アジア女性基金が解散へ


アジア女性基金が解散へ 2年後の「償い事業」終了機に
http://www.asahi.com/politics/update/0123/002.html


例のバウネット的「人民裁判」(people's courtとでもルビをふってみる)の様子を見ながら、そういえば政府主導の基金があったそれはどうなっていたのだろうとなんとなく頭の隅を過っていたのだが、解散なのだそうだ。


これがそのサイト。「償い事業」として行われたことの一覧。
http://www.awf.or.jp/ianfu/country.html


基金設立に向かう動きというのをかなりの騒動として記憶している私としては、この団体が、「従軍」慰安婦の問題だけでなく、一般化されたドメスティック・バイオレンスの啓蒙事業までやってるっているようだというのが、方向性としてはいいのか悪いのかよ〜わからんという気がしないでもないが、でも、まぁ、過去の戦争によって辛い目にあった人の現在に対していささかでも寄与するのならそれはそれでいいのかなと思わされるような感じのサイトではあった。こういうのがもうなくなればいいですね、というのは、基金設立に賛意を表明した人々の全体とした気持ちでもあったんだろうし、それが反映されているようにも見える。[補足:まったく馬鹿だったとしても。]


が、では、だったらここと「裁判」はどう呼応するんだ、となる。
ニュースから辿っていったら、追ってらした方がいらした。


NHKだよ全員集合!!(対人地雷禁止)
http://fujisawa.bblog.jp/entry/127044/



そこから辿ったリンクによれば、元慰安婦の人が、基金と「裁判」という二つの団体を前にしていろいろ・・・ということがあった模様。


女性国際戦犯法廷──天皇の戦争責任を、法律家・知識人が「語ったこと」に意義があったのか?
http://www.zephyr.dti.ne.jp/~kj8899/houtei.sokatsu.html


インドネシア元「慰安婦」と「女性国際戦犯法廷
http://www.zephyr.dti.ne.jp/~kj8899/indnesia.html


かいつまんでいえば、女性基金が求める解決法は、「日本特有の政治的な欺まん行為である」なので、「日本政府は従軍慰安婦の被害者に対して徹底的に謝罪し、国家的な補償を可能にする法律の制定に遅滞なく取り組むべきだ」ということから「裁判」になった、と、そういう話でしょうか。


[補足:違うのだとしても、「裁判」は法的には無効だが補償なりを可能にするための状況を作ろうとしているという目標点、または方針の類似性は覆せないだろう。]


しかしこう、燃料を投下してるつもりはないんだが、上の文章で「 」にしたのは、原田氏という方がやってらっしゃるこの掲示板で拾った2.5年前の記事の文言。共同通信ニュース、2002年7月10日付け。
http://tcup7102.at.infoseek.co.jp/tri798/bbs


北朝鮮が、小泉首相はじめ閣僚が、「女性のためのアジア平和国民基金」に対して327万円の寄付を決めたことに対して、

従軍慰安婦犯罪への真相調査と日本政府の賠償を求める国際社会への耐え難い冒涜(ぼうとく)であ
り、日本特有の政治的な欺まん行為である」と非難した。


 同通信論評は「日本政府は従軍慰安婦の被害者に対して徹底的に謝罪し、国家的な補償を可能にする法律の制定に遅滞なく取り組むべきだ」と主張した。
(了)[2002-07-10-20:19]

このページも参考になる。

「戦後補償」とは
http://www.zephyr.dti.ne.jp/~kj8899/hosho.html




こんなに大事な問題だというのに、そういえばこの2週間の報道の中に、これらの長い、いや長くもない、せいぜい15年だがこうした経緯の全般を語っていたものを寡聞にして私は知らない。不勉強なだけなんだと思うが、その不勉強が現在の「印象」を決してしまうことに、私も含めてもっと注意深くなければと思った。