お金持ちの心配はしないことにする


無保険者:全国30万世帯以上 国保料滞納で保険証使えず
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060104k0000m040038000c.html


この記事は、このタイトルだけを見ると、滞納しているから保険証を交付されない、それはつまりお金がないから医者にかかれない人のことか、と思いがちかと思うのだが、これはそういう人数なんだろうか?

国民健康保険被保険者資格証明書の略。原則として、納付能力があるのに国保料を1年以上滞納した被保険者に、保険証の返還又は期限切れと同時に区市町村が交付する。被保険者としての「資格」はあるが、国保の「受益権」は停止し治療費は全額自己負担になる。国保料の滞納対策の一つとして00年度から国民健康保険法で交付が義務づけられた。


証明書を交付された人の収入および資産状況がわからない以上なんともいえないが、中には、医療費をプライベートにまかなうことを選択している人もいるのではあるまいか? 「納付能力があるのに」なんだから。逆に納付能力がないことを申し立てた場合には、よほどの不正でもない限り、公的扶助の対象となるだろう。


ということはこの数値は何を問題にしているのだろう? 
払えない悲惨な人が増えている、という印象を作ろうとしているのか?
で、悲惨な人が増えているから、現行の保険料徴収型は間違いで、社会福祉型にするしかない、という結論を導きたいということか?



現行の保健医療制度に問題があることは事実だとして、しかし、その解決法の先の方に、社会福祉型、つまり税金一括方式で分配する仕組みを持ってくることは、現在でいえばデメリットの方が大きいんじゃまいかと思うんで、私としてはこの件は今年はクロスウォッチしようと思う。


なんでそう思うかといえば、日本って、資源は国民の勤勉さと想像力刺激型の開発経済指向というより嗜好みたいでさえある、このメンタリティーしかないと思うから。もっというのなら、ごねたり脅したり、泣きついたり、世界に向かって我が身の不幸を嘆くとか等々、要するに他国から支援を得ることができない立場にある以上、自立型であり続けるモデルを追求しなくなったら、それこそ日本の終わりになるんだろうななどとも思う。


社会政策にユニバーサルな解決法などなく、その国の国民の勤労道徳、つまり日々をどう捉えるかという根本的なものの考え方に適したものが取られるとき、うまく機能する、というものだと思う。


そして自身の努力を基本とする仕組みを構築し、修正しつつ構築してゆくことは、まわりで支えてくれた人のことを忘れずに、しかしながら最後に頼りになるのは自分です、とか、苦しくとも神に祈らず(ご利益期待で神社仏閣は尋ねるにせよ話半分、みたいな)、といった言辞が支持される土壌に合っているだろうと私は思う。