むしろ「フタ」は開いている

★チャイナの「愛国教育」についてのTIMESの記事を探しにリンクをたどってらっしゃる方が少なからずいらっしゃるようなのでご案内。わかりにくくてすみません。
http://d.hatena.ne.jp/Soreda/20041124



人民日報社の11/25付けによれば、
「第2次大戦ドラマ「記憶の証明」、12月に放送へ」だそうだ。


リンクして抗議なんかされたら恐いので、リンクははずす。コピー大国になんでこんな遠慮するんだよと皮肉なものがあるが。あはは。
ttp://j1.peopledaily.com.cn:80/2004/11/25/jp20041125_45481.html


ますますやる気なのか。*2) でその中の文言に、「同ドラマは第2次世界大戦の時代を描いている」という文があるのだが、ああ、これって一昨日書いたTIMESの言う通りなんだなとあらためて気づく。

記事の中に、チャイナでは「抗日戦争」が第二次世界大戦と同義になってると読めるところがあって、へ?と思ったのだが、どうも本当らしい。というかその意図がなくてもここに過剰に情報が集中したら大枠なんて何も覚えられないものなぁ。


チャイナは、日本がアメリカに負けたことによって、連合国側の一員に滑り込んで、それによって同時に、「反ファシスト」連合の一員になった。自分がそんなことをしたとは夢にも考えていなかっただろうが国民党、蒋介石がそのチャイナの代表となる。が、それにもかかわらず、その権威を奪還した中国共産党に、チャイナという名の元に同じ権威なり、権利なりが事実上譲り渡される。理屈としては、中国人民の名においてってことかな。そういうわけで、中国共産党は今日堂々と、「我々は共にファシストと戦ったのだ」と言えることになっている。理屈で言えば、今時分元気なら、スターリン率いるところのソ連もここに仲間入りできたはずだ。


苦笑を禁じえないわけだが、元を正せばそれでいいと言ったのは連合国諸国なんだから、どれだけ気分を害しても、アメリカもイギリスも、よせよ、とも言えない。中共は利口だ。*1)


第二次世界大戦、WWIIという語は語れている地域によって語っている内容に大きな隔たりがあることが多い。日本では長らく、太平洋戦争とほぼ同義、しかし日中戦をはじめとしたアジアでの出来事を忘れるわけもなく、単純にいえばこれをどう繋げていいのかがはっきりしないままにここまで来ている。最後の最後にやってくれたよな、のソ連をどう考えたものかは今日尚はっきりしない。アメリカでは、半分(適当な数字だが)ぐらいの人は、日本との戦いを思い出すだろうが、東海岸を中心にしたところでは、それは圧倒的にドイツとの戦いのことだ。カナダは、基本線はイギリスのためにドイツ戦を戦った、なのだが、同時にそのイギリスのために植民地であった香港に兵を出していることもあり、またアメリカと同じ線に自己を見立てることも多いため、対日戦、つまり太平洋戦争の視点も小さくない。

ヨーロッパ世界もまたドイツとの戦い以外の何ものでもないのだが、同時にアジアでの植民地を失った国々では、敵の名前は日本という場合もある。


と、これらの見取りについて、納得のできる説明をしている人は結局のところあまりいないような気もする。三国同盟を中心に、ファシストとの戦いだった、となったら、じゃあスターリンって誰よ、とか最初清国ではじまって中華民国になってその後内戦になったチャイナってなによの説明が困難になる。冷戦とは、これにケリを付けるために功績があったと言える。やっかいなものは「鉄のカーテン」の向こうに追いやって、後で考えようにした、と。


[捕捉]
1)冷静に考えるのなら、コミュニスト・チャイナとはアメリカが助けて助けて助けて、戦争までして助けて成立させたも同然なのだから、よもやそんなことは言うまいよ。

2) さらに来る。
南京大虐殺世界遺産に』
中国で申請構想
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20041126/mng_____sya_____013.shtml