微妙にずれてる

小泉の人気があがっていると書くそのそばにわざわざちゃんとコリアンの「慰安婦」についての長い記事を置くBBCはなんて目配りのいいメディアなんでしょうかと皮肉をいってみる。

数日前にも書いたけど、小泉が人気だ、という点についての異論が読者投稿などから浮かび上がるようになっていることもあるし(論理的にはへんだったりはするんだが)、とりあえず、いわゆる「右旋回」の「アジア諸国」の危惧なるものをBBCが見えるようにしてます、といった趣きのように見える。


で、「慰安婦」なのだが、すでになんといっても、「sex slave」だし、慰安所という、日本語としては役所がつけたみたいな名前というものが、「comfort station」という名前で語ることで、意図がどこにあれ、なんだかものすごく組織立ったものに聞こえる、というワードチョイスの妙に唸らされる記事ではある。


ついでにいえば、事件性を隠ぺいするために「慰安婦」は殺されてさえいた、とかいう文もあった。これって、どういう筋のことをいっているのかわからんけど・・・。


Korean WWII sex slaves fight on
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/asia-pacific/4749467.stm


とはいえ、記事をちゃんと読むと、コリアンの女性はコリアンの仲介の男に連れられてる、という下りもあるし、この記事のメインキャラクターになっている女性も、そうやってたくさんの女性を当時植民地の主だった日本に渡していたコリアンの男に売られたことを明らかにしている。

At the age of 17, she was tricked into being abducted by a Korean middle-man who delivered large numbers of young women and girls to his country's then Japanese colonial masters.


これは、以前と調子が違うのではないのだろうか? 以前からの主張では、日本軍だか日本の警察だか、なんだか恐い日本人が誘拐した、少なくともそう印象されるような話が主流だったように思う。


日本側の主張は、いわゆる基本条約で個人のクレームは解決すみというものだが、でもその後にも謝罪したり、あと、90年代に一回できたはいいけど機能しなかった女性基金の話も出ていたし、医療の用意もあるとあってで、何もやっていないわけではないことは読めばわかるという内容だった。


それに対してこの女性は法的な賠償金じゃないと駄目だと主張している。


全体としては、日本は過去に惨いことをしたのに認めない国だ、少なくとも認めるのが遅い国だ、という趣旨には読めるものの、さりとて一方的に、ものすごい人々、と書かれていた過去からすると、やっぱ、ちょっと変わったかも?とか思った。


微妙に中心がずれている。


で、一方日本の朝日は、


慰安婦問題の解決願いデモ 支援団体が各国で
http://www.asahi.com/national/update/0811/TKY200508110102.html

戦後60年を経ても慰安婦問題が解決を見ない中、韓国の元慰安婦らがソウルの日本大使館前で92年1月以降毎週続けてきた「水曜デモ」に「連帯しよう」と支援団体などが呼びかけた「世界同時行動」。ソウル、東京のほか、マニラ、ベルリン、ハーグ、サンフランシスコなどで準備された。


ネットの記事ということもあるが、細かいこと(これが事実というものだと思うが)抜きで、大変だ、ガイコクで問題になってる、という戦法か。



朝日にとって「解決」ってどんなことなんだろう? でもって、この女性(たち)に、どんな「解決」を提案するつもりだろう?