アヴァロン

中国会談キャンセル:
内政干渉」引き金に
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20050525k0000m010145000c.html


なんで帰っちゃったんだろうね、って友達の会合じゃあるまいしと、なんだかなぁと思ってるんだが、モンゴルの日程はこなしたとかで、さらになんだかなぁ、ではある。

で、この理由をチャイナはいろいろ言っているそうだが、日本の中であれこれ考える必要ってあるのか? 基本的にはなんだかなぁでいいのじゃなかろうか。毎日新聞の姿勢など、韜晦してるかも、だ。


というのは、子供の会合じゃないんだから、相応の理由なりを述べてキャンセルしなければならないところを、自ら、自分んちの都合ですと言ってドタキャン以上、こちらとしては、ああそうですかと終わるか、カチンと来るなぁもう、のどちらかしか対応できません、でいいかなと思うから。それを、先回りの先回りの先回りをして、ああだこうだ言ったところで意味はない。


と、そんなことはどうでもよくて、それよりも非常に興味深かったのはこの記事のこの部分。

「中国における抗日戦争の意味をご存じですか。8年間の戦争で死傷者3500万人、直接的な損失は1000億ドル、間接的な損失は6000億ドルに達した」

中国外務省の孔泉報道局長は24日の会見で「(小泉首相との会談取り消しで)日本に謝罪しないのか」との米国人記者の質問に、日中戦争の無残さを強調した。日本では否定的見解が多い数字だが、中国当局者が具体的に中国側の被害を語るのは異例だ


ほんとにそう言ったのか? 外交交渉のキャンセルの理由を語る場で。これって、こう、国家国民こぞって、「愛国無罪」になっているということだと思うわけだが・・・・。「日本では否定的見解が多い数字だが、中国当局者が具体的に中国側の被害を語るのは異例だ 」とかいうまとめじゃないでしょ、このパラグラフは。何を寝ぼけているのだ、この記者は、と私は思う。両方ともへん過ぎだ。

「こうした歴史的背景がありながら自らの約束を破り、国際社会に表明した反省も顧みず、A級戦犯を祭った靖国神社問題で誤った発言を繰り返す日本の指導者がいる。どうして被害国の国民の気持ちが理解できないのか」。


ううん。そういう問題なのか、と私は思うわけだが、「愛国無罪」もしくは「造反有理」かな、こういうのが何事にも優先するという思考の範囲内ではこれは全然OKなのだろう。ということは、おそらく発話者はおかしいとは思っていないから、このままずっとこの主張を続けるだろうし、自分が「誤ってない」主張をしているのに相手が応じないことに腹をたてもするだろう。


一応表面から見たらそうだけど、でも、わかってても建前上言えないという官僚および大企業にありがちな思考と判断の形式が問題なのだということかもしれない。へんだけど、でもそういわないと首になるから、といってへんなことをしてることはママあるわけで・・・。ということは、この場合には、状況が変化すれば(社長や社是が変化すると)、ころっと態度も変わるんだろう。


なんとなく、この映画を思い出した。


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押井 守さんの映画。「現実」って、カッコ付きではあるんだよな、と、まぁそういう映画。ポーランドで撮ってて、全編ポーランド語で語られていて、しかし別にポーランド人ターゲットの作品でもなくて日本の作品で、日本人は字幕を見る映画、というだけでも普通じゃないのだが、中身も普通じゃないです。とても好き。


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