国籍条項と私


都国籍条項訴訟:
「哀れな国」痛烈に批判 原告の鄭さん
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050127k0000m040077000c.html


前にもさんざん書いたのでまたかという気持ちで見た。
国籍条項が必要な職種はあるのだし、それによって職業上の制限を受けるのを「差別」とは呼ばない、と言うべきだというのが私の考え。


で、思うのは、誰か彼女にとって重要で親密な人が、そういう仕事につきたいのなら国籍を取ったらどうだろうと言わなかったのだろうかということ。


でもって、国と国民と民族の関係が適度に理解された後に、それを大枠として、地方やら都市やらが独自の原理原則を考えてその土地やら地方、人口配分やらに応じた、特定の意味の「在日」ではなくて広い意味での在日外国人とプロパーな国民との間の差異を条件に応じて外す、ってのがここから世界が向かうトレンドっつーもんだろうと思う。


が、いつまでもそれに乗り出せない。なぜなら、その根本的な関係を了解しあわないことを是とするかのような人々が、よりによって大メディアのような影響力の強いところにいるからだ。壁になってんだよ、あんたら、だな。


私はここで永住権を持つ文字通りのガイジンなのだが、自分でその立場になってこうした日本の問題を見てしみじみ思うのは、一体誰なのあおってるのは、ってことにつきる。まず、この立場であることを抜け出す道が提供されていて(つまり市民権取得の道がある)、それにもかかわらずそれが嫌で、その上でカナダなんか大嫌いで、この差別大国を見返してやろうと意図して、さらにこの差別は人道上問題だとここの裁判所に訴訟をかけようとしたら、私に付く弁護士はいるんだろうか? あなたのしたいことがわかりません、と言う以外に誰も持つべき言葉がないと思うんだが。また、「哀れな」カナダ、と原告の川上さんが泣いている図を新聞が1面に持ってくるのか? 想像できない。


ってか、泣いてる私を見た人の多くは、市民権、またはnaturalize帰化を選択したのに落ちた、その手続きに差別があるのか、それは大変だ、よし応援するぞといった展開になるじゃないかと思う。そこで、いいえ、私はこの国が大嫌いだからそんなものはいらないの、とか言ったら…。う〜ん、どうかなぁ。I know....だけどね、仕方ないよね、仕事上の優先権は市民権のある人にあるからね、私だって悩んだんだよ、でもね子供もいるし、両親にもっと広い部屋をと思ったら私に残された道はこれしかなかったのよ、みたいな話を延々繰り返され、しまいにはここではしばしば起こるのだが、故国が一体どんだけ大変、ひどい、危険、貧乏、不潔、戦争ばっかり云々だったかをもうお願い勘弁して、またこの次の機会に…というまで聞かされるはめになる。ま、そんなところになることが予想される。


で、多分ここにいるS.Korea、つまり韓国人も同じだろうと思うんだな、この件について。もちろん、でも日本だけは違うと言い立てる人がいるかもしれないが、それも、なんつーか、私とその人のマンツーマン、あるいは対日本人だけ、という状況なら言えるだろうが、そこにカナダ人でもアメリカ人でも、インド人でもアフガニスタン人でもイラク人でもイラン人でもポーランド人でもがいた場合、その韓国人のクレームが了解されることってないと思う。


そのうちきっと、南のコリアあたりの人から、日本人はコリアンを馬鹿にしているのか、コリアンは国家を理解し運営できない人々だとでも思っているのかといったクレームが付くんじゃないのか。宛先は毎日、朝日と教えておこう。


非常に理解しやすかったのは、この方のエントリー。
法的にどういう手順または論理でさばかれたのかをわかりやすく解説されていた。


予習! 在日韓国人が公務管理職就任を拒否された事件
http://miso.txt-nifty.com/tsumami/2005/01/post_1.html



[翌日追記]
これだけ一般人を起こらせる会見ってのも珍しいんじゃないのかな。今まで、まあいろいろあるし、と静かに見ようと思っていた人まで怒ってる気がする。これが狙いなのか、こうやって怒らせることがと別の筋を考えたくなる。ともあれ、gooには、「哀れな国」で検索した結果なるページが立っていた。

http://blog.goo.ne.jp/search/search.php?MT=%B0%A5%A4%EC%A4%CA%B9%F1&tg=all&da=all&st=time&dc=10&fr=1&dp=all&bu=&pg=1&ts=all&status=select