両論併記カナダの事例


また「海外では」で嫌がられることなんだから黙っておけばいいのに正直に書くが、カナダの事実上国営放送であるCBCのレポート(NHKスペシャルみたいな位置づけのものが毎晩ある)の構成はざっと上に書いたような調子だ。


もちろん、それでも足らない、取り上げ方、つまり切り口がフェアじゃない、と怒る人は後を絶たないこともあるんだが、そういう場合には例えば、ラジオのCBC 1の政治コラムニストの番組でも、あとなんだかよくわからないほど「電話しろ」と呼びかけている番組は一杯ある。そこで個人が結構もクソも無く言いたい放大を言うんだが、おそらくこうやって一般人もまたパブリックな言論の訓練をしているんだろうなと思ったりする。


俺はイヤだ、では言う意味がなくてどこかで誰かを説得するためにこそ俺はわざわざ電話してる、っていうことの意味をこれらのプラクティスを通じて納得すると。なかには自分でパブリックに言ってみてはじめて、俺もへんだったなとか、詰めが甘いなとか考え直して再度準備する人とかいるんだろうなと想像する。


あと、どうにもならないことを言いはじめる人(感情的というやつ)もいるんだが、キャスターはそれに対してジャッジはしない。ご意見ありがとう、でもあなたの言ってることはよく理解できない、これはこういうことか?みたいなアクションを1回ぐらいは起こすが、それ以上になったら「ありがとう」で切っちゃうってのもあり。キャスターはとても大変だしこの裁き方(意見に対してではなくて、人からどうやって意見をくみ出すか)こそがこの位置にいる人に求められる資質、って感じ。