独立戦争管理委員会というのはどうだろう


イラク人死者10万人説を否定 ストロー英外相
http://www.sankei.co.jp/news/041118/kok020.htm

ランセット」がこの間発表していたデータを「受け入れられない」と言っているそうだ。この事自体というより、この構造がなんというかかんというかだ。この数字が出た時、私は別に取り分け疑いたかったわけでもないが、ブログを見回って誰一人疑問の声をあげていないことにむしろ驚いた。


ではどうだろう。独立戦争管理委員会を作っては。と、まぁこうやって、各地に安全委員会ができたり、中立地帯ができたり、あと赤十字もそうだな、そうやって断片的にはルールというものがあったりはするのだが、そこに負傷者統計に厳密に特化した班を作ってもいいと思う。不謹慎なと言われるだろうが、どのみちデータを発表しあうのであれば、cross-examine可能な体制である方がメディアの一方的な流しよりもプロパタンダ戦を回避できる可能性は高まる。


プロパガンダ戦は広範な人びとに怒りや恨みの炎を双方に呼びおこし、なんせたいして費用も相対的に見えれば安価でリスクも低くできるものだから、燃料を補給し続ける。そこで、別に死ぬこともなかった人も死ぬはめになり、鬼になりたかったわけでもない人も鬼になる。そしてその後の世代に具体的な憎しみを残す(ホントに戦ったよりもさらにタチが悪いようだ)。であれば、極力回避する方向に動けばいい。


と、ランセットという権威ある雑誌に出ていたのに川上は何を言っているのだと言われそうだが、まぁでもランセットって、確かに権威だとしても、同時に戦争とか飢餓と病気、疾病を切り離さずに考えている傾向があるんだから、悲劇は大きな見積もりになりやすい傾向があるかもしれない(それが医者の良心だともいえるわけで全く咎められない)、しかもどこかで反対尋問が行なわれているわけではないのだから(多分)、やっぱりちょっと一応距離を置いてもいいんだろうと思う。別に私は英米軍の見方をしたいという意図はない。が、何十年経っても、人びとは何人か、誰が死んだのかを深刻なまでに気にするのだから、だったら独立委員会があった方がいい。