フリーになるための原理原則


上の記事の続き。

観光ビザをめぐっては、韓国が日本人向けは免除しているのに対し、日本側の免除は韓国人修学旅行者に限っている。このため、韓国には「不平等で相互主義の原則に反している」との不満が強かった。日本側は万博期間中の実績で判断する方針だったが、「日韓関係早期修復のテコにしたい」(政府筋)という首相の判断で恒久免除を前倒しする。


ものすごく目先じゃないのかと批判したくなるもう一つは、これってつまり観光立国とかでそれこそ目先の利益を狙ってる人たちが日本国内にいるってことが、このムードのドライブになってんのかなと思ったりする点。どうかわからんけど。


この間帰った時、成田で、やたらめったら「Yokoso Japan(よーこそジャパン)」の看板ってか垂れ幕が張ってあって、そこにハングルが並記されてて、ちょっと??と思った。別に、成田に到着するのは英語か中国語かハングルかしか読まない人じゃないでしょ。英語が日本語に付記されているのは、別にアメリカ人を歓迎してるのじゃなくて、英語の流通事情を考えたら、1つでいろんな人の便に供する可能性が高いからと考えれば、なるほどと思う。が、そこでなんでハングルなの?と私は非常に違和感を持った。カナダ人はいいとして、ドイツ人は歓迎されてないのかよ、だ。


でもでも、おそらく、交通業界、国交省とかがこれを仕切ってるのか?など思うのだが、その理由は日本をある種のハブにしようとしているからか、など思う。


というのは、日本の航空会社の北米便に乗ると、やたらにコリアン、チャイニーズが多い。乗り継いでいるらしい。だから、その便の活性化にこれら垂れ幕は一役かっているのでしょう。


だけど、これって日本国内ですんでる人にちゃんと話は行き渡っているのか? とちょっと思ったりもした。自分たちがハブの位置づけになってるってことに。


ま、それは別に何か悪いことがあるわけでもないだろうが、ちょっとまあいいかでもないかなと思ったのは、基本的に、そうはいっても、なにをいっても、日本の航空便の北米往復で使用されるのは、日本語と英語だ。で、そこで、この状況では、その両方が理解できない人がそこに大量の乗り込む可能性があるわけ。


隣に座った人の動向を見ていて、私は結構はらはらしたりもしたことがある。つまり、一応飛行機って、普通でない乗り物だ。気圧も変化するし、空気も悪いし、エコノミー症候群なんて心配もある。だから成り行きでみんな協力的だったりはするし、基本形は、緊急時には、とにかくどうあっても迅速に指示に従わないとなんないし、そのためのベーシックツールは搭乗したらみんな持ち合わせないとならない。少なくともその気になってないとなんない。言葉はその重要な手段だからこそお金かけて各エアラインは特定の言語のできる人を雇用している。


くだらない話から入って恐縮だが、私の隣に座ったチャイニーズのおばちゃんが、飛行時間12時間ぐらい、私が見ている限りただの1回もトイレに立たなかったことがあった。ひょっとして私に声をかけられなくて我慢してたりするのかと心配して声をかけたが、いかないっていったこともあった。


で、離陸体制に入るぞ、となったところで、トイレに行くから、となった。今はもう駄目だってば、もう高度下げてるじゃんかぁああ、この態勢の変化に気がつかんのかぁ、揺れてるぜしかも、とか思いつつ、しかし、こう、なんだな、私は今このチャイニーズのばあさんにとっては、人生で最も意地悪な人の一人になってるよな、トイレに行かせない、ってんだから、その上日本人だぜ、とか思ったら笑えるものもあったが、でも、やっぱり、これって危ないじゃないかと思って、駄目と言い張った。私はなんでこんな苦労せにゃならんのだと思ったが、思えば最初からこのおばちゃんおよび周辺の友人知人らしい人たちはいずれも日本語にも英語にも反応していなかったのだからこうなる可能性はあったといえばあったのだ。周辺の人たちが、ねぇあなた駄目よ、今はとかの援護をしてくれる様子もなかった。


で、そのうえにここからわかるのは、このおばちゃんは、日本語にも英語にもまったく反応してなかったのみならず、おそらく飛行機の乗り方みたいなののレクチャーなりどうしたらいいのか、なんてのも聞いたこともなかったんだろうと思う。でもって、この人が特別な例外ってこともないと思うし、年とってるからだけでもないのは、その後に今度は若いコリアンのおねえちゃんが同様の状況だったことがあったからだ(さすがに着陸、すわトイレはなかったが、着陸近くなっても寝ててスッチーさんに起こされてた。当然その周辺はトイレもいけず大迷惑だった)。


このへんはちょっと航空会社は対策を考えるべきかもとか思う。なんかあったらどうするんだ、と。なんかあったよ、と知らせていることすら知られていない、しかもそこに注意を向ける必要があるんだ、という理解が欠落していた場合は予想し得る危険に対してとり得る施策がないってことだ(言葉そのものがわからずとも、なんとなく・・・と思えるとしたらそれはその前にこの場で起こ蠅┐覲とへの知識??廚惜


こういう場合、そもそも強権発動的で、あんたは保安官か、というようなフライトアテンダントが多いことで知られるアメリカのエアラインはまだいいと思うし、そもそも指示に従わなかったら指示に従わなかった人がリスクを取るに決まってるっつー国でもある。が、日本国と日本の航空会社はどうだろう・・・。


飛行機内の安全といえば、北米の航空便で小型の飛行機で客室乗務員の数が劇的に少ない、2人とか1人の場合には、非常口付近に座った乗客が、「なんかあったらあんたは手伝わないとなんないからね、よろしく」と言われる。


でもって、その場の人が、自分でできそうもなかったら、私が知る限りでは、その人が自分から、できません、と言って、隣近所の人に代わってくれという。だいたい、やっぱり女性、または言語的に緊急時までは自分でこなせないと思ったら降りるという感じといっていいと思う。おそらく乗務員が不安に思ったら、交代を促されるのじゃなかろうかとも思うし、そういう権限が彼等には与えられているのじゃないのかと思う(今度フライトアテンダントさんに尋ねてみる)。


と、こういう小さいけど大事なポイントをとりあえずスムースにこなしているのは、いろんな人がいることを前提にしてきた北米の蓄積なんじゃないのかしらなど思う。で、もちろんその合間合間に必ず不協和があって、でもそれを乗り越えて、なぜそれが必要なのかのコンセンサスを得る努力と、説明スキルの向上などでこなしてきたのかな、と(スキルのない人ももちろんいるわけだが)。


で、こういうのをなくして、気持ちだけ、とか、目先だけの理由で、私たちは相互に行き来できる、とかいってもなぁ、とか私は思うのだった。


関連
外国人登録証3500通偽造、全国に転売・中国人2人再逮捕へ
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20050517AT1G1603M16052005.html


1)
Building the Alliance for Freedom: An Agenda for Improving and Expanding the Visa Waiver Program
by James Jay Carafano, Ph.D., and Richard Weitz, Ph.D.
Backgrounder #1850
May 6, 2005
http://www.heritage.org/Research/NationalSecurity/bg1850.cfm



goriさんが、小泉じゅんちゃんの「とにかくやれ」発言など一連のチャイナ、コリアへのビザ発給についてまとめてらした。これを読むと各省庁なるところは判断、賛否がまちまちなのだろう、で、ジュンちゃんがやけに乗り気ってところがさらに気になる。


中国・韓国の査証緩和問題について
朝日新聞、小泉『観光ビザ、とにかくやれ』発言の真偽」の続き。
http://www.wafu.ne.jp/~gori/diary3/000540.html