大統領の戦争犯罪とは「馬鹿げている」か?

Nov.?18, 2004. 01:00?AM
War crimes charge for president `ridiculous'
http://www.thestar.com/NASApp/cs/ContentServer?pagename=thestar/Layout/Article_Type1&c=Article&cid=1100731811469&call_pageid=968332188854&col=968350060724&DPL=IvsNDS%2f7ChAX&tacodalogin=yes


大統領の戦争犯罪とは「馬鹿げている」

トロントスターを開けたら、上のタイトルが目に飛び込んだ。何の話だ?と思って、最初のパラグラフ(だけがトップページに表示される)を読んだら、ブッシュがカナダに来たら彼は起訴されるかもしれないとのトロントスター紙のコラムニストの示唆が、昨日ホワイトハウスで毎日行なわれているブリーフィングで問題になった、とある。


こんなことを言い出す人はWalkomしかおるまいと思って記事を読むより先にコラム欄に行ったらやっぱりあった。


Nov.?16, 2004. 01:00?AM
Should Canada indict Bush?
http://www.thestar.com/NASApp/cs/ContentServer?pagename=thestar/Layout/Article_Type1&c=Article&cid=1100517502971&call_pageid=970599109774&col=Columnist969907626796&DPL=IvsNDS%2f7ChAX&tacodalogin=yes


タイトルはずばりそのまま、
「カナダはブッシュを起訴すべきか?」


ブッシュがカナダに来たら起訴すべきかいなか、これは興味深い質問だ。ブッシュは、カナダのCrimes against Humanity and War Crimes Act(試訳すると、人道と戦争犯罪に対する罪法)の完璧な候補者だ。


ということだそうだ。で、この法律は、2000年に国際刑事裁判所の新しいルールにカナダの法律を合わせることになったもので、今までまだテストされたことはないのだが、これはいいかもしれないじゃないかと言う。


笑いごとではなく、これは考え方として一理も二理もある。
イラクでの戦争開戦時に、ベルギーがやっていたことと同じ趣旨と考えていいでしょう。あの時も、カナダはベルギー頑張れだったのだが、ベルギーはアメリカに追いつめられてだんだん気の毒(というかなんというか)なことになっていったのは周知の通り。というか、アメリカも悪いが、ヨソの支援がないも同然だったからなぁというのもあるかな。意外と。


で、冒頭の記事に戻って、ブリーフィングで、そういう話が、カナダで一番発行部数の多い新聞のコラムニストが言っているんだが、大統領はアメリカを離れる前に準備しますかと記者が尋ね、McClellan報道官が、「馬鹿げてる」と退けたのだそうだ。


まったく興味深い。


長らくお付き合いいただいている人はご記憶にあるかと思いますが、Walkomは開戦時にも非常に興味深い議論を提供していた、渾身の愛国左翼のおじさん。今回も前回も愛国だからこそできることだよなぁとしみじみ思う。日本にまったく欠けているタイプ。私は常に彼の議論に賛意を表明はしないし反論を申し述べたいと思うことも多々あるが、論旨の構成がいいといつも思う。でもって猾くないところがいいという感想もある。論旨に一貫性があるって結局誠実さと表裏だと思うんだな、私。cross-examine、つまり反対尋問にあってもぶれないでいられるとはそういうことだ。ま、それは余計なことだが。

もしご興味があれば、カナダがイラクでの戦争にノーを言った時のドキュメントをどうぞ。

「カナダ的妥協」ーーあなたがいるから私もいる
http://www.shobunsha.co.jp/html/owaranai/05.html