国境問題


911以来ずっとあるこの国境問題が再び持ち上がっているのも、反米に火を付けているともいえるし、逆にはだからこの問題が大きくなるんだ、とも言えるでしょう。

The amendment, sponsored by California Republican Duncan Hunter, also approved building security fences with lights and cameras along more than 1,000 kilometres of the U.S.-Mexico border in four states to keep out illegal aliens and drugs.

http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/RTGAM.20051217.wfence1217/BNStory/Front/


手っとり早くいえば、メキシコ国境に作るフェンスをカナダ国境にも作る、作れ、作るべき?という見解がアメリカにあって、メキシコ国境については、カナダ的には頼みの民主党の中にも賛成議員はいるわけで、じゃあ両方に、となることだってないわけではないでしょう、という話。


部分的にはパスポートの管理が以前とは比べ物にならないぐらい厳しくなっているので、それだけでも苦情を言う、または困っている(と書くとおこられるかしら)カナダにとっては、問題。何が問題かといって、まず物流の行き来に困る。次がパスポートを持って行き来をしなければならないことに対しての苦情(日本人からすれば理解できないことだが)。その次が、特にオンタリオなどアメリカとの観光で収益をあげていた州。


で、この問題に関してカナダでしばしば聞かれるのは、アメリカがパラノイアだから、だったりする。(もちろん、これだけ悪口言ってこれはこれ、で終わるわけはないと現在のあり方に批判的な人もたくさんいるのだが)
私としては、それはそれでまったくそうではないとは言わない。
が、しかし、カナダ側にも懸念を引き起こす要素がまったくないとは言えないだろうとも見える。


たとえば、移民政策はともかく、難民政策を支持している以上、誰が入ってきたかよくわからない状態が作られるわけで、そこでフリーなボーダーをというのはいかがなものか、ではなかろうか。テロがらみのご時世としては問題ではあるだろう(明らかにリベラル寄りの論者が最近これを討論番組で指摘していたのはちょっと驚きだった)。
さらには、オンタリオ州は最近交通関係のデータ(運転免許証など)の紛失騒ぎがあった。この決着はどうなったのだ?


このへんを大きく無視して、国境といえばアメリカが悪いというのも、ちょっとなぁではある。


オンタリオ州州知事(リベラル)が、対岸のアメリカの州の州知事などにかけあっているようだが、あまり上手く言っているようには思えない。
http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/RTGAM.20051214.wxmilwaukee14/BNStory/National/


州知事が動いているということは、逆にいえば、連邦レベルでの対話の窓口がないか上手く行っていないという意味なのかもしれない・・・・。そう考えれば、マーチン氏が熱をおびたように反米になっているのは、うまくいかないことを見越しているのか?など勘ぐりたくもなる。


なんにせよ、3週間前に懸念した通り、反米感情とどう折り合いをつけるかが焦点になってしまったようで、個人的にはとても残念。生産性がなさすぎ。