女性に対する暴力


Violence Against Womenというのが、日本で一風変わった団体に名前を取られたせいで、この問題一般に対する理解が得られなくなるのはまずいと思う。女性に対する暴力一般に困ってるから被害にあう女性を助けましょうという取り組みが必要な状況は実際ある。


ただ、そういう団体が何をやっているかといえば、私がちょっと知ってるカナダの団体なんかだと別に女性に対する暴力を国際社会に訴えよう、などとは言っていない。


夫やパートナーが暴力をふるったらここに電話しろ、ここに相談しろ、出て行くためにはこれを準備しろ、家がないならシェルターもあるぞ、と来て、その次には、結局女性が経済的に自立していないことと、話すことのできる仲間がいないから孤立して自分だけで解決しようとしてしまうのだ、であればまずここはどうですか、あそこはどうですかといろんな支援団体を紹介し、その上で、カウンセラーだって気のあう人と合わない人もいるんだから遠慮して変えないとかいうのは駄目だよ、などとも言う。さらに、抜本的には、言葉ができなかったことが対応を遅らせる場合が多いのだから、通訳サービスもあるからまずはそれを利用して、同時に自分も学べと無料のスクールを紹介され、その次には適宜職業訓練があって、レジメを書いて応募して、その間不満足な仕事だとしても「サバイバル・ジョブ」(生きて行くために不本意ながらもつく仕事)をこなせ、それだって生活の体験なんだ、バカにしたものじゃないぞ、そこで広げるネットワークがあなたを助けるかもしれないんだから、と、要するに、とにかくハッパをかけ激励するためにこそあるようなものに見える。どこにも、ではいったいその暴力は誰のせいだったのか「人民裁判」で犯人を探してみましょう、などといった取り組みが案内されたことはないと思う。


当たり前だ、目の前で今現在暴力によって困ってる人を助けようという取り組みなんだから。


そういう人はこのへんに電話するように、というページはこんな感じ。
Violence Against Women (VAW)
http://www.fsatoronto.com/programs/vaw/centres.html


ま、アムネスティなんかが、これらローカルな活動と「グローバル」な活動の結節点になっているかなとは言えるから、その意味でグローバルなフェーズと全く関係ないとは言わないが。


Women and war
http://web.amnesty.org/actforwomen/conflict-index-eng