしい。

で、その人は現在カナダ当局で拘束されているが(この容疑は出てくる際のカナダ向けの申請書類に虚偽がある、ってことらしい)、北京は彼を渡せと言っている、と。

こ、これはどうなんだろう・・・。妙なところからハーパーにとって困った事態になってる気がする。永住権は国籍じゃないから普通の国家間なら問題なく引き渡しなんだが、この場合は、人権として考えれば彼を戻すとえぐいことになる、というのはある程度わかるが、しかしだなぁ、なんだよその虚偽申請から横領ってというのもある。

ハーパー、というかカナダ、すごく気の毒な状況じゃまいか。到底普通には庇いたくもない人を前に保護を言う必要に迫られている・・・ようだ。中共当局、笑ってる気がする。


*あわてて15分ぐらいへんな数字を書いてましたが、150億円、1.5億ドル相当です。