なんてーか、海外で歯医者ねぇ


海外で、といったっていささか広いわけで、こういう語を使う人の立論を私はあまり信じられない。というか、その意味内容、具体的な地点を十分に見当しないことには聞いても意味がない。海外ってどこよ、だ。カナダの歯医者のために立論しているとはあまり思えないわけだが。


週刊!木村剛
2004.12.21
[コラム] 虫歯は海外で治しましょう
http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2004/12/post_56.html#more


率直にいって、なんか木村氏、ちょっとあきた。私は。隊長の展開のためについていっているようなもので律儀に見てるわけだが、こう、そういう言い方もなんだが論考が…(遠慮してみる)。

その理由を聞くと、極めて説得的だ。外国歯科医師資格を有した歯科医師が日本では患者に対する医療行為を行えないので、高度な技術を実際の治療という形で直接見ることができない。研修会でのライブ治療が可能になれば、国内の歯科医師がクオリティーの高い卒後教育を受けられることになる。
 さらに、外国の高度な歯科医療を日本国内で受けることができないために、日本にいる患者が治療のために海外に出かけているという実情がある。規制改革をすれば、海外にわざわざ出かける必要がなくなる。


いやさ、医療を「外国人」に、というのはなかなか難しい問題なんですよ。
アメリカ 、カナダ と主に東欧、 ロシア からの人びとを巡ってここ15年ぐらい結構大変だった。 テレビドラマ のER の中に 医療 行為を実施できないが本国で医者だった人って時々出て来ていた気がするが記憶されている人も多いのでは?


カナダの場合、医者と法律関係者はカナダで学んだ人でないと専門行為を実施できないです。つまり、ここで医者とは認められない。これを巡ってこの人たちがどれだけ苦労したことか。マジで、心が痛むというか、彼らの人生の大変さを思ったことも一杯ある。



一方で、治療(または法律でも)を受ける側の気持ちもわかる。言葉や、学の体系、漠然とした理解の体系がとても異なっているのはとても不安だから。だから、双方がこれを理解しあうまでには大変だったけど、それを乗り越えた元医者という人なんかはエライよなぁとだいたい思う。彼らの人生を生きたなと思うよ、ほんとに。だいたいと書いたわけはやっぱり恨みに思ってる人なんかもいるからだが。


ただ、歯医者のうちの部分的な治療に関してはもっとテクニカルなものとしてもいいのかもしれないとは思う。しかし、やっぱ根本的には国内の医師群と同じ土俵におくべきじゃないの? 人ってモノじゃないから。


で、この人、木村氏は何を言いたいのだろう? どこか特定の「外国人」の医者に日本で診療させよ、ってことなのか? と考えて、あれか、東欧からの移民がアメリカ、カナダに来たように、北朝鮮、韓国、中国の医師を日本にとかって考えているのか? まさかね。昇り龍、チャイナへどうぞ。人口が多いところへ行くのが当然いいでしょうし、いわゆる欧米の倫理規定を超えてすごい治療を実施して有名になってる先生がいたりもするし、いろんな意味で興味深い医学会だと思うな、チャイナって。


このへんの問題に関しては、カナダで外国で教育を受けた医師が最初オープンだったものが途中から禁止になった様子などが参考になるのかもしれない。そのうち書こう。で、今医師不足に悩んでいてもそれでも解除しないのもなんかあるのかもしれない。


なんつーか、こういう外国人の移設ものって、制度を作った時に一時的にブローカーみたいな人たちが盛り上がってお金儲けをして、後に残された人びとはすべて後悔するみたいなことになりがち。カナダ、アメリカでは15年ぐらいたって、今ようやく落ちついて、いろんなことあったなみたいに振り返ったり修正したりしている感じ。東アジアって、あと2回ぐらいこういうのがあるってことだろうか。