外資に渡る・・・


小泉の改革について反対派の人たちの論考を読んでいて、うううん、とうなってしまうのは、350兆円が外資に渡る、というそれ。ある種のおどかしなのか、まじめに本当にそう思っているのか、人によるだろうけど、これってどうしてこんなにまことしやかに語られるのだろう? 私だけがまったくわかっていないのかしら?という疑念もなくはないが、私にはやはしちょっと理解できない。


「国際金融業は、もう少し待てば日本の郵貯の350兆円を 手にする事が出来る。」(株式日記と経済展望)
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu100.htm


うううん。。。FTからの訳が誤解を誘ってる、でもあるけどねこのエントリーは。



で、どうせだったら、「外資」が悪いなんていってないで、なんとしてでも日本国内の日本人企業の資金が枯渇しないように、日本人のお金が日本人でない人には絶対に渡らないように、そういうのを支援できる金融機関にお金を預けましょう(事実上絶対外国企業への投資を行うことはない機関とか)、それが私たちの国のためになります、外資系金融機関などもってのほかですよ(といっても日本法人だったりするのはどうするんだ?)、と個々の人に訴えるのがいいのではないのか?


もちろん、いいようにやられてしまう可能性がないわけではないだろうが、そちらの側だとて、採らぬタヌキである可能性だってなくはないだろう。いわゆるハゲタカだってファンドのモデルによっては収益のあがらないものもあるわけで、そんなに簡単に「ごっそり」とか「がっさり」とかできるなら苦労はないだろう。
というか、民間に投げられていないものの方が、「ごっそり」実現可能性は高いと思うんだが。額はずいぶん違うが、なによ、朝銀ってなどいってみたいものもある。


さらにいえば、リップルウッドの件があまりにもタチが悪いために、すべてが戯画化される側面はあるんだろうと思う。が、最初から最後まで、髪の毛から足の爪の先まで長銀もたいしてほめられたものでもなかろうよ、という方向から考えた方が、もしこれら反対派の人々の「日本資産の防御」のためには良いと思う。長銀とか日債銀がこけることが決まった頃、ベネフィットをがっさり持って外に出ていってホクホクしていたのはまさに日本人だったわけで、このへんの問題を無視して、「外資」だけがただにひたすら悪いというのもへんだ。


蛇足だが、国立公立大学を出た人は、その後の勤務に関して一定の年数に渡って一義的に国家のために働くよう求める法律でも作ればいいのではないだろうか。政府系機関を含む官公庁の場合もその後の勤務にしばりを入れてもいいだろうし。