「敵対的な意図はない」


Three Little Words Matter to N. Korea
Lately, U.S. Avoids 'No Hostile Intent'
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A42357-2005Feb21.html


北朝鮮が、どういう意図なのかははっきりしないが、マジックワードだとでも思っているかのように、「no hostile intent」(敵対的な意図はない)という語をUSから取ろうとやっきになってた、と、過去2年間ぐらいの言葉を調べて述べている記事。というか、コラム。


パウエルは何度も、この北朝鮮所望の3ワードを、ブッシュがno hostile intentだよ(敵対してないよ)と言っている、という言い方で使っていたが、実際にはブッシュはそうはほとんど言っておらず、no invade、no attack、侵略しない、攻撃しない、という言明しかしてないようだ、と。ここでちょっと意味深だったりすわけだが、ともあれ、ライスもブッシュ同様で、ライスはこの間の事情を知った上で、3ワードは使うべきじゃないと判断したそうだ。この人を物語るかもしれないこのエピソード。


ま、でもどっちにしてもマジックワードだと思うけどな。でもって、なんかとってもいたたまれないものを感じた。敵じゃないよって彼が言ったと漠々とした中で安心して、ちょっとでも気分を害したら、「敵対的じゃないって言ったじゃない」など言うとか、そういう感じで外交をいじってんじゃないだろうな、みたいな。そうでなかったとしても、少なくとも、北朝鮮とはそういう人々風に見られるコラムだし、読んだ人もそう思うだろう。


古典だが土居健郎でも送りましょうか、と思わずいいたいものがある。


金正日総書記、「条件が成熟すれば6者協議に復帰」

「米国が信頼するに足る誠意を示して行動することを期待している」と語り、米国に譲歩を求めた。

http://www.asahi.com/international/update/0222/003.html


これなんかまさにそうだろう。なんだよ、それ、と普通の大人なら思う。が、思わない人々がいる。私はこういう心理的リアクションについてこの頃まじめに不可解になっていたことがあって、実はこの前かなり心理学に造型の深い友達に尋ねたのだった。自分が相手に思いっきり嫌なことをして、やって、叫んで、それにもかかわらず好感を得られるはずだ、と前提しているとしか私には見えない件があるのだが、この心理はいかなるものなのかと。答えは秘すとして、しかし、まさか外交は想定してなかったっすよ。なんじゃこりゃ、だ。


町村外相は、正面から「条件付きじゃ駄目だ」と言ってるみたいだけど、いや、そういう話じゃないかもしれないっすよ、これ。つまり、条件なんかないよ、あんたが決めることだ、がこの場合正解というか、言ってあげたら親切だ、ではないかと思う。