愛がない
「ウトロにショック」
国連人権委特別報告官、京都朝鮮学校も訪問
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005070600007&genre=C4&area=K00
国連人権委員会がわざわざ人を出して調査しに来た理由って、人権擁護法案のサポートという意味なんだろうなと思ってみてた。
でもどうワークするかはまぁかなり疑問。ただ、そういうことよりも、ほうれみろ、国連という「エライ」機関がきました、みたいなアナウンス効果狙いのような気もする。
国連人権委員会って、先進国の問題に首を突っ込む必要はないのではないのだろうか。
とりあえず先進国の中では、右でも左でも過激でも穏健でも、保守でもなんでも、あるいは反日家、反米家などそれぞれ豊富に取り揃えているし、裁判機構もある。資金もある。だからその中で解決できるファシリテイは存在している。もちろん他国の事情を知る必要はあるから、調整機関として適当に定例ミーティングをしたりするのはいいと思う。
と、遠くから書いているが、しかしながら実際問題として、わざわざ出てきたとしても実効可能なツールがあるわけではないんだから、要するに事実上、最初から最後まで、上で書いた定例ミーティング対応以外の何者でもない。だいたい、少数の短期滞在者の証言で裁かれるほどタコなシステムは幸いなことに先進国にはない。そんな感想に頼ってて何になるんだ？
私だって、アメリカはみんなお金持ちなのかと思ったのに、昨日爆撃でもあったのかというほどの酷い道路の中にすむ、見るからに貧しい人々にショックを受けたとかいえる。今回の人権委員会のおじさんはおそらく日本語をはなさないだろうが、私は若干の英語を話すのでよりマシなフィールド調査を行ってもいる。
カナダもしかり。このうんざりするほどの貧しさと糾弾することしか知らないような言辞しか持たないような人々をどうするのだ、と思うこともある。さらには、メキシコの国境付近で、当たり前のように不法難民となっている人々をいったいどうしたらいいんだろうかと呆然と眺めたこともあった。ワルシャワの駅のまわりの危険度はどうだ、ロシアも・・・ときりがない。
さらには仮にその土地の人々からの詳細な手紙や報告書があったとしても、当然それを裁くからには、カウンターとなる証言がなければならない。となれば、そうそう簡単になど報告書はできないはずだ。
つまり、人権委員会の調査などに何か信をおけるものがあるのだろうかということだ。
そもそも、そんなものじゃないのか。そんなものなのに、どうしてそれが大事なもののように扱われてきたのだったろうという自己への反省もちょっとある。
国連って、おもわせぶりな団体だよな、なんか。
日本人にとっては、それが「連合軍」だからこそ、負けた以上従ってました、みたいなものだったし、結果としてそれ以上にならなかったのはよかったなと思う。
そのうちきっと国連人権委員の調査「も」あったことだし云々、世界の常識が世論がどうしたと書く人が出てくるだろう。そのためのイベント、つまり会見をやってわざと事件にしている人の手法だったかもしれない、などとは考えもすまい。
と、そんな機構はともかく、もっと抜本的に嘆かわしいと思っていることをやっぱり書く。
私は京都新聞をあまり信用するものではないが、もしこの発言が本当だったとしたら、この報告官に必要なのは、世界中を公費でなく旅することだろう。
ウトロ地区では、住民をはじめ、日韓の支援団体関係者らが出迎えた。ディエン氏は町内会役員の案内で地区内を巡り、「近代的な日本でこのような状況を見てショックだ。貧困など厳しさの一方、住民の尊厳や連帯感も感じた」と述べた。
ホームレスって知ってるか？
私が長々と書いた心理的な理由はここにある。このどうしようもない差別意識が私は許せない。
どんな先進国にでも、どんなお金持ちの国にでも、失業者はいるのだし、不幸が重なり資産を失う人もいるし、どんなに自分を責めてもたちあがれない「マジョリティ」はいる。戦争があって世帯主を失って路頭に迷う「マジョリティ」は山のようにいたし、そこから家族の運命がかわった人も大勢いる。この発言にはそういう人への愛情がいっぺんだに感じられない。人を愛せないやつに人権など語ってもらう必要はまるでない。ついでだが愛のない人に正義などない。
[捕捉：わかりやすくいえば、悲しむべき人々とどうでもいい人々の線引きがあって、しかしその理由はジャッジするものの恣意にゆだねられており、それにもかかわらずジャッジするものはそれに気付いていないということ。
少数者、多数者、貧乏、金持ちともっともらしい理由があげられもするが、空論内で考えらられたそれら分類と、個別の事情における個人の位置づけは必ずしも整合しない。この偏向視線はしかしながら、レフトのデフォではあるようにみえる。]
参考
総連と民潭、ガッチリ握手で不法占拠を支援
http://blog.livedoor.jp/mumur/archives/18180689.html
http://blog.livedoor.jp/mumur/archives/26789349.html
不法占拠と立ち退き［2002.05.11］
http://gomushi.at.infoseek.co.jp/antijp/zainichi/001.html
