旧態依然でさえない

朝日新聞を見にいったらふと目に入った。


電子電波メディア本部で人材を募集します
http://www.asahi.com/information/release/TKY200503290217.html

<勤務条件など>

■勤務場所
朝日新聞東京本社内(東京都中央区築地5-3-2)

■対象
英語ニュースを翻訳し、日本語記事体裁に書ける30歳位までの方

■勤務期間
1年契約で、2回更新、最長3年まで

なんで翻訳者およびリライターの募集が30歳まででなければならないのか。ついでにいえば、最長3年までという意図は何か。


昔から仕事の募集広告における年齢制限はおかしい、不必要だし、仕事にたいしてのqualificationとは関係ないだろうとは思っていた。ただし、とか、体力的にきついから、とか、逆に、クライアントが高齢者ばかりなので相応に年とってないと、とか応分の理由がある場合はこの限りではないだろうと考える。すれすれの理由だが、どうしてもグループで仕事をするから人員内で年齢的にばらつきがあると面倒だ、ってのもありだろうとも思う。


または、異論は予想されるところだが、リーダー、つまり班長の資質がどうしても年上の人とはやりたくないから、もしくは付き合うことができないほどに狭量であるので、どうしてもこのポジションには班長の年齢以下の人しか割り当てられません、というのも開示されている限りにおいては採択可能な合理的な理由ではないかとも思う。くどいが、開示されていれば、だよ。


が、しかし、こう、思うにですね、翻訳およびリライトなんて、あらゆる仕事の中でも最も年齢(が若いこと、もしくは若さとい意味;追加)に依存するもののが少ない、むしろ年齢があがった方が応分の知識および経験があっていいと考えられる仕事のひとつだろうと思う。実際、マーケットの中ではそうだと言っても過言ではない。ただしこの場合も、商品の都合として若い人でないと「ノリ」がないから駄目とか、そういうのはありだろう。



とりあえず、翻訳する人を探してますといった趣意のポスティングで年齢制限がある記述は日本語の中ではたまにあるけど(でもものすごく珍しいと思う。最近では特に。)、英語で見た記憶というのは多分ないというのを現職者の知る状況として書いておく。



朝日新聞としては、これらのことに鑑み、30歳までで、理論的には33歳を超えるひとを採用しない方針を取る理由は当然あるのだろうな。ぜひ伺いたい。伺うためには応募してやろうかと思うわけだが、年齢でまずハネられるから答えてももらえないのかな。どうなんだろう。やってみようか&誰かにやらせてみようかなど試案しよう。


ま、一言でいって、何がリベラルだよとか言ってみたいものは盛大にある。


最初この項のタイトルを「旧態依然」としようとしたけど、でも上に書いたようにこの職種に関していえば別に旧態でもないんだよね。だからもし旧態依然としたら、他の関係者を不当に罵倒することにもなるのでやめた。つまり、彼等(朝日およびCNN朝日)にとって特別な、specificな対応だと言うべきかと思う。年齢序列が自明な人だと考えているか(その意味では不用意)、または自明どころか当然だと考えている(その意味では故意)かのどちらかだと。