投降と「訴追問題」

Jenkins surrenders at U.S. military base in Japan
http://www.usatoday.com/news/world/2004-09-10-jenkins-surrender_x.htm?POE=NEWISVA


ジェンキンス日本の米軍基地に投降」というのが今日のUSA Todayのこの記事の見出し。
この写真が、surrender、降伏、投降の意味を物語っていると言えるかもしれない。この構図、なんか別のものを思いだしそうでもある。


というわけで、USの行動についていろんなことを知っている可能性があり、かつもしかしたら北の大将と深い関係があるかもしれない、そういう不安ファクターを持った男は米軍下に投降してきた。これで1つ心配は超えたな、というのがアメリカの感触なのだろう。


ワシントンポストは、

Deserter Returns to Face Charges After 39 Years
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A14639-2004Sep11.html

脱走兵帰還 39年ぶりに起訴される予定、と。


つまるところ、冷静に考えれば、だったらアメリカが前面に立ってジェンキンス奪還をしてもよかったはずだ。しかしそうはならず、「この話はSoga及びその他拉致被害者への同情がものすごく強い日本を捉えてきた」(USA today)というファクターによって、何か別の話のように日本で取り扱われ、しかし、結果的には米軍が「スパイに英語を教えていた」(USA today)という人物、言葉を教えるとはつまり内容を伝えることを含意するわけで、あらゆる意味で容疑が掛からざるを得ない人物を奪還した、という話におさまった、と。そして北朝鮮に関して知っていることを話すことと引換えに減刑となるだろう(WP)。


曽我さん、なんて大変な人生なんでしょう。軽い言い方だが本当に気の毒だ。


ジェンキンスさん訴追問題、決着は1か月後?
http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/shakai/20040911/20040911i111-yol.html


「5月の日朝首脳会談で、金正日総書記が、ジェンキンスさんの来日について、「本人の意思に任せる」と述べて以降、政府は訴追問題の解決を図るため、米側に「特別な配慮」を求めてきた。 」


振り返ってみて、日本政府は一体どんな「特別の配慮」によってどんな解決を目指していたのだろう? ジェンキンスさんの過去の来歴がある以上、「チャラ」ってのは最初からないわけだ。ジェンキンス氏が脱走だったのか誘拐だったのかを度外視するとしても、少なくとも39年間「敵軍」にいたそのことは消えない。そこで日本に来い(身柄の確保はI guranteeだとかいって)とは、どんな意味だったのだろう。



「川口外相は11日、京都市内で記者会見し、ジェンキンスさんの出頭について「4人で一緒に住みたいという曽我さん一家の希望につながる一歩であることを望む」と述べた。 」


そりゃ4人で暮らせるでしょう、座間で。He is not under arret, but may not leave the camp.(WP) 逮捕されているわけではないがキャンプを出ることは許されないかもしれない、というのが現実だとしても。