どこまで行けるかアメリカ人

過去を賛美しながら過去を反省すると言う日本
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/08/16/20050816000006.html


朝鮮日報なのだが、やりにくそうだなぁ、ではある。純ちゃんがネタを供給しなかったし、アメリカがこの件に関してほとんど沈黙に近く、かつ、日本大事でっせという態度に出ている模様だから。


で、その歴史なんだが、

にもかかわらず、日本はこのアジア人がともに体験した歴史に背いて、日本が記憶したい歴史だけを取捨選択するという姿勢をとってきた。


反省とは、基本的に「共通の記憶」と「共通の体験」を前提とする。現在、日本が推し進める教科書歪曲は、結局このアジア人の「共通の記憶」と「共通の体験」を否定することだ。<<

日本にも問題点はあるとは思うが、別に基本ラインを無視したり、過去になかったことをあったとか言ってるというケースは多分そうないと思う。少なくとも1冊の本が駄目でもほかのものは駅前にいくらでも売ってる。で、なんせ戦争と、その回避およびその失敗の時代ばかりなので、相手国での記録も当然あるからそう突飛なことはできないのではないかと思う。出てくるとわりと喜ぶ人たちが多い国でもある。もちろん南京が争点になっているが、とりあえず隠したり、別の解釈を信じろおまえーとばかりに大宣伝舞台でインターネット上に飛ばしたりというのは、この頃若干がんばってるが、基本的に苦手な人々だからできていない。


で、あのそので、そろそろ、下関条約のあたりから丁寧に歴史を追ってみる作業をした方がいいんでないですか、とSコリアの人々、と私はまじめに思う。ってかもうある局面では遅いっちゃ遅いのかもしれないが。


しばらく前から読んでるアメリカ人のブログの一つがある。著者は朝鮮語ができる(どのぐらいかはわからんが)、朝鮮に縁が深い人らしくあり、でもって、圧倒的に、朝鮮マンセーと言っていいことを使命感を持って書いている。アジアはこうあるべきというビジョンがあるのだそうだ。で、そうであるなら今日普通そうであるように(笑)、日本は謝罪すべきだ、日本は酷い酷いとどのエントリーもそういうことになる。ってかエントリーの傾向からはこのためにこそ立ち上げているというところ。


が、知的なので、いちいち論争が可能なスタイルで書かれている。そういうわけで、コメントも冷静だし、示唆にとんでいるので私としては楽しんだ。が、それにしても、私から見るに、それって、朝鮮日報とかで日々私が笑ってる話だよなぁ、を生真面目で正しい英語で書いているというのが、なにかこう、う〜ん、だったりはする。


で、その中に、日本が植民地にしたおかげで朝鮮は発展したんだと人々はいうが(この件に関しては彼は反論していない。むしろ、一般的なヨーロッパ人の植民地がそうだったように人々をただ愚民のままにしておくスタイルではなかったと言っている)、朝鮮は独自に発展できたのだというのを論証するためのエントリーがあった。


私としては、この手のエントリーを他でも読んだし、出元としてコリアの教授が何かを書いたとかなんとか日本語で読めるコリアプレスでも見た覚えがあった。だから、まぁこれが現在のコリアンのトレンドなんだと思う。そこで、使命感を持った彼も書いた、と。


そこに短いコメントがあった。日本支配下でなくてもできたとして、日本が朝鮮を併合しなかったら(少なくとも、日清戦争日露戦争を通じて支配権を得ていなかったら)、そこは母なるロシアの一部だったかもしれないんだよね、だったら、自力で発展したかもしれないけど、逆もあるよね、とあった。リンクをたどっていったら、イギリス人だった。あはは。


その他にもいろいろあるのだが、基本ソースがコリア発で、その上日本関係のソースがジャパン・タイムスとか朝日らしいからか、勢い日本はなんてレイシスト(民族差別者の国)とか、人権無視、神社は悪いみたいな話に誘導されて、それをそのまま真正面から取り組んでいる。


どうなるんだろうなぁ。これが仕事だったら私は降りるなってほど物悲しいソースの組み合わせだと思うが、それを正しいロジックを使える人が真面目にその中で奮闘するのだ。しかし、世の中には、このソースだけで生きてる人ばっかりのわけはなくて(日本に関しても)、それって違うよ、とアメリカ人に指摘されてたり、たしなめられていたりすることになる。


日本は謝罪するべきだ、というエントリーでは、渾身の力作にもかかかわらず、つけられていたコメントは、大同小異で謝罪が何か変化をもたらすとは思えないなぁ・・・なぜならコリアンやチャイニーズにとって日本を憎悪することはもやはアイデンティティで、謝るとかじゃなくて、どうあれ日本よりも優位だと感じられるまで満足しないだろう、
あなたのやってることは日本を卑下させることで、それはある種の復讐だよ、とか
コリアが自力でやれたのにというけど(ここでも言っていた)、併合前から改革に積極的だった人には日本の影響があるんだよ、と、再度書かれていたり、
ドイツは赦されているのに日本は云々というが、それは(文脈からおそらくアメリカにとっての)復讐の問題だろうと、別の方向に引き出されてもいた。


(vengeanceを復讐と訳したが、恨みをはらすの恨みでいいかと思う。これは、報復:retaliationとは違う。ってか当然か。すんません、いらないことでした。でも、ちょっと気になるのは、つまり何か、覚えず「恨」になってるアメリカ人を見てるということなのか?ではある。)


しかし、カプサイシンは強力なのか、はたまた檀君の呪いというべきか、彼は精力的にエントリーを起こしてい・・・たのだが、7月後半から更新がない。仕事が忙しいんだ、ということらしいが、それだけなのかと、ちょっと興味を持ってウォッチしている。


ま、この人は確信を持って朝鮮擁護という立場を表明しているから迷いはないだろうが(まるで冒険に出るみたいなこと言って申し訳ないが)、この先、結構、大変じゃないかと思う。


個人的な興味としては、「恨み」に関して、アメリカ人の中で(少なくとも若干の問題について、恨みという感情を見てとった人がいる中で)、この朝鮮完全支持のアメリカ人がどこまで行けるのか、というのがちょっと興味深い。


アメリカって、やられたら3倍返しは基本みたいだが(笑)、恨みを抱くということを支持する土壌はあまりないように思う。基本的に、勘定と感情を釣り合わせることは正しい、みたいな信念の上に人の生活がある、とでもいうのか、なんかそんな感じ。じゃあなんで3倍なのか、ってのが難しいが、ま、勢いもしくは瞬時にはねあがる利息ということで(うそ)。ともあれ恨みはこれとは違う。


また、結局同じことだが、日本の植民地支配はとにかく酷かったのだ、と書く時、その先にはこういうのがあったりするんだが、やっていけるのか?というのも今後の見どころ。ロジックは同じなのだから(経済的発展も確かにあった、しかし他の植民地支配とは違って歓迎されていない、なぜならその支配が酷かったからだ)。



小泉首相と植民地支配を非難=訪韓した北朝鮮高官
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050815-00000125-jij-int

また、植民地支配を「古今東西に前例がない蛮行をしたのは日本だけ」と強く非難した。

「けだものでないのだから、感じることがあっただろう」


なかなか言えないって。