既にそうなわけだが


北朝鮮のポジションはともかく、とりあえずもっと深刻なのは南だろうなぁと私は思うわけだが、南はどうなんでしょうか。なにか、よく分からない国なので静観するしかないし、また、厳重に、それ以上をすべきではないとも思ってる。それが私たちのこの100年の結果だ。

"If someone is cheating on us, we need to stop them," Mr. Bush said. The United States says it has found $45 million in supernotes, which it says North Korea has used to prop up its decrepit economy and keep its leaders in luxury.

ブッシュが木曜日に北朝鮮に対して強い発言をして(だから上の記事みたいなのが出てきて)、しかし一方で南は、

The issue escalated further when South Korean President Roh Moo Hyun warned Washington in a nationally televised news conference that taking too tough a stance against North Korea could cause "friction and disagreement between South Korea and the United States."

North Korean Counterfeiting Complicates Nuclear Crisis
http://www.nytimes.com/2006/01/29/international/asia/29korea.html?_r=1


あんまり北を追いつめると、Sコリアと米国の関係にヒビが入るよ、などと大統領が言っている、と。そして、これはこれでいいとしても、根本的に問題なのは、捏造するという行為に対するアメリカ(およびその他諸国)と南の朝鮮の認識の差異まで描かれている方ではなかろうかなどとも思う。南の認識では、核の問題で揉めてることが問題だ、なのかもしれないが、その他の認識では、これら混合した犯罪的行為が問題だ、なわけで、核があるからどこかで譲歩というのは基本的には、単なる政治日程以上のものではなくて、やろうと思えばどこからでも追求できるものだ。

上のNYタイムスは、批評家たちが言っているという形で、アメリカは北朝鮮が偽札を作ってるということを取り上げはじめたのはもう十年以上も前なのになぜ今そんなにハードラインなのかとの疑問を一応触ってはいる。なんでってそれこそこっちが聞きたいぐらいだが、なんせ、だからといって核の前には偽札OKにはまったくならない。


南の認識としては、北が核を持っている、そしてみんなが困ってる、ということはある程度北がリードを取ってるぐらいのつもりがどこかにあるんだろうと思う。が、しかし、繰り返すが、それが根本的な誤りだろうと私は思う。そしてなぜそう認識してしまうのかと言えば、一つには北がマジで恐いってこともあるんだろうが(ある種ストックホルム症候群的な)、もう一つは、核を巡る考察が非常に浅いのじゃまいかということかと思う。


核兵器って本質的に使えない兵器だというのがまず肝心なわけで、だから残りの諸条件で負けてたら修辞以上の意味は持たない、その意味で、強いようでたいしたことはないないカードじゃないのかなどとも思う。そして、なぜ本質的に使えない兵器なのかといえば、それは1945年を境にモラルの問題にコミットしているからだ(それ以前でもそう思えた人もいるにはいたにしても)。

だから、これをゲーム扱いすることを容認する方向に自分が向かうことがもたらすマイナスはとてもとても大きいことになる。





朝鮮日報は疑問というか、懸念を示して4人の外交専門家の意見を紹介している。

 高麗(コリョ)大学の柳浩烈(ユ・ホヨル)教授は、「二兎を追うものは一兎も得ずといった結果をもたらす可能性がある」とし、「米国は米国なりに、北朝鮮北朝鮮なりに韓国に不信感を持つのではないかと懸念している」と述べた。

う〜ん。何を言っても今さら・・・、どこまで行っても今さらなのかもしれない。