国連主導


インド洋津波>国連が緊急支援で支援国会議を主導
http://www.excite.co.jp/News/world/20050113004700/20050113M30.168.html


なんといえばいいのだろう。ほのかに、何かこう、日本語で書かれた国連に関する記事に、かすかに、どうも、独自の方向性みたいなものがあるように見える。国連が主導だ、ということをとても強調したい意図が見えかくれしすぎしないか…。


国連、被災国支援緊急首脳会議開催、ではなくて、主導と書く、わけだ。

しかし、6日にジャカルタで開催された被災国支援緊急首脳会議で空前の拠出額を表明した各国の熱意は、実際の資金拠出の段階になって尻すぼみになった印象はぬぐえず、国連が中長期的にも調整役を維持できるかどうかが課題だ。


この言い方はちょっと誤解を招くのではないのか。確かに、大きなお金を約束して実際に支払われないケースが多々あるらしいことは知られている。が、今回の場合は、「実際の資金拠出の段階になって尻すぼみになった」というより(実際まだ日は浅いの)、国連統括のものとは別だてに各国ごとの支援策を用意しているから、である可能性もあるわけでしょ。ってかそうだ。

また、米軍兵約1万3000人を被災地支援に動員している米国のナツィオス国際開発局(USAID)局長は「我々の支援対象は独立国家であり、再建事業を決めるのはそうした国家だ。被災各国の努力を支援することが重要」と、国連主導で復興を目指すアフリカの紛争地域とは違うことを指摘し、国連を通さない直接援助にも含みをもたせた。


含みってか、そうでしょう。また、米国支援約束額として知られている3.5億ドルに米軍の展開分は入ってないらしいしわけで、国連が仮にいろんな活動の中心、平たくいえば連絡事務所になったとしても各国ごとに行動していることのいちいちに関与はできない(非人道的だ、とでもいうのでない限り)。

Aid effort shows best of U.S.
http://www.canoe.ca/NewsStand/Columnists/Toronto/Eric_Margolis/2005/01/09/852537.html

(話は逸れるがEric Margolisは決していわゆる親米のコラムニストではなく軍に詳しいだけあってなおさらここしばらくはほぼ年中苦情を言っているような人だったと思うが、今回に関してはUSが一番いいとこ見せる展開になってるわけだわな、ってのを認めるしかないわな、らしい。)


カナダの場合は資金の額もカナダという国力からしたら頑張ってます、なわけだが、その他に当該被災地域からの移民を通常の基準ではあるがfast track(優先的な手続き)で受け入れるよと表明もしている(それは支援じゃなく、逆支援だろうと怒ってる人もいるが)が、もしここに費用負担があったらそれも別建てだ。


日本も個々にいろんなプロジェクトを持ってるだろうと思う。


で、こう、世界中の人びとは毎日新聞が気にしているほど「国連が中長期的にも調整役を維持できるかどうかが課題だ。」とは思ってなくないか? って気がするんだが・・・。これもまた国連ってのが、現実に、実際にそうであるよりも象徴的だということの小さな証左ではあるまいか。


下でいただいたコメントをお借りすれば、こうして国連の下に入ること、その姿勢の取り方そのものが、少なからぬ人びとにとってのアイデンティティを保証しているということか。


でも、そういう人はそんなに多いだろうか、日本で、という気もする。幾つかのメジャーなマスコミが特にそうだということだけだったりする気もする。


[捕捉]
(下で先に御挨拶をいただいてしまいましたが、私はこの4ラインを書き忘れてTBをしていたらしい。粗忽ものですみません。13日午後@カナダ時間=14日未明@日本時間挿入します。)


まだ信頼できない国連の実効力
http://quakesma.exblog.jp/291090

元記事の毎日新聞がもたらし得る誤解について、4つめのパラグラフで大事な指摘をまとめてらっしゃったのでお借りします。「スマトラ地震救援情報ブログ」さん。